本当に安全?「閑静な住宅街」に潜む子どもの犯罪被害のリスク
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セコムの舟生です。
10月も半ばをすぎると、すっかり秋めいてきたように思います。
日が暮れるのがずいぶん早くなりましたね。
危険な場所は、「近づかない」「通らない」などとお子さんに伝えていることと思いますが、意外に盲点になりがちなのが「住宅街」です。
「閑静な住宅街」と聞くと、治安がよく、事件とは縁がないように思えます。
しかし、住居が密集した住宅街には死角が多く、不審者が存在していることもあるのです。
そこで今回は、住宅街に潜む子どもにとっての危険箇所を紹介します。
お住まいの近くに思い当たる場所があれば、具体的にお子さんに伝えて、ぜひ防犯対策に役立ててください。
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▼ 「子どもの防犯」目線で住んでいる街を見てみよう
住宅街では、平日の昼間になると働いている人や学生が街からいなくなります。
日が高い時間でも人の気配が感じられず、驚くほど静かになることがあるものです。
特に宅地造成地につくられた新興住宅街などだと、コンビニや商店などもまだ近くになく、「助けを求められる場所がどこにもないのではないか」と思えるような環境であることも珍しくありません。
つまり、子どもにとって「閑静な住宅街」は、危険な場所になり得るということです。
「閑静な住宅街」を子ども目線で見てみましょう。
お子さんの背丈よりも高い壁や植栽、見通しの悪い狭い道、曲がり角の電信柱や自動販売機など、小さな子どもの存在を見失ってしまいそうな場所や、不審者が身を隠しておける場所が多いことに気づくと思います。
近年は高齢化のため、空き家や空き地が増えているそうです。
住人の少ない老朽化したアパートなども見られます。
こうした場所も不審者が身を隠し、出入りしやすいので、近隣に該当する場所があれば特に注意が必要です。
▼ 「工事中」の場所に注意を払う
また、「工事中」の土地や建物にも注意が必要です。
新築工事、建物の取り壊しなど、住宅街でも新規で工事がはじまることはよくありますよね。
日常的な風景なのであまり気に留めないかもしれませんが、そこにもリスクがあることを知っておいていただきたいと思います。
建物の工事では、足場を組み立てたり、シートを張ったりしますので、新たな死角ができます。
工程によっては午前中だけ工事があったり、休日は工事を休んだりすることもあり、常に人がいるとは限りません。
またトラックなどの大型車両の出入りも増えますので、道が狭い住宅街では通行する際にも普段以上の注意が必要になるのです。
お子さんの通学路や行動範囲で工事がはじまった場所があれば、保護者の方も把握することが肝心。お子さんにも「気がついたら教えてね」と伝えておくといいでしょう。
同時に、工事箇所からできる限り距離をあけて歩く、ひと気がないときは迂回ルートを通るなど、具体的な対策についても話し合っておくことをおすすめします。
▼ もしも「住宅街」で不審者に出会ったら
住宅街にも危険が潜んでいることはご理解いただけたと思います。
しかし、生活圏の道や通学路を通らずに済ませることはできませんよね。
お子さんには、住宅地では日中でも油断せず、いち早く周囲をよく見て危険察知センサーを研ぎ澄ませておくことを教えてください。
もしものとき、どのように行動したらいいかについても話し合っておきましょう。
不審な人物を見かけたら、近づいたり、そのまま通り過ぎたりしようとせず、注意をはらっておくことが肝心です。「気のせい」で済ませず、「もしかしたら」と考えて行動する警戒心が身を守ります。
話しかけられたり、追いかけられたりしたときは、できるだけ人が多い場所へ逃げなくてはなりません。
住宅街でも、日中人が在宅している友達の家、児童館や図書館といった施設など、助けを求められる場所はあるはずです。
できるだけ多くそのような場所を知っておきましょう。「もしもここで襲われたら、あそこに助けを求めよう」とシミュレーションしておくのがおすすめです。
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登下校のときや遊びに行くときは、防犯ブザーをつけ、必ず友達と一緒に行動することを、あらためて徹底させてください。
不審者に狙われるのは、多くの場合、「ひとりでいるとき」です。
住み慣れた「住宅街」。
危険を見落としがちですが、子ども目線でもう一度、防犯・安全について考えてみてくださいね。2018.10.18