自転車事故のパターンと対策
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セコムの舟生です。
遊びに行くときや習いごとに行くときなど、日ごろから自転車によく乗るお子さんは多いと思います。
遠くまで移動できる自転車は、子どもにとって心強いパートナー。
一方で、自転車乗車中の交通事故も頻発しています。
今回は、小学生によくある自転車事故のパターンから、交通事故対策をまとめます。
子どもにシンプルに伝えられるよう、わかりやすく安全対策を紹介しますので、ぜひご一読ください。▼ 小学生の自転車事故によくあるパターンとは?
警察庁の統計によれば、児童の自転車乗車中の交通事故は、7割以上が「出会い頭」に発生しています。
状況としては、「安全不確認」が最多。「一時不停止」や「交差点安全進行違反」も多くなっています。
出会い頭の事故とは、自分の進行方向とは異なる方向から進行してきた車両や人と衝突するもの。
交差点、十字路や丁字路などで発生しやすい事故です。
また、自宅や公園などの敷地から道路に出るときなどにも、出会い頭の事故が発生します。
これらの状況から小学生によくある交通事故のパターンを考察してみましょう。
自転車で走行中、スピードを落とさずに交差する道路を横断しようとしたり、左右の安全を十分確かめずに道路に飛び出したりしたときに、交通事故が発生しやすいと考えられます。
きちんと安全確認をおこなえば防げるはずの事故です。
児童の自転車事故がもっとも多く発生しているのは、16時~17時台。
日が傾きはじめる夕方は、目が明るさの変化に追いつかず、視認性や距離感の認識が低下すると言われる時間帯です。秋から冬にかけては日没が早くなりますので、特に注意しましょう。
▼ 子どもに「自転車を運転する責任」を考えさせる
道路交通法上、自転車は軽車両に該当し、事故を起こせば車と同じように罰則やルールが適用されます。たとえ小学生でも、同じことです。
自転車に乗る以上は、自分から見えないところで車や自転車が進行してきたり、人が歩いてきたりしている可能性があることを、イメージしなくてはなりません。
「もしかしたら」を想像して安全運転を徹底しないと、いつ事故が起きても不思議ではないのです。
自転車はスピードが出る乗り物なので、衝突時の衝撃が大きく、車や人と接触したら命にかかわる恐れがあります。自分だけではなく、相手を傷つけてしまう可能性もあります。
「自転車を運転する人の責任」を子ども自身が自覚することが必要です。
▼ 自転車では「一時停止」と「安全確認」を徹底させる
「出会い頭」の自転車事故は、一時停止や安全確認を確実におこなえば、回避できる可能性が高いと考えられます。次のような場所に注意するよう教えましょう。
<自転車走行中に「一時停止」「安全確認」が必要な場所>
・「止まれ」「一時停止」の道路標識がある場所
・カーブミラーが設置されている場所
・交差点、十字路や丁字路
・建物や公園の敷地から道路に出るとき
・横断歩道の手前や、道を横断する前
子どもがよく通る道や行動範囲で、該当する場所がどこにあるかを具体的に把握してください。
慣れた道では、道路標識やカーブミラーに意識が向かず、見落としてしまいがち。
標識やミラーがなくても、住宅街などには見通しが悪く、道が交差しているポイントがたくさんあります。いつでも止まれるスピードで、安全を確かめながら走行することが重要です。
また、横断歩道や信号がある交差点でも、一時停止と目視による安全確認を習慣づけましょう。
▼ 自転車事故を回避するためのルール「自転車安全利用五則」
警視庁が掲げる「自転車安全利用五則」には、自転車事故を防ぐための大事なルールが網羅されています。
小学校の自転車安全教室などでも習っていると思いますが、折あるごとに繰り返しおさらいしましょう。
<自転車安全利用五則>
(1)自転車は、車道が原則、歩道は例外
13歳未満の子どもは「例外」にあたり、歩道を走行することができます。
しかし歩行者に対しての配慮が必要です。
自転車側が譲るべきなので、むやみにベルを鳴らしたりするのはやめましょう。
(2)車道は左側を通行
車道を走行するときは、道路の左側に寄って通行しなくてはなりません。
歩行者を追い越すときなどは、十分な間隔を取り、後ろから来る車にも注意することを教えてください。
(3)歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
・歩道ではすぐに停止できる速度で走行
・歩行者の通行を妨げる場合は一時停止する
・歩道を走る場合は、車道に近い側をゆっくり通行する
・歩行者が多いときは、自転車を降りて押して歩くなどの配慮をする
(4)安全ルールを守る
・ふたり乗りをしない
・並走しない
・暗くなりはじめたら早めにライトをつける
・信号を守る
・交差点では一時停止と安全確認
(5)子どもはヘルメットを着用
子ども自身が自転車に乗るときはもちろん、保護者がお子さんを乗せて運転するときもヘルメットをかぶらせてください。
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それから、自転車を定期的にメンテナンスすることも、大事な安全対策のひとつ。
タイヤやブレーキが消耗すると、事故の原因になりますし、サドルの高さやブレーキの握り幅なども成長にあわせて調整することが、安全走行につながります。
ご自宅でも、1カ月に1度くらいは子どもの自転車を点検し、少しでも異常が見つかったら、放置せず自転車専門店で修理してもらいましょう。
自転車専門店での定期点検も、忘れないようにしてください。
また、子どもが起こした自転車事故で、相手に重傷を負わせた場合、監督責任で保護者が賠償責任を負う場合があります。自転車保険に入ることも忘れないようにしましょう。
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