[クローズアップNEWS]子どもの転落事故が多発!対策は?
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セコムの舟生です。
今回の[クローズアップNEWS]は、マンションなど、集合住宅からの「子どもの転落事故」です。
注意しなくてはならないことがわかっていても、繰り返し発生している子どもの転落事故。
このところ頻繁に子どもが命を落とした転落事故のニュースが報じられています。転落事故の危険から遠ざけるために、保護者が押さえておくべきポイント、特に転落の危険があるマンションなどに住んでいる場合の子どもへの対応についてお話します。
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▼ 今年8~9月に起きた子どもの転落事故
まずは、「子どもの安全NEWS」で取り上げた子どもの転落事故を振り返りましょう。・1歳女児がマンション8階から転落して死亡。女児はベランダで3歳の兄と遊んでいて、置いてあった椅子にあがり、柵越しに下を見ていて転落した(神奈川県 2014年8月)
・4歳男児がマンション14階ベランダから転落して死亡。ベランダ柵の手前にゴミ箱が逆さに伏せて置いてあり、それによじ登って落下した可能性(大阪府 2014年8月)
・10歳男児がマンション13階の出窓から転落して死亡。男児は出窓の柵を乗り越え、誤って転落したと見られる。両親は外出中、兄は別の部屋にいて気付かなかった(神奈川県 2014年8月)
・6歳女児がマンション8階のベランダから転落して死亡。両親は子どもを寝かしつけた後に外出しており、自宅には女児と3歳の弟だけがいた(兵庫県 2014年9月)
・1歳男児がマンション3階の出窓から転落。男児は出窓下にあったダンボールにあがり、誤って転落した模様。事故当時、両親は外出中で小学生の兄弟が一緒だった(2014年9月)
▼ 転落事故が起きた状況の共通点は?
事故をまとめてみると、発生状況には共通点があることがわかります。【転落事故の共通点】
○ 足がかりになるものがあった
椅子やゴミ箱、ダンボールなど足場になるものによじ登って転落することが多いようです。このほか、エアコンの室外機、荷物、三輪車などの遊具、積まれたゴミ袋など、さまざまなものが足場になります。体重の軽い子どもにとっては、植木鉢やラティス(木製の柵)といったガーデニング用品も足場になる可能性があります。○ 保護者の目が届かないときに起きている
事故発生時に保護者が子どもを残して外出していたケース、在宅時でも別の部屋にいて子どもの気配に気付けなかったケースがあります。兄や姉が一緒にいたとしても、幼い弟や妹の面倒をすべて見てもらうことは難しいです。
▼ 幼児の転落事故を防ぐポイント
さらに転落事故には、年齢層ごとに特徴があることにお気付きでしょうか?幼児期は、気になったことに対して、あれこれ考える前に体が動いてしまう時期。純粋な好奇心から目についたものを足場にして、結果的に転落事故が発生しているようです。
幼児期は、事故の危険性を理解できていないので、リスクを事前に排除しておくことが最大の事故防止策になります。
<幼児の転落事故防止のために保護者がおこなうべきこと>
・ ひとりにしない
・ 別室にいるときは頻繁に声をかける
・ 目が届かないときは必ず窓に施錠する
・ 窓下やベランダに足場になるものを置かないベランダを遊び場にしないほうがいいでしょう。
「入ってはいけない場所」と子どもに思わせることで、転落の危険を減らすことができます。
▼ 小学生の転落事故を防ぐポイント
体が活発に動くようになる小学生は、「落ちたら危ない」とわかっていても、突発的に危険な行動を取ってしまうことがあります。よじ登る足場がなくても、高いところにあがることができますし、鍵がかけてあっても、自分で開けることができるので、安心できません。わが子の性格や行動パターンを見極めたうえで、転落防止策を施すことが必要です。
<小学生の転落事故防止のために保護者がおこなうべきこと>
・ 子どもが開けられない補助鍵を設置する
・ ベランダには出させない
・ 危ない場所で遊んでいたり、下をのぞき込んだりしていたら、すぐに注意する
・ 子どもの転落事故のニュースをテーマに話しあうやってはいけないことを繰り返し伝えること、子ども自身に考えさせることが大事です。
子どもは、常識や自制心より好奇心が勝ってしまうことが多いもの。
事故が起きそうな場所で遊んでいたら、一声かけて移動させるなど、子どもの行動を予見して見守りましょう。
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今回はマンションからの転落事故を中心にまとめましたが、マンション以外でも転落事故は起きています。8月には宿泊施設の3階窓から4歳の女児が転落する事故がありました。
外を眺めようとして、開いていた窓から誤って転落したようです。子どもの転落事故の危険はどこにでもあります。
遊びに行った場所でも、子どもにとって危険な場所がないか最初に確認してください。
窓やベランダなど転落の危険がある場所には子どもを近づかせないようにしましょう。2014.10.20