出会い系サイトとコミュニティーサイトのいまをひもとく
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セコムの舟生です。
唐突ですが、ひとつ質問です。
インターネット利用と聞いて、どのような道具が思い浮かびますか?
パソコンのほかに、携帯電話や携帯型ゲーム機は想像できましたか?多くの大人はパソコンを使ってインターネットを利用しますが、子どもたちの多くがパソコンのほかにも、携帯電話や携帯型ゲーム機を使ってインターネットにアクセスしています。
子どものインターネット利用問題を考えるとき、携帯電話や携帯ゲーム機を抜きにして考えることはできません。子どもとインターネットの関係性は、大人が考えるよりはるかに親密です。そして、そこでは巧妙に閉ざされた親には見えない世界が創り出されています。まずはこの現実としっかり向き合うべきではないでしょうか。
今回は、警察庁から発表された統計をもとに、出会い系サイトや、SNS、プロフィールサイトなどのコミュニティーサイト利用の現状について、考えてみたいと思います。
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▼ 子どもを狙うインターネット犯罪の最前線は?
2月23日に警察庁から発表された「平成23年中の出会い系サイト等に起因する事犯の検挙状況について」によると、「出会い系サイト」が起因となって犯罪被害にあった児童は282人。前年より28人増加しました。もっとも多い罪種は「児童買春」で160人。全体の約57%を占めます。一方、「コミュニティーサイト」が起因となって犯罪被害にあった児童は1,085人。昨年より154人少なくなっています。もっとも被害の多い罪種は「青少年保護育成条例違反」で全体の約59%。この条例には、淫行やわいせつ行為への規制が含まれていますから、やはり性犯罪を意味すると考えて良さそうです。
同様の危険があるかもしれない繁華街への出入りや夜遊びを禁じる親御さんは多いと思いますが、統計はインターネット利用にも危険が潜んでいることを物語っています。
▼ 被害者にしないために親ができることは?
警察庁では、今後の対策として、サイト内の監視体制の強化促進や、関係省庁や事業者と連携したフィルタリングの普及、ミニメールの内容確認などを挙げていますが、特に目新しいことはなく、これまでも推進してきた対策の強化といった印象を受けます。こうした対策はもちろん大切なことですが、行政や事業者が何とかしてくれるのを待っているだけでは、子どもを守ることはできません。
子どもが一人前と認められるようになるまではインターネット利用を決して子ども任せにはせず、ルールを決めるなどの対策をしていきましょう。
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一度も会ったことのない不特定の人間を「信頼できる人」「本当の友だち」だと思い込み、だまされる事件が後を立ちません。
インターネットを使わせるのであれば、ペアレンタルコントロールは絶対に不可欠です。先日、「インターネット利用の入門編」としてペアレンタルコントロールをご紹介しましたので、ぜひこちらもご覧ください。
2012.05.11