【入学準備特集1】 新1年生のための防犯入門!「知らない人」ってどんな人?
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セコムの舟生です。
2月に入り、卒園式の練習が始まった幼稚園もあるようです。この春、小学校に入学するお子さんを持つ親御さんにとっては、気ぜわしくも感慨深い時期ですね。一緒に登園するのもあと少し。子どもの成長を喜ぶとともに、不安やさみしさを感じることもあるのではないでしょうか。
そこで今回から、小学校入学を控えたお子さんをお持ちの保護者の方に、ぜひ知っておいていただきたいことをまとめた【入学準備特集】をお届けします。第1回は、防犯の基本である「知らない人」を子どもに正しく教える方法についてお話しましょう。
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▼ 入学前に教えておきたい「外出時の防犯ポイント」 小学校にあがると、保護者が付き添う場面が減り、目が届かない時間も多くなります。同時に、子どもの行動エリアもグンと広がります。通学はもちろん、習い事や学童保育に通ったり、お友達の家に遊びに行ったりすることもあるでしょう。入学前のこの時期は、外出時の注意点や防犯対策について、いよいよ本格的に話し合うタイミングだと言えるかもしれません。
今回お話しする「知らない人」とはどんな人なのかを理解させることは、まずお子さんに身につけてほしい知識のひとつ。どのご家庭でも、普段から「知らない人についていってはダメよ!」「モノをもらってはいけないよ」と注意していることと思いますが、お子さんがそれを正しく理解しているかどうか、確かめたことはあるでしょうか。
いざ子どもがそういう場面に直面したとき、間違った判断をしないよう、なるべくわかりやすく話すこと。そして、一方的に言い聞かせるのではなく、子どもとコミュニケーションをとりながら理解を深めることも、防犯教育のポイントです。
▼ 「知らない人」ってどんな人?
子どもに「"知らない人"ってどんな人だと思う?」と聞くと、曖昧な答えが返ってくることが多々あります。近所で何度か見かけたことがある人や、挨拶をしてきた人を、「知っている人」だと判断してしまうこともあるようです。顔を見たことがあるからといって、モノをもらったり、無防備についていったりするのは、大変危険なことです。もっと具体的に例を出しながら「知らない人」を伝えましょう。
<こんな人は「知らない人」>
□ 見たことがない人
□ 名前を知らない人
□ 住んでいるところを知らない人
□ お父さん、お母さんが知らない人<さらに具体的に...こんな人も「知らない人」>
□ 通学路でよく挨拶をするが、名前や住んでいるところを知らない人
□ 近所でよく犬の散歩をしているが、名前を知らない人
□ よく行くスーパーで働いているが、お母さんの知り合いではない人お子さんには、具体例を出しながら「こんな人は"知っている人"かな?"知らない人"かな?」と訊ねてみましょう。間違っていても、すぐには否定せず「それで大丈夫?」「ほかには?」と質問を繰り返して考えさせます。
明確な定義をすること、具体例をあげること、そして子どもに考えさせること。これを繰り返すことで、危機回避能力が高まります。すぐに答えを教えるのではなく、ときには根気よく見守ることも、子どもの成長にとって大切なことです。
▼ 「知らない人」に話しかけられたらどうする?
では、「知らない人」に話しかけられたり、なにか聞かれたりしたら、どうしたらいいのでしょう。以前、「気をつけて!子どもを誘う言葉は巧妙化しています」という記事でご紹介しましたが、最近は中高生でも判断が難しいような誘い文句で、子どもに話しかけるケースが見受けられます。「おはよう!」「車に気をつけて」と声をかけるだけなら、子どもを見守ってくれている人の可能性が高いと思いますが、「○○小の1年生?」などと返事を求める問いかけをしてくる人には、警戒が必要です。
まだお子さんが小さいうちは、「何か聞かれても答えなくていいよ、変だと思ったら逃げなさい」と教えていいと思います。たとえ道を尋ねられただけだとしても、小さな子どもにそのようなことを聞くこと自体が不自然です。
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子どもに話しかけるのは、本当に子どもが好きな人がほとんどだと思いますが、中には子ども好きを装って、近寄ってくる大人がいることを忘れてはいけません。悲しいことですが、信用できる人物かどうかは、見た目だけでは大人にも判断することが難しいものです。子どもが自分で状況を判断して、臨機応変な対応ができるまで成長するには、長い時間がかかります。最初のうちは、なるべくシンプルに、大切なことを伝えましょう。そして、しっかりと身につくまで繰り返し言い聞かせることが大切です。
2011.02.15