「非出会い系」で事件増加...その実態を知る
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セコムの舟生です。
このブログでは、携帯電話などを使ったインターネット上の「出会い系」サイトの危険性を何度かお伝えしてきました。しかし最近では、いわゆる「出会い系」ではなく、交流を目的としたサイト(=「非出会い系」サイト)などを通じて児童が被害に遭う事件が増えていることが、警察庁の今年上半期(1~6月)のまとめ(※)でわかりました。
※・・・平成22年上半期の出会い系サイトに関係した事件等の検挙状況についてそこで今回は、「出会い系」だけではない、ネットトラブルの危険性についてお話します。
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▼ 「非出会い系」サイト、その実態と犯罪被害 いわゆる「出会い系」サイトに対し、「非出会い系」サイトとは交流を目的としたインターネットサイトなどのことです。交流サイトには、ネット上に写真や日記などを公開して交流を広げるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や、「プロフ」と呼ばれる自己紹介サイトなどがあります。また、今流行の無料のゲームサイトも多くが交流機能を持っており、いずれも、インターネット上で不特定多数の人と気軽にメッセージのやり取りができるものです。警察庁によると、この交流サイトなどを通じで犯罪被害に遭った18歳未満の児童は今年上半期で601人。前年の同じ時期より約10%増加しました。統計を取り始めた2008年から2年連続で増加しており、実数でも「出会い系」を上回ったということです。そのほとんどが携帯電話でサイトを利用したケースであり、「非出会い系」 サイトが子供を巻き込んだトラブルの温床になる傾向が伺えます。
一方で、いわゆる「出会い系」サイトを通じた事件は前年度より46.8%減少しました。2003年に制定された「出会い系サイト規制法」により規制が強化されたことや、フィルタリング(※)の普及などにより、2006年をピークとして減少傾向にあります。
※「フィルタリングソフト」 と呼ばれるソフトウエアや、プロバイダなどが行っている「フィルタリングサービス」を使ってインターネット上にあるサイトの閲覧を制限すること
▼ 「まだ小学生だから大丈夫」ではいけません!幼い子供もターゲットに
「非出会い系」サイトを通じた犯罪被害の中で注目したいのが、その約3割を14歳以下の子供が占めている点です。この数字は、「出会い系」サイトの約2倍。比較的幼い子供が被害に遭いやすくなっていることがわかります。「出会い系」 サイトは年齢確認などの規制が強化されていますが、交流サイトやプロフ、ゲームサイトなどにはこうした規制がかからないものもあり、小さな子供でも簡単に利用できてしまいます。こうしたことが、子供の犯罪被害を増加させる一因となっているのでしょう。
「うちの子はまだ小学生だから大丈夫」と思われている親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、実は小学生のお子さんがインターネットのトラブルに巻き込まれることも多いのです。その点をしっかりと認識してください。
▼ 覚えておきたい、保護者の心構え
最近では「緊急時に連絡が取れるようにしておきたい」、「通塾が心配だから、いつでも連絡が取れるようにしておきたい」というように、防犯目的でお子さんに携帯電話を持たせているご家庭も多いと思います。子供の安全を考えて持たせたはずの携帯電話が、逆に子供をトラブルに巻き込んでしまったなどということにならないよう、保護者がしっかりとした心構えをしたいものです。
このブログでも以前にお伝えしましたが、携帯電話は単なる通話装置ではなく、あらゆる世界にアクセスできる高性能なモバイルコンピューターであるということを忘れないでください。その上でお子さんに携帯電話を持たせるときには、お子さんの生活環境や発達度合いなどを考えて決めることが大切です。「子供が使いやすいか」「おもちゃになってしまわないか」などを考慮し、お子さんに合ったものを選んであげてください。
携帯電話を使用するときのルール作りも大切です。「登下校と通塾のときだけ持つ」、「インターネット機能は使わない」、「家に帰ったらお母さんかお父さんに預ける」など、それぞれのご家庭で工夫して"わが家のルール"を作ってみてください。
このブログでは、以前に「先輩パパ・ママにアンケート『子供の防犯どうしていますか?』」と題し小学生のお子さんを持つセコム社員にアンケートを実施しました。その中で携帯電話に関する"わが家のルール"も調査しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
また、最近では通信機能のついたゲーム機もあり、さまざまなサイトへ簡単にアクセスできてしまいます。お子さんに買い与えるときは「単なる子供のおもちゃ」と考えるのではなく、一つの通信機器を持たせているということを認識しましよう。
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「非出会い系」サイトを通じた被害の増加は、日々進化する犯罪手口の一例と言えるでしょう。子供たちの安全のために私たち保護者が積極的に情報収集し、子供を取り巻く環境や社会の流れをつかんでおきたいものです。2010.09.13