油断は禁物!まだまだ熱中症にご注意を
-
セコムの舟生です。
朝晩の暑さは少し和らぎましたが、日中はまだ夏の名残が足踏みしているようです。
8月24日に気象庁から発表された3ヶ月予報によると、9月の気温は平年並みか平年より高め。予報どおり残暑厳しい9月になりそうですね。さて、この夏も多くの発症が報告された熱中症。
患者数のピークは7月下旬~8月上旬ですが、学校に通う子どもたちは9月に入っても熱中症には注意が必要です。生活のリズムが乱れがちな夏休み明けに、体育の授業や運動会の練習など身体を動かす機会が急に増えると、熱中症を発症しやすくなることがあります。学校側でも熱中症対策には気を配っていることと思いますが、お子さん自身も自らの体調を知り、無理をしないことが大事です。
熱中症予防について、もう一度おさらいしておきましょう。
* * * * * * * * *
▼ ガブ飲みはダメ!熱中症予防の水分補給方法
熱中症予防の最大のポイントは、水分補給。学校での水分補給のタイミングは、主に休み時間になると思います。体育やクラブ活動など、汗をかいたあとの水はとてもおいしいものですが、「のどが渇いた」と感じたときに大量の水を一気に飲むことはあまりよくありません。一度に身体に吸収される水分量は限られています。水分で薄まった血中の塩分濃度を調整するために、排泄が促されて脱水症状を起こすこともあるので、飲みすぎは控えましょう。
のどの乾きを感じる前にこまめに潤すのが理想的。ガブガブ飲むのではなく、少量ずつ噛むようにして飲み込むといいと思います。暑い時期は、面倒がらず休み時間ごとに水分を補給するようにしましょう。
これから運動するというときは事前に水分を摂り、できれば運動中も水分補給するようにしてください。大量に汗をかいたときには、水分だけではなく塩分の補給も必要です。
▼ 身体に熱をこもらせないことが大事
私たち人間が発汗するのは、体温の上昇を防ぐため。汗は蒸発するときに熱を奪うので、いつまでも汗でベタベタした状態では、効率的に汗を蒸発させられず、身体に熱がこもって熱中症を引き起こすこともあります。学校生活では汗をかく場面が多いですが、
(1) 首元を締めつけない衣服を着せる
(2) 吸汗速乾素材の肌着を着せる
(3) こまめにタオルやハンカチで汗を拭くように習慣づける
(4) 必要に応じて着替えを持たせる
などの対策が効果的です。「汗をかきっぱなしにしないように」ということは、お子さんにも言い聞かせておくといいかもしれません。
▼ 熱中症の症状はいろいろ
熱中症というと、発熱や発汗などをイメージしますが、それだけとは限りません。あまり関連のなさそうな症状が、実は熱中症の予兆であることもあるので注意が必要です。どのような症状があるのか、知識として覚えておくことをおすすめします。○ 熱失神
症状:顔色が悪い、呼吸が荒い、立ちくらみ、めまい、軽い失神
暑さに順応しきれず、脳への血流が不十分な状態。熱中症の初期段階といえます。このときに、「おかしいな」と気付くことが、重症化を防ぐポイントです。涼しい場所で休息して、水分補給をするようにしましょう。○ 熱けいれん
症状:筋肉の痛みやけいれん、こむら返り、足がつる、けいれん、大量に発汗する
汗をたくさんかくことによって塩分が不足すると、筋肉の痛みや硬直を起こすことがあり、これを「熱けいれん」と呼びます。涼しい場所で、塩分を含んだスポーツ飲料や経口補水液を補給しましょう。発汗が少なくても、真水やお茶の飲みすぎも塩分不足の原因になります。○ 熱疲労
症状:頭痛、吐き気や嘔吐、絶え間ない不快感、倦怠感、虚脱感
熱中症がやや悪化して、身体に力が入らない、ぐったりするといった段階です。脱水だけではなく、循環障害が起きた状態で、体温も上昇、意識障害が起きる場合もあります。このレベルでは、病院での治療や入院が必要になることもあるので、ボーッとして様子がおかしいように見えるときには早急に対応しましょう。○ 熱射病(日射病)
症状:意識障害、手足の運動障害、ひきつけ、まっすぐ走れない、歩けない、40度以上の熱
もっとも熱中症が進んだ段階で、命に関わることもあります。言動がおかしかったり、返事ができなかったりする場合は重症ではないかと疑い、すぐに救急車を呼んでください。到着までの間も、身体を冷やす、風を送るなどして体温を下げる措置をおこなう必要があります。
* * * * * * * * *
熱中症の発症には、その日の体調も関わっています。
睡眠が不足していたり、食事量が不十分だったりすると、身体が気候に順応できないことがあるので、ふだんから規則正しい生活を送り基礎体力を蓄えておくことが大事です。早めの就寝を心がけ、バランスの取れた食生活を心がけること。
適度な運動をして、汗をかく習慣をつけておくこと。
環境や気候の変化に負けない身体をつくることが、熱中症予防につながります。夏バテならぬ残暑バテにも気をつけて、元気いっぱいに秋を迎えましょう!
2012.09.10