子供の防犯最前線【2】2008年の統計データから見る「子供の犯罪被害状況」
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セコムの舟生です。
いよいよ春休みですね。春休みが明ければ、入学・進級のシーズン。
大きなランドセルを背負った新1年生が街を元気に歩く姿は、ほんとうに微笑ましいものです。しかし、そんな光景の裏でも、毎年子供を狙った卑劣な犯罪が起きているのも事実です。4月の新入学シーズンを控え、子供が被害者になる犯罪について、今どのような傾向にあるのか気になりますね。そこで今回は、子供が被害者となる犯罪の現状について、警察庁から2008年のデータが先月公表されましたので、それを元にレポートしてみたいと思います。
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警察庁の統計資料『少年非行等の概要(平成20年1~12月)』によると、2008年の少年の被害者総数は28万9,039件で、前年と比べると5.1%減少しています。また、凶悪犯罪に限定してみると、1,230件で、こちらも前年と比べて8.6%減少しており、なだらかではありますが、全体的な傾向として減少していると言えます。しかし、下のグラフをご覧いただくと、もっとも割合の高い、「高校生」の被害がこの10年間では、2001年のピークを境に減少していることが見てとれますが、「小学生」の被害については、それほど減少しているとはいえないのです。
また、略取誘拐について見ると、2007年の144件から、2008年は111件で、22.9%と大幅に減少しました。一方で、昨年は東京・秋葉原で起こった無差別殺傷事件をはじめ、通り魔事件の件数が過去最高を記録しました。特定の人物に対する目的や怨恨による犯行ではなく、自分の抑圧され鬱積(うっせき)した感情の発露として、あのような痛ましい事件が起きているといえるでしょう。
少年の犯罪被害総数が減少するなか、小学生の犯罪被害について内訳をみると、2003年から減り続けてきた性犯罪被害が増加に転じました(前年比0.7%増)。
未就学の子どもが被害にあった事件では、凶悪犯(45.9%増)や強制猥褻(わいせつ)(9.1%増)が、13歳未満では凶悪犯(13.5%増)と暴力的性犯罪(2.4%増)が増加に転じており、全体の傾向として「凶悪犯罪・性犯罪被害の低年齢化」が目立ちます。
現在の日本では、「誰でもいい」「何でもいい」「うさ晴らしが出来ればいい」といった、身勝手で短絡的な理由で起こされる事件が増加しているようです。その結果として、犯行の対象が「弱いもの」「抵抗されづらいもの」つまり、若年層に向かっているのではないかと考えられます。
これまでにもご紹介してきましたが、「お金持ち」や「有名人」など、今でいう「セレブ」の子供だけが狙われるわけではないことを忘れないでください。
「うちの子だけは大丈夫」と思わずにいろいろな状況を想定して、親子で防犯シミュレーションをする、防犯グッズを揃えるなど、対策を講じておく必要があるといえるでしょう。
⇒参考記事:統計データから見る「連れ去り事件」の意外な事実
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2009.03.24