ココが知りたい、子どもの防犯&安全特集[1]不審者による声かけは、よくあること?
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セコムの舟生です。
ここ数日、日本列島は暴風で、電車が運転を見合わせるなど、多くの公共交通機関がストップ。何時間も駅構内で電車の復旧を待つ人が多く見受けられました。
昨年3月に発生した東日本大震災でも同じような"困ったこと"が起きましたが、その時の経験は生きているでしょうか。今一度、振り返りたいものですね。さて、「子どもの防犯ブログ」で随時、募集している「子どもに関するアンケート」。アンケートには、子どもの防犯・安全に関するご意見のほか、質問やブログへの感想などが寄せられています。いずれも子どもを持つ保護者ならではの目線で語られていて、まさに子どもの防犯・安全の今を反映しているかのようです。
そこで今回から、「子どもに関するアンケート」に寄せられたご意見や、質問などをご紹介する【"ココが知りたい"子どもの防犯&安全特集】を全5回シリーズでお届けします。
初回のテーマは、子どもの防犯に関して感じている不安です。
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▼ 多くの子どもが「不審者に声をかけられたことがある」
「子どもの防犯に関して不安を感じたことがある」という質問で「ある」と答えた方に、「その不安はどのようなものですか」とお尋ねしたところ、4割近くが「不審者に声をかけられた」と回答しています。不審者による声かけは、以前もご紹介したように、「幸いにも大事に至らなかった」未遂事案だった可能性もあります。
「ハインリッヒの法則」という言葉をご存じでしょうか。これは、アメリカの技師ハインリッヒ氏が労働災害の発生確率を分析して導き出した「1対29対300」という比率のことです。重大災害を1としたとき、軽傷の事故が29、ケガはなかったがヒヤッとした体験が300の割合で発生しているということをあらわしています。
日常の"些細な異変"も積み重なれば、重大事件へとつながる危険性を秘めています。「不審者による声かけはよくあること」と侮らず、日ごろから小さな不安に対処しておくことが、重大事件を防ぐ秘訣です。
▼ 子どもの声かけ事案、その特徴と対策は?
子どもを狙って声をかける事案はずっと昔からあったことですが、近年では悪質な犯罪に発展するケースが相次ぎ、特に問題視されています。不審者による子どもへの声かけには以下のような特徴があります。
○ 午後2時~7時ごろまでの下校時間帯に多発
○ 発生場所は道路上が多い
○ ひとりでいたときの被害が多い「【入学準備特集7】誘拐・連れ去りの手口を知り、対策を!」でも甘言にだまされないための対策をいろいろご紹介しましたが、ひとりにならないことも非常に重要です。
帰り道が友だちと一緒でも、途中で別れてひとりになってしまう区間もあるかもしれません。そんなときこそよく注意して、周囲への目配りやキビキビした行動が必要になります。帰宅時間が遅くなるときは、ご家族が迎えに行くなどして、なるべくひとりになる時間を減らすようにしましょう。
▼ 地域ぐるみで子どもを守る意識を
子どもにただ注意を促すだけでは、悪意のある人物から子どもを守ることは困難です。だれもが安心して暮らせる街づくりに貢献することが、私たち大人の責任でもあります。「ハインリッヒの法則」のように、29件の声かけ事案があったとしたら、その予兆である小さな異変はその10倍近く存在することになります。道路にゴミが散乱していたり、公園の水道が壊れたままになっていたりしませんか?不審者の入り込む隙は、こうしたところにあらわれるものです。
街全体の手入れが行き届き、住民同士があいさつを交わしている地域は、人の目が行き届いているため不審者にも狙われにくいといえます。まずは大人が、ゴミ出しのルールを守る、ご近所に顔見知りを増やす、地域への参加意識を持つ、といったことを意識してみてはいかがでしょうか。
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お買い物や犬の散歩などの外出を下校時間に合わせるだけでも、子ども見守る地域の大人の目が増えます。わが子だけではなく、ほかのお子さんにも目を向けることが、子どもの防犯に関する不安解消にもつながることなのです。
2012.04.05