コロナ禍で変わる小学生のインターネット事情
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セコムの舟生です。
セコムでは、1月24日(月)、25日(火)の2日間、小学生の子どもをもつ全国の男女400名を対象に「小学生の安全対策に関する意識調査」を実施しました。
日常生活の不安や、ご家庭での安全対策などさまざまな回答結果のなかで、今回はコロナ禍の影響が色濃くあらわれた「小学生のインターネット事情」を中心に解説していきます。
家庭での不安を軽減するためにできること、取り組んでいただきたいことを具体的にまとめますので、ぜひご覧ください。
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▼6割以上が「子どもの日常生活に不安」
セコムが実施した「小学生の安全対策に関する意識調査」によると、子どもの日常生活に不安を「とても感じている」「どちらかと言えば不安を感じている」と回答した方は、66.3%。
特に高学年男児を持つ男女で、7割超が不安を抱えているという結果となりました。
さらに、もっとも不安に思うこととして、「屋外での事故や怪我(25.3%)」「連れ去り、通り魔などによる危害(24.5%)」に次いで多かったのは、「インターネット上のトラブル、危険(18.5%)」でした。
子どもが巻き込まれる事件や事故の多様化、インターネット環境やスマートフォンの普及など、小学生を取り巻く環境の変化が、家庭での不安につながっていることが見て取れます。
▼ コロナ禍で増えた小学生の「ゲーム時間」「動画サイトの閲覧時間」
子どものインターネット利用についての不安についても、調査を行いました。
インターネット利用でもっとも不安だと感じることとしては、「視力の低下や睡眠不足など健康上の問題(24.7%)」、次いで多かったのは「いじめなどの友人間のトラブル(17.7%)」「知らない人とのメッセージのやり取り(16.7%)」でした。
健康上の心配以外に、インターネット上での他人とのコミュニケーションによる不安が伺えます。
昨今、インターネット上でのいじめやSNSなどをきっかけとする悪意ある第三者とのトラブルが報じられているように、大人の見えにくいところで、深刻なトラブルに発展しうるのが、インターネットの世界です。
インターネットの危険性や利用する上でのモラルなど、子どもたちの知識が不十分なまま、インターネットを利用するのは大変危険なこと。
「なぜ気をつけなくてはならないか」「どうすれば安全にインターネットを使えるか」を親子で一緒に学んでいくことが大切です。
また、「コロナ禍で子どもの日常生活にどのような変化があったか」という問いには、「ゲームをする時間が増えた(53.0%)」「動画サイトの閲覧が増えた(51.5%)」という回答が多く、半数以上の小学生が、ゲームやデジタルコンテンツの使用頻度が増えていることがわかります。
コロナ禍でいつのまにか「あたりまえ」になってしまった、過ごし方の新習慣。
コロナ禍が収束しても習慣は変わらないかもしれません。
しかし、ゲーム機を含むインターネットやデジタルコンテンツの過度な利用が、健康上の問題につながりやすいことも事実。
節度ある使い方、楽しみ方をするためにはどうしたらいいかを、子どもと話し合いながら新習慣を楽しみましょう。
▼ もっと「親子のコミュニケーション」を増やそう
本調査では、「子どもの安全対策として、何が有効だと感じるか」を聞いたところ、もっとも多かった回答は、「親子での緊密なコミュニケーション(68.0%)」。
2位以降の「子どもの行動範囲の定期的な把握(59.5%)」や「防犯パトロールなどの地域の見守り(48.0%)」、「防犯ツールの利用(44.3%)」などを大きく上回る結果になりました。
小学生の「安全・安心」な生活のために「親子のコミュニケーション」は欠かすことができない防犯対策です。
子どもが発する言葉や、表情、様子から得られる情報は計り知れません。
トラブルに巻き込まれる前には、何かしら予兆があるものです。
「下校中に変な人を見かけた」「友達からSNSのグループに誘われて、どうしたらいいか迷っている」といった話が出てくることもあるかもしれません。
コミュニケーションを通じて得た情報を元に対策を考えれば、危険を未然に防ぐこともできます。
「忙しくてなかなか子どもの話を聞く時間を取れない」など、ご家庭の事情があるかもしれませんが、子どもの安全に関わることです。
家庭ではできるだけコミュニケーションの機会を増やしてほしいと思います。
▼ 子どもとのコミュニケーションのポイント
親子のコミュニケーションを通じて、子どもは「あなたのことを大切に思っているよ」「あなたをちゃんと見ているよ」というメッセージを受け取るはずです。
たとえ短い時間でも、うまくいかない日があっても、子どもとのコミュニケーションを諦めずに続けてみてくださいね。
・ココがポイント!
「コミュニケーションの時間」を習慣化する
5分でも10分でもいいので、仕事や家事の手を止めて、子どもの表情がよくわかる距離でしっかり向き合うことが大切。
忙しくて時間が取れなければ、休みの日にまとめて聞く時間をつくってもいいでしょう。
定期的、習慣的に「きちんと向き合う時間」を積み重ねることが、子どもとの信頼関係を築きます。
・ココがポイント!
できるだけ「子どもの話を聞く」ことを中心にする
子どもが話している時は、途中で口を挟まず、聞くことに専念してください。
話を先回りしたり、「それはダメだよ」などと言いたくなってしまうこともあると思いますが、話の腰を折ると、「わかってくれない」と否定的な感情を抱いてしまうこともあります。
意見を言うのは話の最後。「そうなんだ」「すごいね!」など肯定的な相づちを打ちながら、子どもが話しやすい環境と時間をつくってあげることが大切です。
「どんな話でも聞いてくれる」と子どもが思える関係性を築きましょう。
・ココがポイント!
子どもが「何を感じたか?」にアンテナを張る
出来事を聞くときは、そのとき何を感じたのかを聞くのがコツ。
「何となく怖い」「イヤな感じがした」など、子どものちょっとした違和感や不安をキャッチしてあげてください。
子どもの気持ちに寄り添うと、トラブルの予兆や子どもの悩みをいち早く察知できる可能性が高まります。
「あなたはどう思ったの?」「困っているんじゃない?」などと声をかけ、子どもが感情を口にするきっかけをつくってあげましょう。
関心を持って聞いていることが伝わると、子どもも素直な気持ちを伝えやすくなります。
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今回の調査では、家庭での不安が浮き彫りになるとともに、お子さまへの愛情が垣間見えました。
心配なニュースを毎日のように目にするなかで、「どうしたら子どもを守れるか?」に迷ったら、ぜひこの「子どもの安全ブログ」をご活用ください。
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※セコムが運営する「女性のためのあんしんライフnavi・あんしんコラム」のページです
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<お知らせ>
「第16回 キッズデザイン賞」募集開始!
2022年5月16日(月)まで「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」「子どもを産み育てやすいデザイン」を顕彰する「キッズデザイン賞」の募集が今年もスタートしました!
デザインといっても、「意匠」だけではありません。
子どもや子どもの生み育てに配慮したすべての製品、空間、サービス、活動、研究が評価の対象です。「制度」や「取り組み」など広義のデザインのほか、子ども向けのものはもちろん、子ども目線を取り入れて開発されたものであれば、一般・大人向けのものであってもご応募いただけます。
たくさんのご応募をお待ちしています!
第16回キッズデザイン賞の詳細はこちらをご覧ください。2022.04.07