流行が本格化するインフルエンザなどの感染症、予防と対策を知ろう
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セコムの舟生です。
インフルエンザが流行シーズンを迎えています。
年明けは、新学期の始まりとともに学校内での感染が広がり、学年・学級閉鎖が増えるというのが例年の流れ。お子さんが元気で過ごせるよう、ご家庭内でも予防策を徹底したいものです。
冬はいろいろなウイルス性の感染症が猛威を振るう季節ですが、今シーズンはインフルエンザのほかにも、特に気になる感染症の感染拡大や流行が聞かれます。
そこで今回は、インフルエンザをはじめ、「この冬、気をつけたい感染症」をご紹介しつつ、お子さんと家族の健康を守る予防方法をお伝えしたいと思います。
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▼ この冬のインフルエンザの傾向は?
インフルエンザの流行のピークは、毎年12月~3月ごろ。
今シーズンも、昨年中から北海道をはじめいくつかの地域で流行が「注意報」レベルに達しました。東京や神奈川など首都圏でも12月にはすでに流行入りが確認されています。今シーズンは、AH3亜型(A香港型)の割合がもっとも多く、次いでAH1pdm09(新型インフルエンザ・H1N1型)、B型の順となっています。
いずれも今シーズンのインフルエンザワクチンに含まれているので、接種しておけば、万が一感染したときも、「重症化」を防げると考えられています。
また、ご存知のように13歳未満のお子さんは、4週間程度の間隔を空けて2回接種が必要とされています。1回目の接種を済ませたお子さんの2回目の接種は終わりましたか?
体調との兼ね合いもあるので、まだ済んでいないお子さんもいるかもしれませんが、間隔が空きすぎていると効果が薄れてしまう可能性もあるので早めに行ったほうが安心です。少し気になる情報として、今シーズンに入ってから、抗ウイルス薬のタミフルが効きにくいH1N1型インフルエンザウイルスが札幌市で相次いで見つかっており、国立感染症研究所が1月6日付で注意を呼びかけています。
インフルエンザウイルスは突然変異によって新しい流行を引き起こすことがありますので、予防接種をしていても油断せず、最新の動向に注意を払いましょう。
▼ ノロ、ロタなど感染性胃腸炎も流行のピーク!
「ノロウイルス」や「ロタウイルス」など、下痢や嘔吐を伴うウイルス感染性胃腸炎も、冬を代表する感染症です。特に冬に勢いを増すノロウイルス感染症は、今シーズンも12月ごろから患者数が急増し、全国各地で猛威を振るっています。ノロウイルスよりも少し遅れて、冬の終わりから春にかけてピークを迎えるロタウイルス感染症にも注意が必要です。
これらのウイルス感染性胃腸炎には、特効薬がありません。
かかってしまったら、脱水症状や体力の消耗に注意しながら、ひたすら回復を待つしかなく、お子さんにとってはかなりつらい病気だと思いますので、予防が第一ですね。こまめな手洗いを徹底してください。食品の加熱調理や調理器具の衛生管理も大事ですが、流行期には、ウイルスに汚染された物や場所に触れたことによる接触感染や、ウイルスを吸い込むことによる空気感染が心配です。
非常に感染力が強いので、万が一、感染者がご家族にいるときは、嘔吐物や排泄物の処理には厳重な注意が必要。後片付けだけではなく、トイレ掃除のときも、マスクや使い捨てのビニール手袋を使いましょう。アルコール消毒ではウイルスが死滅しませんので、漂白剤など「次亜塩素酸ナトリウム」を使った除菌対策が重要です。
▼ 冬なのに「プール熱」?アデノウイルスにもご用心
この冬は、別名「プール熱」と呼ばれているアデノウイルスの感染による咽頭結膜熱が流行しています。別名のとおり、プールでの接触やタオルの共有によって感染することが知られており、どちらかというと夏の感染症というイメージがありますね。例年、6月ごろから増えはじめ、流行のピークは7月~8月ですが、温水プールの普及で、季節を問わず流行する感染症になっているようです。この冬は、ピーク時と同水準の患者数が報告されており、感染拡大が懸念されています。スイミングスクールなどに通うお子さんは、特に注意したいところです。
だれかのタオルを借りたりするのは避け、シャワーで全身を洗い流すほか、目をしっかり洗う、うがいをするなどして、しっかり予防してください。
▼ 冬の感染症予防のためにできること
ここまでご紹介したなかでも、それぞれの感染症の予防策をお伝えしてきましたが、共通するのは、いずれも「手洗いの徹底」です。食事の前、帰宅後、排泄後など、こまめに手洗いをする習慣をつけてください。手のひらを擦り合わせて石鹸をよく泡立てて、手の甲、指の間、指先や爪の間までしっかりと洗います。擦り洗いの目安は、おおよそ30秒ほどです。そのあと、しっかりと流水で流し、清潔なタオルや使い捨てのペーパーでよくふき取りましょう。
また、インフルエンザウイルスをはじめ、冬の感染症は空気が乾燥した環境を好むため、湿度調整も大切です。加湿器などで湿度40%程度に保つようにすると、感染の危険も減少します。
ときどき窓をあけて、部屋の空気の入れ替えを行うことも有効。ご家庭では室内環境にも気を配ることを意識してくださいね。
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子どもが小さいうちは、発熱したり、鼻水が出ていたりすることは、珍しいことではありません。しかし、この時期、単なる風邪だろうと様子見していると、感染症を悪化させてしまったり、感染を拡大させてしまったりすることもあります。早めに医療機関を受診するようにしてくださいね!
2014.01.14