子どものネット利用の見守り方~SNSを安全に使う方法~
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セコムの舟生です。
新しい年が始まりました。
毎年年末に発表されている令和元年の漢字は、「令」でしたね。
いろいろなことがありましたが、改元は時代の節目として特に記憶に残る出来事でした。
すべての子どもの健やかな成長と安全を願い、令和の世もブログで情報を発信していきたいと思います。
さて、平成から令和に変わって、子どもとスマートフォンの関係はますます密接になっているようです。なかでもSNSとの関わりは、多くの保護者の方が不安に感じているところなのではないでしょうか。
小学生がSNSをきっかけに誘拐・監禁されるなど、悪質な犯罪もあとを絶ちません。
SNSを使っている誰もが被害者になりうるという、身近な危機になりつつあるのです。
「危ないから使わせない」では、インターネットやSNSとの関係性を適切に築く能力は育ちません。
インターネットやSNSの安全な使い方を子どもに知ってもらうためには、保護者の方が、良い面と危険な面の双方を理解して、子どもを導くことが必要です。
インターネットやSNSを子どもが使う際の見守り方、正しく利用するために必要な能力の育て方をまとめます。
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▼ 子どもの成長に合ったサポートで利用能力を育てる
スマートフォンを所有する小学生も増え、インターネットやSNSが身近になっています。子どもたちが危険性を理解する前に、便利さや楽しさばかり覚えてしまうケースもあるようです。
子どもにスマートフォンや、SNSを使わせるなら、まずはインターネットがどんなものかを理解させるところからスタートすることが大切です。
小学生のうちは、保護者と一緒に動画を観たり、保護者と一緒に知りたい情報を検索したりして、いろいろなことを保護者と一緒に話し合うのがおすすめ。
間違った情報や危険なサイトがあることを理解させ、どのように使えばいいか考えさせる機会をたくさんつくってあげてください。
SNSを利用する際は、すぐに友達同士のコミュニケーションツールとして使わせるのではなく、家族とのコミュニケーションから始めるほうがいいでしょう。
「言葉を使う能力」や「相手の立場にも配慮した表現力」などがどのくらい備わっているかを、見極めていく必要があると思います。
インターネット上の交流は、顔が見えない分、誤解やトラブルが起きやすいことを知り、自分の発言に責任を持てるようにならなくては、SNSを安全に使うことは難しいです。
成長にあわせて一緒に「練習」を積み重ね、子どもの知識とリテラシーレベルを高めていきましょう。
▼ SNSを利用するならルールの徹底を
SNSはインターネットを介したコミュニケーション手段です。
使い方によっては、知りあいだけではなく、世界中の人に見られる可能性があります。
安易な投稿や、個人情報を載せることがどんなリスクをともなうのか、理解させましょう。
<SNSで起こりうるトラブル>
・プライベートな情報や仲間内のやり取りが知らない人に見られる
・友達とのやり取りで発言したことが誤解される
・SNSに投稿した写真がきっかけで、住所や学校名などを特定される
・SNSに載せていた顔写真やプロフィールなどがネット上に出回る
・匿名のつもりで書き込んだのに、個人を特定される
・SNSで知りあった人に弱みを握られ、わいせつな写真を送るよう強要される
こうした危険を回避するために、どうしたらいいかを話し合ってみましょう。
SNSでの行動が、どんな結果を引き起こす可能性があるか予測できなくては、安全に使うことはできません。
子どもが理解、納得したうえで、安全に使うためのルールを一緒に考えるのがおすすめです。
<SNSを利用するときのルール(例)>
□ 公開範囲などSNSの利用設定は保護者がおこない、勝手に変更はしない
□ 保護者の許可なく、新しい「友達」を登録したりコメントを返したりしない
□ 名前、学校名、住んでいるところなど、悪用される可能性のある個人的な情報を発信しない
□ 自分が言われたら傷つくような言葉、第三者に見せられない内容は投稿しない
□ 自分の顔や、友達の顔が写った写真は投稿しない
□ ルールやマナーに反する行為や、それをアピールするような情報を投稿しない
□ 決められた場所・時間以外にSNSを利用しない
□ 困ったことが起きたら、自分でなんとかしようとせず、必ず保護者に相談する
▼ 子どもをSNSトラブルから守るのは親子のコミュニケーション
子どもは楽しいことには夢中になり、他のことがおろそかになってしまうことがあります。
スマートフォンやSNSの「依存」が社会問題にもなっていますね。
友達からのメッセージが来ればすぐに見たいし、返信したい。
休止のタイミングがわからない。
食事のときでも、お風呂でも、深夜でも、スマートフォンを手放せない子もいます。
SNSやスマートフォンを使う時間や場所をルールで決めることも、もちろん大切です。
しかし、ルールを守るよう厳しく接するだけでは、子どもの気持ちを理解することはできません。
いま、どんな友達と仲が良いのか。
友達とどんな話をしているのか。何が流行っているのか。
いま夢中になっていることは何か。どんなことに悩んでいるのか。
お子さんの「今」を、どれくらい答えられますか。
子どもは日常の些細な出来事で心が揺らぐものです。
落ち込むことがあったり不安な気持ちを抱えていたりしたら、SNS上の仲間とのやり取りや言葉たくみな見知らぬ相手に、依存してしまうことがあるかもしれません。
冷静に考えればよくないことだと理解していても、自分を律することができないこともあるでしょう。
ルールよりもさらに大切なのは、日ごろから子どもの様子や言動に気を配り、たくさん話を聞くこと。
「お父さん、お母さんは、私の気持ちをわかってくれる」「心配してくれている」と感じていれば、何かあったとき真っ先に相談したいと思うし、悲しませることはしたくないと思うのが子どもです。
親子のコミュニケーションは、子どもの自信と安心感を育み、行き過ぎを防ぐための歯止めにもなってくれるはずです。
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子どもが夢中になる気持ちを否定しないでください。
子どもの気持ちになって考えてみてください。
理解したうえでたくさん話し合えば、いま必要なサポートや、見守り方も見つかるはずです。2020.01.09