小学生の自転車事故を防ぐために教えておきたいこと
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セコムの舟生です。
入学、進級を迎える4月。
学年があがれば子どもの行動範囲は次第に広がります。
ときには友達同士、自転車で遊びに出かけることもあるでしょう。
小学生の交通死傷事故は、歩行中に次いで自転車乗車中が多く、全体の3割以上を占めます。
また学年があがるほど、歩行中より自転車乗車中の事故割合が増加する傾向にあります。
自転車に乗ることで行動範囲が広がりますが、同時に交通事故のリスクも高まるため注意が必要です。
今回は、小学生の自転車事故をテーマに、小学生に多い自転車事故の特徴を紹介しながら、具体的な安全対策をまとめます。
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▼ 小学生の自転車事故は「出会い頭」に発生しやすい
警視庁の統計によれば、小学生の自転車事故の半数近くが、「出会い頭」に発生しています。
出会い頭とは、異なる方向から進行してきた者同士が出会った瞬間のこと。
自転車事故で考えると、十字路や丁字路などで交差する道路に出ようとしたときや、敷地内から道路に出ようとしたときなどが考えられます。
出会い頭の自転車事故が起こる原因としては、見通しが悪いことなどが考えられますが、慎重に安全確認をすれば事故は回避できます。
統計から小学生の自転車事故の多くは「安全不確認」「交差点安全進行(違反)」「一時不停止」によって起きていることがわかります。
自転車事故は命に関わる可能性があることを忘れてはいけません。
乗っている本人だけではなく、事故の相手を傷つけてしまうことも考えられます。
自転車に乗る以上は、その重みをしっかり受け止めて、責任をもって運転しなくてはなりません。
このことは、繰り返し子どもに言い聞かせてください。
▼ 小学生の自転車事故が発生しやすい場所は?安全のポイント
子どもの行動範囲で、自転車事故が発生しやすい場所を把握していますか?
「もしかしたら自転車や車が来るかもしれない」「歩行者が飛び出してくるかもしれない」など、起こりうる危険を予測して、自転車を運転することが大切です。
危険な場所での自転車事故を回避するためは、次のようなことを心がけましょう。
<自転車事故が発生しやすい場所での安全ポイント>
・交差する道路を通行しようとするとき
信号がある交差点では、交差点より手前からスピードを落とし、進行方向の信号が青でも必ず停止しましょう。自分の目で、左右前後、周囲の安全を確かめることが必要です。
信号がない十字路や丁字路でも、必ず一時停止と目視で安全確認を。
見通しが悪いときは、通りがよく見えるところまでゆっくり進んで安全を確認しましょう。
・自宅敷地や公園などから表通りに出ようとするとき
自転車に乗っていきなり通りに飛び出すのは危険です。
塀や樹木などで見通しが悪い場所では、事故のリスクも高まります。
通りに出る前に一時停止して安全確認するか、安全確認をしてから自転車を押して敷地外に出るなど、慎重になりましょう。
・歩行者が前を歩いているとき
歩行者の動きは予想できないものです。
急に方向を変える可能性もありますので、横を通り過ぎるときは、無理をしないことが大切。
いつでも止まれるスピードで、十分な間隔をあけて通行しましょう。
法律上、自転車は車と同じ扱いなので、運転者には歩行者を優先する意識が求められます。
むやみにベルを鳴らすのではなく、「相手に譲る」という気持ちで、歩行者の安全を第一に考えながら走行してください。
・スピードが出やすい道を走行するとき
スピードが出ていると、危険予測や安全確認が難しく、万が一、事故が起きたときの衝撃も大きくなります。
意識してスピードを落とし、いつでも止まれるようブレーキをかける準備をしながら走行することが肝心です。
下り坂はもちろん、目ではわからなくてもわずかな傾斜があってスピードが出やすい道もありますので、該当する場所を子どもにも把握させましょう。
・「一時停止」、「止まれ」の標識や、カーブミラーがある場所
標識やカーブミラーが設置されている場所は、見通しが悪く、事故のリスクが高い場所です。
見かけたときは、その場所で起こりうる危険を予測しながら、安全ルールや安全運転を心がけましょう。
よく知っているつもりの道では見落としがちなので、あらためて子どもの行動範囲内のどこにあるかを確認してみてください。
▼ 子どもの自転車の「安全点検」と「保険加入」は保護者の責任
安全に自転車に乗るためには、定期的なメンテナンスも大切です。
各パーツの点検はもちろん、子どもの身体にあっているかどうかも重要。
走行することができても、とっさのときの操作に影響することが考えられます。
子どもの自転車の状態は、まめにチェックしてあげてください。
スタンドやカゴなどが破損したり、タイヤがすり減ったり、ブレーキの利きが悪くなったりすることも、珍しくありません。頻繁に乗っているなら、タイヤの空気もまめに入れておく必要があります。
自転車販売店での定期点検も忘れないようにしましょう。
成長にあわせて、サドルの高さやブレーキレバーの握り幅などがあっているかなども、見てもらった方が安心です。
特にブレーキは、体を守るものがない自転車にとって、唯一といっていい危険回避機能です。
少しでも効きが悪いときや、扱いにくさを感じたときは、早めに自転車販売店で調整してもらってください。
また、近年は自転車保険の加入を義務化する自治体が増えています。
保護者の加入で家族分も保障する自転車保険、自転車事故に限らず幅広く保障する損害保険など、いろいろなタイプの保険が登場しています。
子どもの自転車保険が未加入の方は、この機会にぜひ検討してみてください。
子どもの自転車の安全と、万が一の備えは、保護者ができる限りのことをおこないましょう。
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万が一、事故にあっても、ヘルメットを着用していたことで命が守られることもあります。
子どもの自主性に任せるのではなく、厳しく言い聞かせて必ずかぶることを徹底させましょう。
また、春休みになるとだいぶ日が長くなります。
西日の時間帯になると視認性が下がるため、早めにライトをつける習慣も大切です。
センサー式の自動点灯ライトで後付けできるタイプもあるので自転車の安全性を高めるアイテムとして検討してみてはいかがでしょうか。
この機会に、親子であらためて自転車の交通安全について話しあってみてくださいね。
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<お知らせ>
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