いつから携帯電話を持たせる?進級時に考えたい携帯電話と使い方のルール
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セコムの舟生です。
4月になり、新学年を迎えました。進級するときによく話題になることのひとつとして、「携帯電話」があげられます。
進級時は、学童保育に通わなくなる、塾に通いはじめるなど、子どもの生活環境に変化があるものです。
進級を契機に「携帯電話を持たせたほうがいいのかな?」と迷われるご家庭は少なくないと思います。「友達が持っているから、自分も欲しい」とせがまれることもあるようです。
わが子に携帯電話は本当に必要なのか。
持たせる場合、どのようなリスクがあるのか。
携帯電話を持たせるときの注意点などについても知っておく必要があります。
小学生の保護者の方に向けて、携帯電話についての考え方や、子どもの防犯・安全のために知っておきたい携帯電話の持たせ方などをまとめます。
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▼ なぜ携帯電話が必要なのかを考える
小さな子ども向けの携帯電話が各キャリアから発売されています。
低学年のうちから携帯電話を持つ子どもが珍しくなくなりました。
また、中・高学年になると子ども向けのスマートフォンを持つお子さんもいます。
今後、ケータイデビューがスマートフォンだという子どもも増えていくことでしょう。
このような時代背景からか、子どもも保護者も、携帯電話やスマートフォンを持つことに抵抗感がなくなってきているのを感じます。
だからこそ、お子さんに携帯電話やスマートフォンを持たせる前に、立ち止まって考えてみましょう。
明確にしておきたいのは、「携帯電話やスマートフォンを何の用途で使用するのか」です。
GPS機能でお子さんの居場所を確認するのが目的なら、メールや通話機能がなく、防犯目的に特化したココセコムのような端末もあります。
保護者との連絡手段としてどうしても必要ならば、スマートフォンなど高機能な機種は不要です。
「余分な機能がないもの」「親が管理しやすいもの」という視点で、機種を絞り込んだほうがいいでしょう。
▼ 遊びや交流目的なら携帯電話やスマートフォンを持たせるべきではない
携帯電話やスマートフォンを持たせる目的が明確ならば、持たせるべきか否か、何を持たせるべきかなどが見極めやすくなります。
心配なのは、「友達が持っているから」「SNSや無料通話アプリを使いたいから」といった理由で、携帯電話やスマートフォンを欲しがるケース。目的が不明瞭、あるいは遊びが目的であるのに持たせるのは危険です。
子どもが保護者の目の届かない場所で自由にインターネットを利用できる状態になれば、悪質なサイトにアクセスしたり、見知らぬ第三者とつながったりする可能性を否定できません。
子どもは好奇心旺盛なので、深入りしてしまうことが少なくないのです。
SNSなどを通じた児童ポルノやわいせつ被害、個人情報を悪用される犯罪、ゲーム課金などによる高額請求トラブルなど、思わぬ犯罪被害も多数報告されており、小学生の被害者も増えています。
ごく普通の小学生が携帯電話やスマートフォンを通じて犯罪に巻き込まれている現実を、危機感を持って知っておくべきです。
携帯電話やスマートフォンを「子どもに買い与え、あとは子ども任せ」ではなく、親子で使い方を学ぶとともに、お子さんが安全に使えるようになるまで、管理・監視しましょう。
携帯電話やスマートフォンを安全に使える知識が身についたとしても、どのような使い方をしているのか、すべてオープンにさせるくらいの見守りが必要です。
▼ 携帯電話・スマートフォンを持たせる場合は「ルール」を決める
子どもに携帯電話・スマートフォンを持たせるなら、親子で話し合って「使い方のルール」を事前に決めましょう。
使っていい時間や場所、携帯電話の置き場所(自室に持ち込まない)など基本的なルールのほか、約束を破った場合にどうするかまで決めておくことが重要です。
【利用のルールに盛り込むポイント】
(1) フィルタリングを設定する
フィルタリングは必須です。
スマートフォンの場合はWi-Fi通信にもフィルタリングが欠かせません。フィルタリング機能を内蔵した専用ブラウザアプリもありますので、導入を検討しましょう。
フィルタリングが利用の前提であることを子どもに理解させてください。
(2) 各種設定は保護者の責任
通話やメールの送受信制限、アプリのダウンロードや利用の制限などは、保護者の方が設定してください。
子どもが勝手に設定を変更することをルールで禁止しておきましょう。
(3) アプリやサービスの利用について
子どもが利用したいアプリやサービスがあるなら、必ず事前に保護者が確認しましょう。
勝手にアプリをダウンロードしたり、サイトに登録したりしないよう、固く約束させてください。
子どもにふさわしくないなど、何かしらの悪影響が考えられる場合は、利用させるべきではありません。
安全に使うための学習や、管理・監視といったルールづくりは最初が肝心。
携帯電話やスマートフォンの持ちはじめのときにこそ、厳しいルールをつくっておきましょう。子どもにとって厳しいルールが当たり前になります。
大事なのは、これはあくまで親が子どもに「貸しているもの」であって、決して「あげたもの」ではないと認識させること。だから「勝手に使ってはいけないもの」「よく気をつけて使わなくてはならないもの」という意識を、しっかりと植え付けておくことが大切です。
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子どもの利用能力を見極めて「ウチの子にはまだ早いな」と思ったら、「持たせない」という判断も必要です。
ただ、一方的に親の意見を押し付けるだけでは、子どもは反発します。
親子でよく話し合って、妥協できるところを見つけましょう。
子どもの意見によく耳を傾けてあげてくださいね。
やみくもに遠ざけるのではなく、「どうしたら安全に使えるか」という視点を持つことも大切。
これからの時代の子どもたちは、インターネットとの付き合い方を早期から学んでいく必要があります。
保護者の方も、お子さんと一緒に学ぶようなつもりで、携帯電話やスマートフォンとの適切な距離感、使い方などを見つけていってください。<お知らせ>
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