人ごみで子どもを守る方法
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セコムの舟生です。
今年もいよいよ年末が近づいてきましたね。1年が経つ早さに驚いてしまいます。
そろそろ大掃除やお正月の準備をはじめたご家庭もあるのではないでしょうか。
お正月向けの買い出しや初詣、帰省など、ご家族で出かける方も多いと思います。
年末年始はどこも混みあいますので、保護者の方が一緒でも、思わぬときに事件や事故に巻き込まれる可能性を否定できません。
そこで今回は、人ごみで子どもを守る防犯対策をまとめます。
年末最後の更新となりますので、今年一年を振り返りつつ、あらためてお子さんの安全を考える機会にしていただければと思います。
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▼ にぎわう場所に潜む「子どもを狙う不審者」
多くの帰省客で混雑する駅や空港、年末売り出しや新春セールのデパートや大型ショッピングモール、初詣客で混みあう神社やお寺、多くの人出が予想されるイベント会場やテーマパーク。
冬休みはどこも大勢の人でにぎわうことでしょう。
家族連れも多く、子どもたちにとっても楽しいひとときです。
しかし、大勢の人が行き来する場所は、子どもを狙う不審者が紛れている可能性があります。
人から見とがめられずに子どもを物色したり、近づいたりすることができるからです。
実際、保護者が目を離したすきに、強制わいせつ、盗撮、連れ去り、暴力など、悪質な犯罪の被害にあう事件が、繰り返し起きています。幼い男の子が性犯罪被害にあったケースもありました。
保護者がそばにいても、子どもを狙う不審者は一瞬のすきを見逃しません。
人ごみでは、「狙われているかもしれない」と用心することが子どもを守るために重要です。
▼ こういうときが危ない!人ごみで子どもを守るポイント
人ごみで子どもの安全を守るには、いつもそばで保護者が目を配り、すきをつくらないことが肝心です。
シチュエーションごとに気をつけたいポイントをまとめます。
□人ごみを歩いているときのチェックポイント
初詣の参道や、駅の構内など、人ごみを移動するときは、子どもに注意を払うべきタイミング。
はぐれることがないよう、子どもと手をつないだり、目が届く距離で歩かせたりして、決して目を離さないようにしてください。
身長によって思わぬものがぶつかる危険があります。小さなお子さんは抱き上げて移動したほうが安全です。
□買い物に夢中になっているときのチェックポイント
商品を選んでいるとき、大人同士で相談しているときなどは、子どもから目が離れがちです。
子どもは退屈すると、ふらふらと興味のある方へ行ってしまうこともあり、迷子にもなりやすいとき。
混んでいる場所では、わずかなすきに子どもを見失ってしまうこともあります。
子どもとは手をつなぐ、ショッピングカートに座らせるなどして、常に存在を確認できるようにしておきましょう。
□会計時のチェックポイント
レジや切符売り場は特に混んでいるので、子どもを別の場所で待たせたい気持ちはわかります。
しかしそのすきが危険です。保護者が離れるのを見計らって、言葉巧みに誘い出す手口があります。
別の場所で待たせるときは、誰かひとりは大人が付き添うなどして、子どもだけで待たせることは避けましょう。子どもが複数いても、子どもだけでは不審者に狙われる可能性があることを忘れないでください。
□キッズスペースやゲームコーナーなどでのチェックポイント
子どもが集まる場所を狙う不審者もいます。
「ここは子どもばかりだから安全」というのは過信です。
周囲に不審な人物がいないか、子どもが安全に過ごしているか、保護者がこまめに確かめてください。
そばを離れるときは、施設のスタッフに声をかけておくなどして、できる限りお子さんの安全を確保しましょう。
□子どもが目の前のものに夢中になっているときのチェックポイント
おもちゃ売り場や書店など、子どもの目の前に夢中になるものがあると背後がおろそかになりがちです。
無防備な背後を狙って盗撮する事件がたびたび起きています。
小学生の盗撮被害があとを絶ちません。背後から近づいてくる人に注意すること、じっと見られたり不審な動きをしている人を見つけたりしたら、すぐに知らせることなどを教えておきましょう。
子ども連れで混んでいる場所に出かけるときは、なるべく目につきやすい服装や持ち物を身に着けることをおすすめします。万が一、はぐれたときも見つかりやすいですし、不審者にとって遠目から目立つ服装は犯行には不都合です。
お子さんの安全を第一に考えて、お出かけの準備を整えてくださいね。
▼ 2020年も子どもたちの安全のために
振り返ってみると、今年もいろいろな出来事がありました。
子どもが犠牲になった悲しい事故や、許しがたい事件も起きました。
特に私の印象に残っているのは、5月に神奈川県川崎市で起きた通り魔事件。
スクールバスを待つ子どもたちが無差別に殺傷され、世間に大きな衝撃が走りました。
また同じ5月に滋賀県で起きた事故。
保育園児の列に自動車が突っ込み、複数の園児が犠牲になりました。
その後も、登校中の小学生の列に自動車が突っ込むなど、同様の事故が繰り返されました。
SNSがきっかけになって小学生が犯罪に巻き込まれるケースも増えています。
スマートフォンやネットゲームが身近なものになり、実体のない世界を舞台にした犯罪は、これからも増えていくのかもしれません。
また、今年は、自然災害の威力を思い知らされる年でもありました。
大型台風が複数発生し、日本列島には今も大きな爪痕が残ったままです。
災害の備え、身の安全を確保する行動など、被害を最小限にする対策の重要性をあらためて教えられた思いでした。
これらの出来事が教えてくれるのは、子どもの安全に"絶対"の対策はないということ。
いままで何事もなくても、これからも大丈夫という保証はありません。
油断があるかもしれないことを認識し、安全対策を見直してみてください。
子どもの登下校や通塾、よく遊びに行くところや行動パターンを思い出し、そこで起こりうる危険を想像してみましょう。
スマートフォンや携帯電話を持たせているなら、今の使い方にリスクはないか、考えてみてください。
子どもの安全のために、まだ何かできることが見つかるかもしれません。
台風や地震対策についても、家族で何度も話しあう機会を持つことが、いざというときの備えになります。親子で話し、一緒に考える時間をたくさんつくって、子どもの安全意識を高めてくださいね。
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安全や安心は決して当たり前のものではなく、私たち大人は、子どもたちのために何ができるのかが、常に問われているのだと思います。
子どもたちが安心して、元気に生き生きと育つことができる社会を目指し、2020年もこの子どもの安全ブログで情報を発信し続けていきますので、来年もよろしくお願いいたします。2019.12.19