[クローズアップNEWS]連れ去り事犯が頻発!お子さんの身辺に注意を
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セコムの舟生です。
夏休みが目の前に迫ってきました。
夏休み中の経験や発見は子どもを大きく成長させますから、いろいろなことを体験させてあげられるといいですね。
さて、今回の[クローズアップNEWS]は、このところ立て続けに起きている子どもの連れ去り事件を取り上げます。
類似した事件は続くことがあり、世間を震撼させるような重大な事件が発生することもあるので、これまでに起きた事件を教訓にお子さんの身辺に注意しましょう。
子どもの連れ去りは、いろいろな状況で発生しています。
乳幼児から小学校高学年まで、狙われた子どもの年齢もさまざまです。
決して他人ごととは言い切れません。
実際に起きた事件を振り返りながら、お子さんを連れ去りから守るための対策をまとめます。
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▼ 子どもを連れ去る手口を知る
ここ3カ月ほどの間に起きた事件を振り返ります。
事件の状況から犯行の手口を大きく分類しました。
パターン1:ついてくるように仕向ける
・小3女児を連れ回した男を未成年者誘拐の容疑で逮捕。公園で遊んでいた女児に「お菓子を買ってあげる」と声をかけて誘い出し、およそ1時間連れ回した疑い
・小3女児へのわいせつ目的誘拐などの容疑で男を逮捕。住宅地を自転車で走行していた女児に「見せたいものがある」と声をかけ、アパート敷地に連れ込んでわいせつな行為をした疑い
子どもが好奇心や興味をそそられる言葉をかけてだまし、別の場所に連れ去るパターンです。
子どもを狙う者は、気を引く魅力的な声かけをします。
お子さんに「知らない人について行ってはダメ」と教えるだけでは不十分です。
子どもをだます声かけにはいろいろなパターンがあることを教えて、「おかしいな」「危ないな」と感じるセンサーを育てることが大事です。
パターン2:子どもが断れないうちに、無理やり連れて行こうとする
・低学年女児を誘拐・監禁した容疑で男を逮捕。ひとりで下校中の女児に「一緒について来て」などと声をかけ、近くのアパートの空き部屋に連れ込み、約10分間監禁した疑い。男は女児が大声をあげて抵抗したため逃走
・小6女児を誘拐しようとした容疑で男を逮捕。ひとりで路上にいた女児に「お金をあげるからついてきて」と声をかけ、腕を引っ張るなどして強引に連れ去ろうとした疑い。女児は通りかかった人に助けを求めて無事
声かけをきっかけに有無を言わせず連れ去るパターンです。
知らない大人から突然話しかけられたら、どうしていいかわからず、従ってしまっても不思議ではありません。
声をかけられた際に目安となるのが相手との距離です。
声をかけてきた相手とは、大人が両手を広げたくらいの距離を取るようにします。
距離を取っても近づいてくるなら防犯ブザーに手を伸ばすなど、警戒心を相手に示しましょう。犯行をあきらめさせることにつながります。
とっさのときに防犯行動を起こせるように、「防犯シミュレーション」で練習してみてください。
パターン3:強引に連れ去る
・小6女児を車に無理やり乗せて約3時間半連れ回した容疑で男を逮捕。自転車に乗っていた女児を押し倒して車に押し込み、腕を縛って車内に監禁。女児は友人と別れてひとりになったところを襲われた
周囲に人目がない場所で犯行が行われました。
危険に直面したとき、周囲に気づいてくれる大人や助けを求められる場所がなければ、逃れることは困難です。安全に見える住宅街でも、時間帯によっては人通りがなくなってしまう場所や、大声を出しても周囲に聞こえない場所などが存在するかもしれません。
「子どもの行動範囲にある死角」を把握して、近づかないようにしましょう。
▼ 狙われないためのポイント
連れ去り犯は、やみくもに犯行に及んでいるわけではありません。
狙いやすい子どもを見定め、見とがめられない瞬間と場所を狙っています。
危険に巻き込まれないためには、「狙われないための行動」を意識することがとても大事です。
(1)ひとりにならない
(2)ひと気のない場所を遊び場や通り道にしない
(3)行き先を決めずにブラブラしない
(4)ぼんやりしながら歩いたり、下を向いたまま歩いたりしない
(5)道端で立ち止まっていたり、遊んだりしない
いずれも不審者にすきを見せることにつながる行動です。
犯行の好機を与えないためにも避けるべき行動といえます。
▼ いざというときの対策
「狙われないための行動」を意識したとしても連れ去り対策として、完璧なものはありません。
危険な状況に置かれたときの対応方法を身に付けておきましょう。
(1) 声をかけられたら相手から離れ、つかまれないよう、手が届かない距離を保つ
(2) 防犯ブザーに手をかけ、いつでも鳴らせる準備をする
(3) どんな誘いの言葉にもついて行かない、車には絶対に乗らない
(4) 勇気を出して「イヤです!」と大きな声で言う
(5) 体をつかまれたり、強引に引っ張られたりしたら「助けて!」と大声を出す
(6) 判断に迷ったとき、危険を感じたときは走って逃げる
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未就学の幼児や乳幼児の連れ去り事件も発生しています。
6月には、1歳の女の子が玄関先から連れ去られる事件もありました。また、商業施設などで、保護者と離れたり、迷子になったりしたところを狙われることもあります。
小さなお子さんをひとりにしないよう、保護者の方も日常の行動を見直しましょう。2016.07.19