AEDは子どもに使えない?よくある誤解と正しい知識
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セコムの舟生です。
AEDは、子どもにも使えます。
子どもにも運動中など、突然心臓が止まるリスクはあるものです。
AEDについて正しい知識を持つことが、大切な命を救うことになります。
子どもへのAED使用について、よくある誤解を解消し、親子で備えておきましょう。
【AEDとは?】
AEDは、日本語で「自動体外式除細動器」と呼びます。
除細動とは、不整脈などによってけいれん(細動)している状態の心臓に電気ショックを与えて正常な動きに戻すこと。
AEDは、誰でも除細動ができるようにつくられていて、音声ガイダンスに従って操作するだけで、命を救う手助けができます。▼子どもとAEDのよくある誤解と正しい知識
「子どもにAEDを使う場面なんてないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかしスポーツ中の心臓突然死のリスクは、安静時のなんと17倍(※)に高まると言われています。
学校の体育、運動会、クラブ活動など、子どもたちが体を動かす場所では、誰にでも緊急事態が起こる可能性があるのです。
(※ https://www.j-circ.or.jp/old/topics/aed_teigen.htm )
心室細動や心室頻拍などの不整脈が起きたとき、発生から1分経過するごとに助かる確率が低下すると言われています。
1分1秒でも早く、AEDを使って応急手当をすることがとても大切です。
・「AEDは子どもに使えない」は誤解!
AEDは赤ちゃんや子どもにも使用できます。
未就学児(おおむね6歳以下)には小児用モードや小児用パッドを使うのが望ましいですが、使用するAEDにない場合は成人用を使うことも可能です。
・「感電するかも」は誤解!
AEDは、使う人が感電しないよう安全に設計されています。
パッドをしっかり貼って、音声ガイダンスに従うだけで安全に使えます。
・「誤作動しそう」は誤解!
AEDは心拍のリズムを自動で解析し、必要な場合にしか電気ショックをおこないません。
間違ってショックを与えることはありませんので、落ち着いて音声ガイダンスに従って操作しましょう。
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▼子どもへのAED使用、ココに注意!
子どもにAEDを使うときは、いくつか覚えておきたいポイントがあります。
・未就学児には小児用モードや小児用パッドを使う
小児用モードは、小さな体にあわせ、大人よりも電気ショックのエネルギーが弱い設定になっています。
また小児用パッドは未就学児の体格に応じた小さなサイズで、より的確に電気ショックを与えることができます。
ただし小児用がない場合でも、迷わず成人用を使ってください。
命を守ることが最優先です。
・パッドが体に対して大きすぎるときは「前後貼り」
AEDのパッドを貼る際は、パッド同士が接触しないようにすることが肝心。
子どもの体が小さくてパッドが並ばない場合は、胸と背中に1枚ずつ貼る「前後貼り」をおこないます。
パッドや本体に描かれたイラストを参考にしながら、落ち着いて対応してください。
・胸骨圧迫を継続する
AEDが到着したら、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を中断してパッドを装着し、音声ガイダンスに従って操作します。
ショックが必要と判断されたら電気ショックをおこないますが、電気ショックが不要でも回復したわけではありません。
救急隊員に引き継ぐまで、胸骨圧迫を続けてください。
「AEDを使ったから安心」と思わずに、AEDの指示を聞きながら、胸骨圧迫を続けることが大切です。ひとつずつ、できることを重ねていきましょう。
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▼親子でできる!AEDを身近にするアクション
AEDは誰にでも操作できます。
AEDの使い方を覚えていなくても使えるものです。
覚えておくにこしたことはありませんが、大切なことはAEDを身近に感じておくことではないでしょうか。
まずは、AEDがどこにあるのかを知ることからはじめてみてください。
ショッピングセンターや駅、公園など、親子ででかけた際は「AEDは、どこにあるかな?」と一緒に探してみましょう。意外といろいろな場所に設置されていることに気づきます。
「AEDは命を助ける大切な機械なんだよ」とやさしく伝えておきましょう。
怖がらずに受け止められるようになれば、万一のときに助け合う心もはぐくまれるはずです。
日ごろからAEDの存在を意識しておくことで、いざというときに迷わず行動できる力になります。
親子で一緒に、命を守る準備をしておきたいですね。
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4コマ漫画「ココタウンのゆかいな仲間たち」AEDの設置場所* * * * * * * * *
AEDは、大人にも子どもにも使える、命を守るための大切な道具です。
正しい知識を持つことで、もしものときに自信を持って行動できます。
今日から少しずつ、AEDについて親子で話し合ってみましょう。* * * * * * * * *
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