インターネットの「うっかり違法行為」を回避するために
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セコムの舟生です。
まもなく夏休みを迎える子どもたち。
インターネットを利用して夏休みの自由研究や宿題をすることもあるでしょう。
インターネットから情報を得たり、写真やイラストをダウンロードしたり、活用方法はさまざまです。
学校や家庭でも、インターネットとのかかわり方について学習が進んでいると思います。
しかしインターネット上では多くの情報が行き交い、絶えず更新されているものです。
インターネット上の情報の取り扱いには、注意がかかせません。
なかには法に抵触するようなケースもあることを知っておく必要があります。
今回は、夏休みの宿題でインターネットを利用する際に注意したいことをまとめます。
「うっかり違法行為」にならないよう、ぜひお子さんと一緒にご一読ください。▼ 子どもと一緒に学ぼう!「著作権」って何?
著作権とは、作品をつくった人が持つ権利のこと。
著作者の許可なく著作物を使用すると、場合によっては著作権侵害とみなされます。
著作権があるのは、商業出版されている本やマンガなどだけではありません。
アニメやゲーム、音楽や映画などにも著作権があります。
インターネット上で個人が公開している写真やイラスト、動画やブログ記事なども、著作権の対象です。
「著作権」を理解するうえで大切なのは、つくった人の気持ちに配慮するということ。
自分の作品を無断で使われたら、どんな気持ちになるか。
自分の意思に関係なく知らないところで見られていたら、どんな気持ちになるか。
写真一枚でも、「撮った人の想いがこもった大切な写真かもしれない」と想像することが大切。
たとえば、友達が送ってきた写真でも、勝手に夏休みの宿題などに使用するのは問題です。
「自分だったらどう思うか?」を考えることが、著作権を考える第一歩。
「使ってはいけない」のではなく「無断で使うのは良くない」ということを理解しましょう。
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▼ インターネット素材の使い方に注意
インターネット上の写真やイラストなどの素材を使用する際は、著作者の許可が必要です。
ただし、学校の授業の範囲で使用したり、個人的に学習したりするために、コピーやダウンロードをする場合は著作権者の了解を得る必要はないとされています。
夏休みの宿題でインターネット上の素材を使用する際も、それに該当するでしょう。
しかし、夏休みの宿題だからといって無制限に使えるわけではありません。
インターネット上の素材を使って仕上げた宿題を、学校外の人が広く見られる状況に置くと著作権侵害に抵触する恐れがあります。
たとえば、以下のような状況です。
・作品展などのために学校外へ掲示する
・学校のホームページなど、インターネット上で掲載される
・写真を撮って自分のSNSに投稿する
過去には、学校だよりや保健だよりにイラストを無断使用して賠償金請求に発展した事例もあるので、インターネット上の素材を利用する際は注意が必要です。
「著作権フリー」とされている素材でも、利用規約をよく読んで、規約に抵触しない使い方をしましょう。
また、インターネット上の文章を使用する際にも注意が必要です。
「読書感想文の事例をそのまま使用して自分の作品として出す」「インターネット上の文章を丸写しする」などはもってのほか。
文章を引用する場合は、出典元をきちんと記載するのがルールです。
昨今は、読書感想文のコンクールに生成AIの文章が不適切引用されたことも問題になっています。
夏休みの宿題でインターネット情報を活用する場合は、親子でリテラシーやマナーについても考える機会を持ちましょう。
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▼ インターネットには「フェイクニュース」もある
夏休みの宿題のために調べ物をするときは、「フェイクニュース」にも注意が必要です。
信頼されるニュースメディアでフェイクニュースが発信されたこともあり、真偽を確かめるのは簡単ではありません。
特にインターネットでは、検索したキーワードによって出てくる情報が異なります。
リンクをたどるうちに意図しない情報に接することもあります。
偏った情報に誘導されてしまう危険性があることも考えておくべきです。
<フェイクニュースか正しい情報かを確認するには>
・他の情報と比較する
・情報の発信元を確認する
・いつごろ書かれた情報か確認する
・一次情報(※)を確認する
※発信者が直接体験して得た情報、もしくは自ら行った調査や実験で得た情報のこと
「フェイクニュースなのか、それとも真実なのか」、情報の真偽を確かめることはとても大切ですが、小学生だけで判断するのは難しいものです。
ぜひ一緒に確かめて、学ぶきっかけにしてあげてください。* * * * * * * * *
夏休みのインターネット利用では、映画やアニメ、ゲームなどのエンターテイメントにも注意が必要です。
インターネット上には海賊版のコンテンツが多数出回っていて、子どもたちも簡単に目にすることができます。海賊版のコンテンツをダウンロードすると、著作権法違反になることも子どもに伝えておきましょう。* * * * * * * * *
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