立ちはだかる小1の壁。親不在の時間をどう埋めるか?
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セコムの舟生です。
春休みに入って、お子さんたちは学年最後のひとときを、それぞれ楽しんでいることと思います。
来週からはいよいよ4月!お子さんが入学を控えたご家庭では、なんとなくソワソワした気持ちになっているかもしれませんね。
子どもの小学校入学はひときわ感慨深いものですが、入学にあたって「放課後をどうするか」という問題に直面した親御さんも多いと思います。
いわゆる「小1の壁」と呼ばれる問題は、このブログで募集しているアンケートにも"不安の声"として寄せられています。
「小学校入学後のわが子のことが心配」「学童保育の時間よりも遅く仕事が終わるが、低学年から一人で留守番させられる?」などなど、共働きの方なら、同じ気持ちを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
小学校で授業が終わってから親御さんが帰宅するまでの"空白の時間"は、非常に悩ましい問題です。そこで今回は、「小1の壁」をテーマに、子どもの放課後の安全について、考えてみたいと思います。
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▼ 学童保育の現状は?
仕事などで保護者不在の子どもが、安心して放課後を過ごせる場所として設置される「学童保育」。しかし、この学童保育の不足が、問題視されています。全国学童保育協議会が実施した「学童保育の実施状況調査」(2012年5月1日現在)によれば、全国の学童保育数は2万843カ所、入所児童数は84万6919人。
前年度に比べ、学童保育数は441カ所、入所児童数は2万521人増加していますが、依然として不足しており、入所できない子どもが多数いるのが現状です。小学校区内に学童保育がない学区も、全体の2割にあたる3855校区あるそうです。
また、延長保育制度のある保育園は午後7時~8時頃まで預けることができますが、学童保育では、多くの場合、午後6時までとなっています。アンケートのご意見のように、たとえ学童保育に入れても、この受け入れ時間が障壁になる親御さんもたくさんいらっしゃいます。
今後さらなる拡充・整備が求められるところではありますが、現状、学童保育だけでは、親の不在を十分カバーできるとは言い切れないようです。
▼ 「放課後子ども教室」ってどんなところ?
学童保育の入所をあきらめざるをえない方もたくさんいらっしゃると思いますが、子どもが被害者となる重大事件が頻発する状況を考えれば、子どもをひとりにしない環境を可能な限り整えてあげたいものです。放課後、子どもが安全に過ごせる場所としてはもうひとつ、「放課後子ども教室」が挙げられます。
放課後子ども教室とは、文部科学省・厚生労働省が連携して取り組む「放課後子どもプラン」に基づいて実施されている事業です。
現在では多くの公立小学校で取り入れられており、空き教室などを利用した勉強や遊び、スポーツのプログラムが用意されていて、放課後を学校で過ごす環境が整えられています。共働きのご家庭のために、時間延長のあるところが増えてきました。
放課後子ども教室は、おおむね小学校3年生までを対象とした学童保育と違い、すべての子どもに安全・安心な居場所を提供する目的があります。学童保育以外の選択肢として、こちらを選ぶ方も少なくありません。
▼ 小1の子どもを留守番させられるか?
学童保育でも、放課後子ども教室でも、保護者不在の"空白の時間"を埋められない場合、留守番をさせるしかないのでしょうか。結論から申し上げれば、入学まもないお子さんをひとりで長時間留守番させるのは、できれば避けたいところです。子どもの成長とともに、徐々に留守番に慣らしていくようにしていくほうがいいと思います。
それぞれのご家庭の事情があると思いますが、子どもを危険から守るための最大の防御策は「ひとりにしない」こと。やむを得ず"空白の時間"ができてしまう場合についての対策も、考えておきたいところです。
▼ 先輩パパ・ママはどうしてる?
先輩パパ・ママは、どのようにお子さんの放課後の安全を確保しているのでしょうか。学童保育や放課後子ども教室以外に提供されているサービスをいくつかご紹介してみましょう。・ 保育園の「小学校低学年保育」に登録
共働きなどで下校時に家族がいないお子さんを対象に、地域の小学生を保育してくれる保育園も増えています。・ 地域の子育て支援活動を活用する
学童保育のお迎え時間に間に合わないときなどは、地域の子育て支援活動を利用できるケースもあるようです。学童保育のお迎えや夕食づくりなどをお願いできるので、上手に活用したい地域サービスです。・ 民間の学童保育を利用
料金はやや高めですが、保育延長が可能な場合が多く、自宅までの送迎サポートや宿題を見てくれるなど、さまざまなサービスを行っている施設もあります。
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例年、学童保育の申し込みは1月~2月くらいに行われるようですが、「入所できなかった。どうしよう...」となるのは避けたいところです。「まだ小学校入学は先」というご家庭でも、早めに考えておいたほうがいい問題です。お住まいの地域で利用できるサービスなどを、この機会に調べてみてはいかがでしょうか。
2013.03.25