相次ぐ重大事故!小学生の自転車の安全を考える
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セコムの舟生です。
さわやかな秋晴れ。
自転車での外出が気持ちいい季節です。
放課後や休日に自転車で遊びに出かけるお子さんも多いのではないでしょうか。
子どもにとって自転車は、より速く、より遠くへ出かけるための頼もしいパートナー。
自分の世界も広がることでしょう。
便利ですが、自転車での外出には危険もともないます。
自転車に乗った小学生の交通事故があとを絶ちません。
今回は、小学生の自転車事故がどのようなときに起きているのかを紹介しながら、自転車に乗る子どもが守るべき安全対策をまとめます。
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▼ 小学生の自転車事故は、どんなときに起きるのか?
警視庁が発表した「小学生の交通人身事故発生状況(令和元年6月末)」によると、自転車乗車中の交通事故は、低学年より、中・高学年で多く発生していることがわかります。
小学3年生以上の学年では、歩行中の交通事故の発生件数を上回りました。
自転車事故が発生した状況は、「出会頭」が最も多く、約6割。
子ども側に違反があったケースでは、「安全不確認」と「一時不停止」が事故原因の主流です。
実際の自転車交通事故の事例をいくつか見てみましょう。
・自転車に乗った小6女児が路線バスにはねられて死亡。バスの進行方向左側の路地から出てきた女児が出会頭にバスと衝突した。
・自転車に乗った小4男児が路線バスにはねられてけがを負う。現場は信号機がない十字路で、男児が横断歩道を渡っていたところ、進行してきたバスが接触した。
・自転車に乗った小3男児が交差点で自動車にはねられて死亡。現場は信号機がない十字路で、道路を横断していた男児に進行してきた自動車がぶつかった。
事故はなぜ起きたのか、どうすれば事故を避けられたのか、ぜひお子さんと一緒に考えてみてください。
▼ 「事故が起きやすい場所」での走行方法を具体的に伝える
自転車での事故を避けるためには、先にある危険を予測し、安全確認や一時停止を徹底することがとても大切です。
小学生では、まだ「先にある危険を予測する能力」が十分ではありません。
スピードをゆるめるべきポイントがわからなかったり、危険を察知できなかったりすることがあると思います。
お子さんが自転車でよく通る道で、安全確認や一時停止が必要な場所を把握しましょう。
具体的には、交差点や十字路、路地から大通りに出るところなど。
「ここは必ず一度止まること」、「この交差点は曲がってくる車が多いから前後左右を確認して」、「ここではカーブミラーを見ようね」など情報を繰り返しインプットしましょう。
「止まれ」「徐行」「自転車通行止め」など、自転車の運転に必要な交通標識も、見かけたら都度教えておきたいですね。
「もし向こうから車が来たら...」「もしここを曲がった先に歩行者がいたら...」と想像できるようにならなくては、自転車を安全に運転することはできません。
危険を情報として伝えるだけではなく、お子さんが自分で考えるきっかけになるような声かけや質問をしてみてくださいね。
▼ 安全に自転車を運転するためのルール
自転車は「軽車両」ですから、判断を誤れば自分が危険な目にあうだけではなく、自らが加害者になってしまうこともあります。
そのことをまずはお子さんが理解していなくてはなりません。
自転車側が高額な賠償金を請求されるケースもあり、自転車保険の加入を義務付ける自治体も増えてきています。
自転車に乗るときは、ルールを守り、周囲に配慮する意識を持つこと。
「自転車安全利用五則」を参考に、自転車に乗るときのマナーやルールを身につけさせましょう。
<自転車安全利用五則>
(1)自転車は車道が原則、歩道は例外
13歳未満の子どもは「例外」で歩道を走行できますが、あくまで歩行者が優先。歩行者に対しての配慮が必要です。むやみにベルを鳴らして、わがもの顔で走るようなことはしないよう教えましょう。
(2)車道は左側を通行する
車道を走行するときは、左側に寄って通行しなくてはなりません。逆走はぜったいしないよう、教えてください。車道ではなくても、道路では原則として左側を走るよう習慣づけましょう。
(3)歩道は歩行者優先、車道寄りを徐行
歩道ではすぐに停止できる速度で走行しなければなりません。歩行者の通行を妨げる場合は、止まって待つようにします。歩行者が多い場合は、自転車から降りて押すように教えましょう。
(4)安全ルールを守る
2人乗りをしない、複数で並走しないなどのルールが定められています。
暗くなりはじめたらライトをつけること、交差点では信号を守ることや、一時停止と安全確認を徹底することも自転車を運転するときの義務。守らなければ違反です。
(5)子どもはヘルメットを着用
お子さんが自転車に乗るときはもちろん、保護者が自分の自転車に子どもを乗せるときもヘルメットをかぶらせましょう。
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これから年末にかけては、交通事故が多く発生するシーズンです。
年末年始に向けて車の交通量が増える、日照時間が短く暗い時間が長くなるなど、事故が起きやすい条件が重なります。
自転車でお子さんが出かけるときは、いつも以上に丁寧な運転と安全確認の徹底を心がけるよう、よく伝えてください。
特に日が傾きはじめてからは、目の錯覚で車までの距離やスピードを見誤りやすくなります。
車が見えたら通り過ぎるまで待つくらいの慎重さが、身を守ってくれるはずです。2019.11.21