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2019-2020年シーズンのインフルエンザ動向と季節の変わり目に気を付けたい感染症

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早くもインフルエンザが猛威を振るっています。
すでに「子どもの小学校で学級閉鎖が出た」というご家庭もあるのではないでしょうか。

まだ暑さの残る9月から流行入りの声が聞かれる2019-2020年シーズンのインフルエンザ。
学級・学年閉鎖、休校になった学校も増え続けています。
全国的な流行が早まることも予想されますので、「まだ10月だから...」と油断できません。
また、朝晩と日中の寒暖差が大きい秋は、インフルエンザ以外の感染症が流行することもあります。

そこで今回は、2019-2020年シーズンのインフルエンザの動向と、これからの季節に子どもが気を付けたい感染症の情報をまとめます。


* * * * * * * * *


▼ 2019-2020年シーズン インフルエンザの動向は?
例年12月ごろから流行が本格化するインフルエンザですが、2019-2020年シーズンは9月中から患者報告数が増えはじめ、西日本を中心に各地で「流行開始」の発表が相次いでいます。

厚生労働省の発表によると、9月27日の時点で、東京都、石川県、高知県、熊本県をのぞく九州全県、沖縄県で、定点当たり報告数が1.0人を超え、流行期に入りました。
特に沖縄県は定点当たり報告数が52.22人と警報レベルに達しています。

また、9月16日~22日のインフルエンザによる学級・学年閉鎖、休校は、97施設。
昨年9月17日~23日は9施設でしたので、およそ10倍の数値です。

東京都が9月26日に発表したデータによると、都内で報告されたインフルエンザ感染者の約6割が9歳以下でした。過去5年と比較しても子どもの割合が高いとの傾向が出ています。

インフルエンザは感染力が非常に強いため、クラスにひとり感染者があらわれると、あっというまに感染が広がってしまうことがあります。
異例ともいえる早い時期から流行が広がっている2019-2020年シーズン。
すぐにでも本格的な予防対策をはじめることが肝心です。


▼ 家族みんなでインフルエンザ対策をはじめよう
厚生労働省では、「インフルエンザを予防する有効な方法」として、以下のことをあげています。

(1)ワクチンの接種
医療機関では、9月からインフルエンザワクチン接種がはじまっています。
13歳未満の場合は2~4週間の間隔をおいて2回接種、13歳以上の場合は1回接種またはおよそ1~4週間の間隔をおいて2回接種を予防策として挙げています。
13歳未満の子どもが2回接種するのは、より高い抗体価が期待できるため。
2回接種を行う場合の間隔は、免疫効果を考慮するとできれば4週間程度おくほうが望ましいそうです。本格的な流行入りに備えて、接種を済ませておきましょう。

(2)外出後の手洗い・うがい、アルコール消毒
インフルエンザウイルスは飛沫や接触で感染します。
流行が広がるこれからの時期は、うがいと流水・石けんによる手洗いが非常に有効な対策のひとつです。
外出から戻ったとき、食事前など、こまめな手洗いを徹底しましょう。
インフルエンザウイルスには、市販のアルコール製剤による手指衛生も効果的です。

(3)適度な湿度の保持
インフルエンザウイルスは空気が乾燥した環境を好みます。
また、乾燥した空気は気道粘膜の防御機能を低下させるため、インフルエンザにかかりやすい状況といえます。
室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保ちましょう。洗濯物を室内に干しておくのも、湿度を上げる効果があります。

(4)十分な休養とバランスのいい食事を取る
インフルエンザウイルスに負けない強い体をつくるためには、免疫力を高める必要があります。
睡眠不足や栄養のかたよりは、免疫力の低下につながるので、夜は早めに就寝させるようにし、バランスの取れた食事を心がけましょう。

(5)人ごみや繁華街への外出を控える
インフルエンザが流行したら、体調が悪いときや睡眠不足などのときには、人ごみや繁華街への外出はなるべく控えたほうがいいでしょう。
どうしても行く必要があるときには、不織布製の使い捨てマスクを着用するなど防御策を。
飛沫を防いだり、ウイルスのついた手指で口に触るのを防いだりすることができます。


▼ 秋シーズンに注意したい子どもの感染症と予防の基本「手洗い」のコツ
2019年の夏は、子どもがかかりやすい夏風邪のひとつ「手足口病」が過去10年で最多を更新。
また、9月に入っても咽頭結膜熱(プール熱)やヘルパンギーナの流行が続きました。秋シーズンに入り今後、夏風邪の流行は落ち着くと思われます。

夏風邪と入れ替わるように秋から流行がはじまるのが、マイコプラズマ肺炎やRSウイルス感染症など。さらにノロウイルスによる感染性胃腸炎や溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)なども増えてきます。

ほかにも今年は、伝染性紅斑(りんご病)も全国的な流行がたびたびニュースになっていますが、現在でも過去5年間と比較してかなり多い状態です。

これらの感染症は、インフルエンザウイルス同様に主に飛沫や接触で感染します。
丁寧な手洗いを徹底しましょう。


▼子どもの感染症予防の基本「手洗い」のポイント
感染症予防の基本は「手洗い」です。
お子さんが正しい手洗いを実践できているか確認しましょう。

はじめに流水で手を濡らし、石けん液を手のひらで泡立てて、よくこすります。
手のひらだけではなく、手の甲にも石けんをのばして洗い、指先や爪の間も念入りにこすりましょう。
指の間は両手を組むようにして、もみながら洗います。
親指は反対側の手でつかんでねじり洗い。
手首まで忘れずに洗いましょう。
最後に流水でよくすすぎます。

洗い終わったら、清潔なタオルやペーパータオルで水気をしっかり取ってください。
感染症予防のためにも、爪はいつも短く切りそろえておきましょう!


* * * * * * * * *


今年、流行の拡大が続いている感染症のひとつに「風疹」があげられます。
予防接種が有効な感染症ですので、母子手帳などでお子さんのワクチンの接種記録をあらためて確認しておきましょう。
また、1962(昭和37)年4月2日~1979(昭和54)年4月1日生まれの男性は、過去に公的な予防接種がおこなわれておらず、風疹にかかる恐れが指摘されています。
該当する場合は、医療機関で抗体検査を受けて必要に応じて予防接種を受けておくと安心です。

インフルエンザをはじめ、流行している感染症には地域差があります。
学校からの保健だよりや、地域の保健所などが発表する流行情報をしっかりチェックしておきましょう!

2019.10.10

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