河川に最も注意!子どもの水難事故の防ぎ方
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セコムの舟生です。
「暑いですね~」の言葉があいさつ代わりになるほど、厳しい暑さが続いていますね。この時季にとくに注意したいのは、熱中症、水の事故、そして食中毒です。
食中毒と聞くと飲食店での食事を連想するかもしれませんが、実は家庭での調理でも発生しています。軽症の場合、おなかが痛くても夏風邪や寝冷えと思い込んで気づかないことも多いそうです。
気温と湿度が高い夏、「こまめな手洗い」「包丁やまな板などの殺菌・消毒」「食品の管理」に気をつけて食中毒の予防に心がけたいですね。さて今回は、警察庁生活安全局地域課が発表した『平成19年中における水難の概況』をもとに「子供の水難事故」について、みなさんと一緒に考えたいと思います。
*子供は「河川」での死亡事故の割合が高い
子供の水死事故を場所別にみると河川が54.9%、海が20.7%で、この2カ所で70%を超えます。一方、大人を含めた場合の場所別水死者数の割合は海が54.5%、河川が29.7%と海での水死事故が多くなります。このように、子供の水死事故は河川が多いのが特徴です。プールでは、「監視員が常駐している」「面積・水深などが一定である」「気象状況や自然環境の変化にあまり左右されない」などの条件により、死亡事故の割合は7.3%と、河川・海・池沼地などと比べて少なくなっていますが、ちょっとした隙に事故は繰り返し起きており、油断は禁物です。
意外に多いのが、プールサイドでの転倒によるけがです。水でぬれているため、滑りやすくなっています。こどもには、プールサイドでは走らないように注意をして、子供を抱いて歩いている保護者の方々も気をつけてください。
*「水遊び」をしている時が要注意
どのような場面で事故が起きているかを探っていくと、子供の場合、水遊びをしている時が41.5%も占め、年々高くなっていることがわかります。2番目である水泳中の死者数17.1%と比べても倍以上になっていることがわかります。水泳はある程度の水深が必要になりますが、水遊びは比較的浅いところで行うことが多いと思います。それにもかかわらず、4割強の子供が"水遊び時"に命を落としています。
これはなぜでしょうか?
以前「夏休みの注意事項」にも書きましたが、水深が10数センチの深さでも溺れる危険性があります。「川岸で遊んでいるのはわかっているから」「声が聞こえるから安心」と目を離している間が危ないのです。キャンプ・バーベキュー中は特に、子供たちが遊んでいる間に...と、ついつい大人達は準備・片付けに集中したくなりますが、要注意です。交代制で子供の面倒係を作るなどしたほうがよいでしょう。
一方、大人を含めた「行為別水死者数」の割合では、魚とり・釣りが33.3%、通行中が15.6%となっており、足を滑らせて転落し事故に遭うケースが多いようです。
*水難事故を未然に防ぐには
これらの水難事故を未然に防ぐためには、幼児や泳げない学童などが水遊びをする時は、保護責任者または保護者に代わる監護者が付き添い(学校や地域のプールなど、規則がある場合はそれに準じます) 、絶対に目を離さないこと。転落などの心配がない場所で行い、できればライフジャケットを着用すること。川や海で泳ぐ時には、水温の変化や水流の激しい場所などをあらかじめ調べておくことなどが大切です。しかし、下調べをしたから大丈夫!ここは慣れているから!と言って過信することは絶対にいけません。当たり前のことですが、川には流れがあります。また、周囲の自然環境や気象状況の変化によって川の状態は大きく変化します。
また、海での水難は、そのほとんどが海水浴場等以外の遊泳等で亡くなっています。水面は平らで穏やかでも水中は複雑なことが多く、深みや急な潮の流れがある場所もあります。
暑い夏に水場で遊ぶことは大変楽しいことですが、悲しい事故は毎年繰り返されています。水の危険性をよく認識し、十分な準備をして楽しく夏をすごしてください。
2008.08.13