住宅侵入窃盗の手段1位は「無締り」!家族みんなでもう一度「戸締り」の徹底を!
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セコムの舟生です。
突然ですが、みなさんのお宅ではお出かけ前に窓や玄関の鍵を閉めていますか?当たり前のことのように思われがちですが、意外なほど「鍵の閉め忘れ」が多いという事実をご存じでしょうか?「ウチは大丈夫!」と思っていても、実は盲点もあるのです...。
まもなく12月。冬休みをはじめ、クリスマスにお正月と、楽しいイベントが盛りだくさんです。お出かけで家を空けたり、また、学校が冬休みに入りますから、子供に留守を頼んで用事を済ませたりすることもあるかもしれません。そこを不審者が狙って、空き巣被害や侵入強盗といった事件につながるケースもありますので、十分注意しなくてはなりません。
今回は、何かと気ぜわしい時期を迎える前に、もう一度見直しておきたい防犯の基本「戸締り」のことをお話したいと思います。
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▼ 侵入手段の第1位は「無締り」! 警察庁の調べによると、2009年に住宅の侵入窃盗の被害件数は、85,228件。およそ6分に1件の割合で、どこかの住宅に泥棒が侵入している計算になります。侵入の手段はというと、戸建住宅や4階以上の共同住宅では、無施錠のところ(無締り)からの侵入が1位。住宅の防犯対策というと、ピッキングやガラス破りへの対策として、鍵や窓ガラスの交換を意識するご家庭が多いですが、そういった対策以前に「鍵を閉め忘れている」というケースが多いのです。
お出かけ前の「戸締り」に念を入れなおす必要があることを、わかっていただけたのではないでしょうか?ゴミ出しや近所への買い物など、短時間の外出でもしっかり施錠する習慣が大切です。
▼ 20cmの隙間でも侵入経路になる!?
侵入の対象になるのは、玄関ばかりではありません。一見、人の出入りが不可能なように思われる場所から侵入するケースも多いのです。たとえば、面格子をつけた窓からは侵入されないと思われがちですが、要注意。古いタイプのものだと、外側から簡単に外せるものもあり、侵入されてしまうケースがあります。また、オートロックのマンションでは、上層階になるほど、ベランダ側の窓に鍵をかける習慣がなかったり、玄関の施錠をせずに外へ出てしまったりすることが多いそうです。「防犯対策がしてある」という安心感からくる気の緩みが、侵入を許す原因になっています。
また、トイレやお風呂の小窓など、換気のために開け放してあることが多い場所にも注意が必要。過去に起きた侵入犯罪のデータによると、かなり高いところにある20cm足らずの隙間から、空き巣が侵入したケースもあるそうですよ!夜間や留守中は、やはり施錠したほうがいいでしょう。
小さな窓が開いている家は、「戸締りが甘い家」と認識されてしまう可能性もあります。面倒くさがらずに、こまめに鍵をかけるようにしましょう。
▼ より確実に戸締りするために「声だし確認」を!
無施錠で侵入されたケースでは、被害者から「いつも閉まっているから、閉まっていると思った」「閉めたつもりで、閉めていなかった」という言葉が聞かれるそうです。戸締りの基本は、"ひとつひとつ確実に"。本当に施錠されているかどうか、出かける前にひとつひとつ手で確かめ、お子さんと一緒に「リビングの窓、よし!」「子供部屋の窓、よし!」「玄関の鍵、よし!」と声に出して確認することを習慣にしてみてください。
戸締りをより確実にするだけでなく、お子さんの防犯意識を高めることにもつながります。
▼ 子供に留守番を頼むときは?
お子さんが小学生くらいになると、ちょっとした買い物の間など、留守番を頼むこともあるのではないでしょうか。特に忙しくなるこれから年末にかけては、そんな機会が増えるかもしれません。不審者の侵入を許さないよう、家中の施錠を確実にしておくことは当然ですが、その間に起こりうることをいろいろ想定して、「こういう場合はどうする」という対応や約束事を決めておくことも大切です。
たとえば訪問者があった場合。対応の仕方は、お子さんの年齢、性格、周辺の環境によって違ってきますが、留守を確かめるためにインターホンを鳴らす空き巣も多いそうです。自分で対応ができるお子さんの場合は、インターホン越しに対応させることも検討しましょう。相手がだれであっても、玄関のドアは決して開けないのが鉄則です。
そして何より大切なのは、子供だけで留守番をしていることを相手に悟られないこと。相手には「お母さんはいま手が離せないので、あとで来てください」と言わせるなどの工夫が必要です。
電話が掛かってきた場合なら、「お母さんが『いま忙しいので、あとで掛け直す』と言っています。電話番号と名前を教えてください」と言わせるなど、実際のセリフを親子でシミュレーションして、いざというときにお子さんが困らないようにしてあげてください。
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あと1カ月ほどで子供たちは冬休みを迎えます。安心して家で過ごせるよう、今のうちに戸締りと住まいの安全をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。2010.11.26