子どものための感染対策(2023-2024年・冬)
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セコムの舟生です。
インフルエンザやプール熱(咽頭結膜熱)といった感染症が猛威を振るっています。
国立感染症研究所によれば、国内で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るった過去2シーズンと比較して、インフルエンザ感染者が大幅に増加しているそうです。
プール熱は「子どもの三大夏風邪」のひとつとして知られていますが、夏場以外にも発生します。今シーズンは10月中旬から感染者が急増しました。
今回は、流行中のインフルエンザやプール熱をはじめとした感染症対策をまとめます。▼ インフルエンザで相次ぐ学級・学年閉鎖
国立感染症研究所では、毎年9月から1週間ごとに保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校における「インフルエンザ様(よう)患者発生報告」を公表しています。
2023年11月13~19日までの1週間に学年閉鎖・学級閉鎖・休校が発生した学校は、3,954校(累計31,609校)。昨シーズンの同時期は6校(累計33校)でした。
ここ3年間、新型コロナウイルス感染対策として手洗いやマスクの着用が徹底されていたなか、今シーズンはその警戒感が薄れたことが今年のインフルエンザ感染の拡大の要因だと言われていますが、実はそれだけではないようです。
国内で新型コロナウイルス感染症が流行する以前である2019年の同時期は258校(累計1,425校)だったので、今シーズンの感染状況が際立ちます。
今シーズンは、2023年10月から警報レベルの流行を示す地域が急増。
2023年11月13~19日の統計では、ほぼ全国すべての地域で警報レベルに達しています。
2023-2024シーズンは、今のところ「A/H3亜型(A型)」が多くなっていますが、今後「B型」が増える可能性も否定できません。
今シーズン、すでにインフルエンザにかかった子どもでも、違う「型」のインフルエンザにかかるかもしれないのです。
油断せず、引き続き感染対策を徹底しましょう。
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インフルエンザと冬の感染症
▼子どもの夏風邪「プール熱」が流行中
プール熱(咽頭結膜熱)は「子どもの三大夏風邪」のひとつ。
夏風邪とは呼ばれますが夏場以外にも流行します。
国立感染症研究所の発表では、2023年11月13~19日の定点当たりの報告数は3.30。
警報レベルの3.0を上回っており、過去5年間の同時期と比べてかなり多い数値です。
「プール熱」はアデノウイルスを原因とする子どもの間で流行しやすい感染症。
発熱やのどの痛み、結膜炎などの症状が特徴です。
プールの水によって感染することがあるためこの名で呼ばれていますが、咳やくしゃみなどの飛沫感染、手指を介した接触感染もあり、日常生活で感染する恐れがあります。
子どもがいるご家庭でこの冬、インフルエンザと並んで注意が必要な感染症のひとつです。
▼今後、「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」「感染性胃腸炎」にも要注意
国立感染症研究所の定点当たりの報告数からは今後、「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」や、「感染性胃腸炎」が増加する可能性を否定できません。
「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」は、突然の高熱と倦怠感、のどの痛み(咽頭炎)、イチゴ舌、嘔吐などの症状があらわれます。
「感染性胃腸炎」は、ウイルスや細菌などが原因で腹痛や下痢、嘔吐、発熱などを引き起こすもの。
今後、流行する可能性がある感染症に注意しましょう。
▼流行に備えて感染対策を見直そう
インフルエンザや、プール熱をはじめとした感染症対策の基本をおさらいしておきましょう。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大時に徹底された感染症対策を思い出してくださいね。
【感染対策の基本】
(1)正しい手洗い
子どもの感染症対策の基本中の基本とも言える「手洗い」。
感染症予防には、石けんを使い、十分に洗い流すことが求められます。
指の付け根やつめの回り、手首までしっかり泡立てて洗い、30秒以上流水で流しましょう。
プール熱などタオルを介して感染する感染症もありますので、流行期はペーパータオルなどを利用したほうが安心です。
アルコール消毒が有効な感染症は多いです。
携帯用のアルコールスプレーなども活用してください。
(2)マスクの着用
感染症の流行期には、マスクの着用をおすすめします。
人の多い場所に行くときなどは、なるべくマスクの着用を徹底するといいでしょう。
(3)湿度の管理
加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保ちましょう。
洗濯物を室内に干しておくのも、湿度を上げる効果があります。
(4)定期的な換気
換気も有効な感染対策のひとつ。
冬場は寒いので窓を閉め切ってしまうことが多いですが、1時間に1度くらいは5分ほど窓を開けて空気を入れ替えましょう。
1カ所だけではなく、2カ所以上の窓を開けて空気の通り道をつくるのがポイントです。
(5)十分な休養とバランスのいい食事を取る
ウイルスや細菌に負けないよう免疫力を高めることが肝心です。
睡眠不足や栄養のかたよりは、免疫力の低下につながるとされますので、夜は早めに就寝させるようにし、バランスの取れた食事を心がけましょう。* * * * * * * * *
気になる症状が出たときはすぐに医療機関を受診することが大切。
感染症の種類によって、治療方法も自宅で過ごすときに注意すべきことも異なります。
症状が軽くても、様子を見ていると重症化してしまうこともありますし、感染を広げてしまう恐れもあります。
感染対策と早めの対応を心がけ、元気な冬を過ごしたいですね!* * * * * * * * *
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