学校再開で気を付けたい「子どもの熱中症対策」
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セコムの舟生です。
6月に入り、段階的に対面授業が再開された小学校が多くなっています。
新しい日常がはじまって、保護者の方はお子さんの体調管理にいっそう気を使われているのではないでしょうか。
東京都では、登校初日から通学路で不審者に子どもが狙われる事案が相次いだことが報じられました。
不審者に声をかけられたり、手を引っ張られたりする被害が確認されています。
分散登校を実施している学校では、通学路に普段のにぎわいはありません。
死角となる時間帯や場所を狙って、不審者が出没するかもしれません。
必ず防犯ブザーを携帯する、ひとりになる区間は保護者が付き添うなどの防犯対策が必要です。
大人がなるべく通学路に目を配り、子どもたちの安全を見守ってあげたいですね。
さて、季節は確実に移り変わり、夏が近づいています。
体がまだ暑さに慣れていないこの時期、注意したいのは「熱中症」です。
暑い季節に学校でもマスク着用を求められることで、熱中症のリスクが高まることを指摘する専門家もいます。
子どもが元気に夏を過ごすためには、どうしたらいいのでしょうか。
今回は、今の時期から気を付けたい「子どもの熱中症対策」をまとめます。
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▼ 学校がはじまった子どもたち...熱中症のリスクは?
熱中症とは、暑さによって起きる不調のこと。
高温多湿な環境に体が適応できず、体温調節機能が利かなくなった状態で、症状のあらわれ方はさまざまです。
軽度の症状としては、顔のほてりやめまい、大量の発汗など、ちょっとした変調としてあらわれます。
子どもが思い切り遊んだあとなどに、顔が真っ赤になって汗をたくさんかいていることがありますが、これは上昇した体温を急速に汗で放出して下げようとしている状態。
発汗に体内の水分量が追い付かず、脱水症状を起こすと、重度の熱中症へと急変する可能性もあります。
中度の症状になると、頭痛や吐き気、倦怠感や虚脱感など、明らかな体の不調があらわれます。
さらに重症化すると、意識が混濁して、呼びかけに応えられない、自分で水分が摂れないといった状態になり、処置が遅れれば命に関わることさえあるのです。
高温多湿な環境では、そのときの体調しだいで誰でも熱中症になる危険性があります。
初夏や梅雨の晴れ間に急に気温が上がることがありますが、この時期は体がまだ暑さに慣れておらず熱中症にもなりやすいとき。
疲労や睡眠不足といった体調不良と、暑さが重なると、熱中症のリスクも高まるそうです。
そこで、本格的な夏に向けて少しずつ体を慣らしていくことが理想的です。
規則正しい生活が求められるのはもちろんですが、適度な外遊びや運動で体力をつけ、スムーズに発汗できる体づくりをすることが、熱中症予防には効果的だと言われています。
しかし、ここ数カ月は外出自粛により子どもたちも家で過ごす時間が多く、体力の低下が心配されています。また、学校がない日常に慣れてしまい、生活リズムの乱れが取り戻せないお子さんもいるのではないでしょうか。
今年は、例年以上に熱中症対策を徹底することが必要だと言えるかもしれません。
早寝早起き、バランスの良い食生活などで体調を整えるとともに、お子さんの様子をよく観察して、いち早く熱中症のサインに気づけるようにしておきたいですね。
▼ 基本的な子どもの熱中症対策と、この夏特に心がけたいこと
熱中症対策の基本は「水分補給」。
晴れている日とは違って、雨や曇りの日はつい対策を忘れがちです。
お子さんにも言い聞かせて、水分補給をはじめとした熱中症対策を怠らないようにしてくださいね。
<子どもができる熱中症対策>
(1) のどが渇いていなくても、こまめに水分補給をする
(2) 遊ぶときや運動するときは、こまめに涼しい場所で休憩する
(3) 歩くときや遊ぶときはなるべく日かげを選ぶ
(4) 汗をかいたらすぐにタオルでふく
(5) 帽子をかぶる
当分の間はマスク着用を推奨する学校が多いと思いますが、暑いときは呼吸で湿気がこもるため、具合が悪くなりがちです。
環境省や厚生労働省では、熱中症のリスクを懸念して、「屋外で周囲の人と十分距離が取れる場合は適宜マスクを外すこと」を呼びかけています。心配であれば学校にも確認をしておくと良いかもしれません。
また、お子さんには水筒を持参させるなどして、例年以上にこまめな水分補給を意識させてください。
そして熱中症予防には、水分だけではなく塩分補給も大事。
外出から帰ったらスポーツドリンクでの水分補給や、塩分補給のタブレットやキャンディなどを併用するといいでしょう。
▼ 家のなかでも熱中症対策を!無理をさせないことが大切
これからの季節は、蒸し暑い日がますます増えます。
子どもは体温調節の機能が未熟で、大人以上に暑さにこたえているかもしれません。
「これくらいの気温なら大丈夫でしょう」と我慢させないことが大事。
家のなかでは窓を開けて風を通す、風がなく蒸し暑い日は扇風機やエアコンを使って空気を循環させるなど、室内の温度と湿度を適度に保つようにしてください。
また、体に熱がこもらないように、体を締め付けず、通気性の良い素材の衣服を着用させましょう。
人間の体は、かいた汗が乾くときに体温が下がる仕組みになっているので、汗をかきっぱなしにしないことも大切です。
汗をかいたらシャワーを浴びることや、早めに着替えさせることも、熱中症対策におすすめです。
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熱中症は、早めに異変を察知して正しく対処することで、回復が早まります。
水分を摂取させ、体を冷やしてあげるのが応急処置のポイントです。
首元やわきの下、足の付け根を冷やすと効率よく体温が下がりますので、冷却シートや保冷剤、首回りを冷やすスカーフなど冷却グッズを常備しておくとよいかもしれません。
そして、体調が回復しないときには、早めに医療機関にかかりましょう。2020.06.04