子どもの留守番は何歳から?保護者不在時の安全対策を考える
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セコムの舟生です。
11月も中旬になり、来年度の新学年に向けて学童保育の申込申請などもはじまっているようです。
一方で、学童保育が今学年で終わってしまうため、来年度から放課後をどう過ごすか頭を悩ませているご家庭もあるかと思います。
子どもが放課後を安全に過ごすため、気にかかるのは「留守番」です。
低学年・中学年のお子さんでは、まだ留守番を経験したことがなく、保護者不在の時間をどのように過ごすか、不安に感じているというご家庭も多いでしょう。
「子どもの留守番は何歳からできる?」
このようなご質問をいただくことがよくあります。
そこで今回は、「子どもの留守番」をテーマにしました。
安全に留守番をさせるためには、いくつか準備しておきたいことがあります。
子どもに留守番を任せるかどうかの見極め方、留守番を頼むときの注意点や教えておくべき対応などをまとめますので、ぜひ最後までご覧ください。
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▼ 子どもの留守番は何歳からOK?
子どもを留守番させるのに「◯歳から大丈夫」という目安はありません。
年上のきょうだいがいるなど、小さなときから留守番を経験し、慣れている子どももいますが、年齢や学年にかかわらず留守番をしたことがないという子どももたくさんいます。
留守番を任せるかどうかは、子どもの性格や成長度合い、周辺環境やご家庭の事情など、さまざまな要素から検討して、判断すべきです。
どんなにしっかりしたお子さんでも、心配なく留守番ができるわけではありません。
子どもが安全に留守番できる環境づくりは、保護者が負うべき責任です。
「あれをしてはダメ」「こういうことに気を付けて」と言い聞かせるだけでは、留守番中の安全を確保することはできません。
「子どもの留守番中の安全をどうしたら守れるか」、具体的な対策を考えていきましょう。
少しずつ留守番を練習していけば、新学年になるころに留守番スキルもアップしているはずです。
▼ 留守番中に多い「事故」「犯罪」は?ポイントを押さえて安全対策を
留守番中、考えられる「事故」や「犯罪被害」などのリスクに対する安全対策をしておくことが大切です。
□ 自宅の固定電話には転送設定を
現金給付など、多くの人の関心が高い話題に便乗した、いわゆる「コロナ詐欺」の電話が増えているそうです。
留守番電話にしておくのもひとつの方法ですが、不在だと思われることが今度は空き巣に狙われる原因になることもあります。
自宅にかかってきた電話を保護者の携帯電話などに転送するサービスを利用すると安心です。
また、番号が表示されるタイプの電話機では、子どもが出てもいい連絡先の電話番号は、電話のそばの壁などに貼っておき、それ以外の電話は取らないように教えましょう。
□ 火気管理を徹底する
ライターやマッチなどを子どもの目につく場所に置いていませんか?
引き出しや棚の中などにしまっていても、そこにライターやマッチがあることを子どもが知っていれば、留守番中に手にする可能性があります。
子どもに留守番を任せる場合は、ライターやマッチなど、火をつけられるものは全て、子どもが知らない、手が届かない場所にしまってください。
□ 自宅の侵入対策を徹底
子どもに留守番を任せるなら、玄関だけではなく家中の窓をしっかり施錠し、子どもにも鍵を開けたままにしないように言い聞かせましょう。
誰もいない部屋から侵入する「居空き」の中には、上の階から伝ってベランダから侵入する「下がり蜘蛛」と呼ばれる侵入手口などもあり、集合住宅の高層階でも安心はできません。
防犯フィルムや補助錠など窓周りの安全を徹底し、家の周辺は見通しをよくして足場になるものをつくらないなど侵入窃盗対策をおこなうのも留守番中の子どもを守ることにつながります。
□ 窓周り・ベランダからの転落事故を防ぐ
転落事故の多くは、足場になるものがある状況で起きています。
窓辺にある戸棚やテーブル、ベッドといった家具のほか、ベランダでは、エアコンの室外機、植木鉢や家庭ごみなどが子どもの足場になることもあります。
窓を勝手に開けられないように施錠すること、足場になるものを近くに置かないことを徹底してください。
ものの置き場や配置が適切かどうか、転落事故防止の観点で見直しておきましょう。
□ ゲーム機やスマートフォンなどインターネット機器にも安全対策を
親の目が届かない留守番中は、好きなことばかりしてストップがかけられなくなるお子さんも少なくありません。
パソコンやスマートフォン、ゲーム機などが自由に使える環境にあるなら、オンラインゲームや動画サイト、SNSなどが使い放題になってしまいます。
保護者が不在のときは、機械的なペアレンタルコントロールが有効です。
端末のペアレンタルコントロール機能を使って、閲覧できるサイトや利用時間などをきちんと設定しておくことをおすすめします。
▼ 留守番中のルールはシンプルに。訪問者の対応を決めておく
子どもに留守を任せるにあたって、あれこれ言い聞かせたくなるのは当然です。
しかし、たくさんのことを覚えさせようとすると、子どもも混乱しますし、不安になってしまいます。
「これだけは守ってほしい」というポイントを絞って教えましょう。
たとえば、「知らない人が訪ねてきたときの対応」です。
悪意のある訪問者なら、ドアを開ければ命に関わる犯罪に発展しかねませんので、訪問者対応については、しっかりと、具体的にルール化しておく必要があります。
<知らない人が訪ねてきたときのルール>
・誰かが訪ねてきても、ドアは開けない
・もし対応するときは、チェーン越しやインターホンで
・来訪者があったときは、すぐに保護者に連絡する
見知らぬ訪問者から何を言われても、ドアは鍵とチェーンをかけたままにし、絶対に開けないことが鉄則です。
宅配便や荷物、回覧板などの受け取りも、玄関の前に置いて行ってもらうか、時間指定などをうまく利用してできれば子どもが対応しなくて済むようにしましょう。
ドア越しでも来訪者の対応をさせるのが心配な場合は、誰が来ても対応しないように伝え、留守番はなるべく短時間にしてください。
また、子どもからの電話にはすぐ出られるようにする、ご近所の方にすぐに助けを求められるようにしておくなど、保護者の側でも安全対策の強化を図っておきましょう。
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コロナ禍においては水道や電気の事業者を装った不審者が訪問する事案が増え、休校中で留守番をしていた子どもが狙われるケースも見られました。
すでに子どもが留守番に慣れているというご家庭でも、留守番対策を見直してみてはいかがでしょうか。
「コロナ詐欺」などの事件を例に出し、「緊急だからドアをあけて!と言われたらどうする?」などと子どもに聞いてみましょう。
実際にあった事例から対応を学んでおくと、いざという時に子どもも落ち着いて行動できますので、いろいろなケースでシミュレーションして練習しておくことをおすすめします。
来年度の新学年に向けて、少しずつ留守番スキルをアップしていきましょう!2020.11.19