子供が事件の加害者に!? 「学校裏サイト」「プロフ」の脅威
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セコムの舟生です。
最近、小学生がインターネット上の掲示板で殺害予告をしたという事件が、福岡、埼玉と立て続けに起こってしまいました。
いずれも、児童がインターネットの掲示板に「小学生を殺す」といった殺人予告ととれる内容の書き込みをしたもので、各学校で大きな騒ぎになりました。書き込みをした児童は「軽いいたずらのつもりでやった」と話しているそうです。この子たちは、ひょっとしたら本当に軽い気持ちで、黒板に落書きをするくらいの感覚で、掲示板に書き込んだのかもしれません。
このような事件が相次いで発生してしまった背景には、インターネットが極めて匿名性の高いメディアである、ということがあります。そしてこの問題は、携帯電話の普及によって、さらに大きな社会問題へと発展していることをご存じでしょうか?
子供のインターネット利用事情に詳しい、群馬大学社会情報学部 大学院 下田博次教授へのインタビューのなかで教授がとても危惧していたのは、「ネットの世界では子供たちが簡単に、被害者にも、加害者にもなってしまう」という点でした。
例えば、最近ニュースなどでも取り上げられるようになった「学校裏サイト」や「プロフ」は、いじめや誹謗中傷の温床となっているばかりでなく、悪質な業者の介入によって巧妙につくられたサイトも数多くあり、何も知らない子供たちがいつのまにか個人情報を開示していたり、事件の加害者になっていたりするケースも起きているのです。
こうした事件の根っこには、「携帯電話は、保護者や教員が子供の行動(どのようなサイトを見ているか)を把握しづらい」という問題が少なからずあります。
もちろんインターネットにしても携帯電話にしても、私たちの生活を便利に、豊かにしてくれた素晴らしいツールです。既にお子さんに携帯電話を持たせているという方も多くいらっしゃると思います。そうした方には、なんのために子供に携帯電話を持たせるのかを、よくよく考えてみてほしいと思います。携帯電話を手に入れたお子さんは、きっと少し大人になったような気分で、色々な機能を使いたがることでしょう。
しかし、本当にインターネット機能やメール機能がわが子に必要なのか、改めて考えてみてください。そして、日ごろ私たちがインターネットやメールを使っていて、便利で楽しいと思っているように、子供たちも一度その体験を味わうと、急に機能を取り上げるというのは容易でなくなります。
なので、よく検討したうえで携帯電話を与える場合でも、最初に家族で話し合って使用ルールを決めたり、利用にはさまざまな危険性が付きまとうことをきちんと説明してあげることが重要だと思います。以前にお話を伺った群馬県子どもセーフネットインストラクターの方々は、「自転車を買ってあげたら、最初に乗り方を教えますよね。インターネットもそれと同じことです」といったことをおっしゃっていました。これにはなるほど、うまい説明だなと思いました。今ではインターネットサイトへのアクセス制限サービスを各社が提供していますので、こちらも契約の際に詳細をよく確認してください。
ちなみに、目的が子供の安全対策ということであれば、セキュリティ機能に特化した「ココセコム」がおすすめです。インターネット機能もメール機能もないシンプルな設計で、GPS機能でいつでも居場所を検索できるほか、お子さんが不安を感じて端末の通報ボタンを押した際には、セコムがすみやかに対処するので、万一の際も迅速な対応がとれます。
携帯電話やパソコンを使ったコミュニケーションが一気に広がった今、どのようにして子供たちがインターネットと付き合っていくべきか。子を持つ親としていま一度、皆で考えていきたいですね。
2008.03.14