日が長くなってきました。子どもの安全対策の見直しを
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セコムの舟生です。
今週の土曜日、3月21日は春分の日ですね。
「昼と夜の長さが同じになる境目の日」と言われます。近ごろずいぶん明るい時間が長くなってきており、
これからは、どんどん日没の時間が遅くなってきます。空が明るいと、帰宅時間が少しルーズになってしまうお子さんもいるのではないでしょうか。
春休みは、特に気の緩みが出やすいタイミングです。日没が遅くなったからといって、安易に門限をずらしたり、帰宅時間の遅れを大目にみたりしないよう、注意してください。
今回は、日没が遅くなることのリスクと、春休みの子どもの安全対策をまとめます。
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▼ まだ明るいから大丈夫?「薄暮の時間」のリスクを再確認
日が傾き始めると、空は明るく見えても、周囲は少しずつ暗くなっています。人間の目は、明るさの変化に弱いようで、暗さに順応するまで視認性が落ちるそうです。日が傾き始めてから日没までの「薄暮の時間」に交通事故が多い一因かもしれませんね。
周囲が見えにくくなることのリスクは、交通事故だけではありません。
周囲が見えにくくなれば、電柱や車の陰などに誰かが潜んでいても気付きにくくなりますし、明るい時間帯よりも不審者が身を隠す場所が増えることにもなります。
警察庁が平成15年にまとめた「子どもを対象とする略取誘拐事案の発生状況の概要」によると、小・中学生を狙った略取誘拐事案が発生しているのは、半数以上が午後3時~午後6時の間。最も多いのが「下校中」、次いで「遊んでいるとき」、「帰宅途中」の順になっています。
日没が遅くなるこれからの季節は、「まだ明るいから大丈夫」という思い込みがいっそうの油断をまねき、隙をつくってしまいがちです。
午後3時~午後6時は事故や犯罪が発生しやすい時間帯ですので、子どもによく言い聞かせてください。
▼春休みは「遊んでいるとき」と「帰り道」に注意
春休み中、子どもが狙われやすいのは「遊んでいるとき」と「帰宅途中」です。【子どもを犯罪被害から守るためポイント】
(1) ひとりで行動しない
短い距離でもひとりになるのが最も危険です。
帰り道にどうしてもひとりになってしまうときは、保護者が迎えに行く、安全な待ち合わせ場所を決めるなどの対策をしましょう。(2) 行ってはいけない場所を伝える
管理が行き届いていない公園や、雑草が生い茂った空き地、逃げ場のない路地、高架下、横断歩道橋の上、駐車場、工事現場のそばなど、具体的に危険な場所を伝えましょう。人の目が届きにくい場所にこそ、不審者が潜んでいるものです。
子どもにとって、不審者を特定することは難しいことですが、危険な場所を具体的にして、近づかないことでリスクは軽減できます。(3) 帰り道のルートを守る
遊びに行く場所から自宅までの道は、どこを通るか決めましょう。子どもと一緒にどの道を通るのが安全なのか、話し合いながら決めてください。子どもが自分で考えて「安全な道順」を決めることが大切です。(4) 路上駐車の車に警戒する
車内から様子をうかがっていたり、急に引き込まれたりする危険があります。車の近くを通り過ぎるときは十分に距離を保ち、車内の気配にも注意を払うようにしましょう。
車内が確認できないようなら防犯ブザーに手をかけて構えるなどの警戒行動が大切です。(5) 家につくまで油断しない
敷地に入るときや、玄関をあけるとき、マンションのエレベーターに乗り込むときも、背後を確認する習慣をつけさせましょう。自宅の敷地内だと油断が生じやすいので、注意してください。
なかには自分で鍵をあけて家に入るお子さんもいるかと思いますが、鍵を探して鍵をあけ、家に入るという動作には、隙ができやすいものです。周囲に十分、警戒するとともに、さっと鍵を出せるような工夫もしてあげてください。
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周囲に注意を払わず、足元ばかり見ながら歩いている子や、考え事をしながらぼんやりしている子は、声をかけやすい、狙いやすいと見られてしまうことがあります。道路状況の変化にとっさに対応できず、交通事故に巻き込まれる危険もあります。まだ明るい時間でも、周囲への警戒を怠らないことが大事です。
事件や事故の危険を減らすためには、人や車が近づいてくる気配、物音、見知らぬ人からの視線などに敏感にならなくてはなりません。子どもに防犯・安全に対する意識をしっかりと持たせ、春休みを迎えましょう。2015.03.19