インターネット・デビューが低年齢化 ~インターネット・注意ポイントのおさらい~
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セコムの舟生です。
今年のカレンダーも残りあと1枚となりました。これから年越しに向けてなにかと忙しくなってきます。こんなときこそ、子供たちにもお手伝いをしてもらいましょう。食事前にテーブルの上を拭いてもらう、郵便受けから新聞を持ってきてもらう、など、子供でもできる「おうちのお手伝い」はいろいろありますね。
さて、今回は子供のインターネット利用についてのおさらいです。
以前、子供の携帯電話・インターネット利用の事情に詳しい、群馬大学社会情報学部 大学院 下田博次教授に子供の携帯電話によるインターネット利用について、特に、中高生で流行している学校裏サイトやプロフなどから派生する様々な問題点について話を伺いました。
小さなお子さんを持つ保護者のみなさんには、まだまだ先の話のような気がするかもしれませんが、最近では小学生の頃から携帯電話やパソコンに触れる子供が増えているのが現実です。
内閣府の調査では、小学生の約半数の児童がインターネット利用を経験したことがあるという結果が出ており、確実にインターネット・デビューの低年齢化が進んでいます。
小さいころからインターネットに慣れ親しんで成長すれば、インターネットを介したコミュニケーションはごく当たり前のこととして受け入れられるでしょう。しかし、有害サイトや出会い系サイトなど、子供には見せたくない、アクセスさせたくない世界がすぐそばに広がっているのがインターネットです。出会い系サイトなどを通じて言葉巧みに誘い出され、未成年者がトラブルに巻き込まれるケースがあとを絶ちませんし、犯罪者が子供を装って掲示板などに参加し、子供たちと接触するような手口もあります。親の想像を超える世界が、インターネットの裏には潜んでいると考えてください。親はその危険性をしっかりと認識することが大切です。
ただし、単に携帯電話を取り上げたり、頭ごなしに利用を禁止するだけでは、よい解決法とは言えません。以下のポイントを読み、携帯電話を利用する上でのルールや危険性を、しっかりと親子で話し合いましょう b(⌒o⌒)
1) 遮断する ~フィルタリングサービスを活用する~
フィルタリングサービスとは、インターネット上で子供にとって好ましくない情報へのアクセスを制限するサービスです。パソコンの場合、多くのプロバイダーが無料または有料でフィルタリングサービスを提供していますし、フィルタリングソフトも市販されています。
携帯電話の場合、各キャリアでアクセス制限サービスを提供しています。各社から「子供向け携帯電話」というものが発売されており、これははじめから有害サイトにはアクセスできないと勘違いされている保護者の方も多いようです。しかし、なんの対策も施さなければ、出会い系、自殺指南、児童・ポルノサイト、麻薬など、子供に有害な様々なサイトに、ほとんどの子供向け携帯電話から自由にアクセスすることができてしまいます。
アクセス制限サービスには、たいてい、・携帯電話会社の一部のページ(サービスメニューや料金照会など)などを除き、一般サイトへのアクセスをできないようにするもの
・出会い系サイト、アダルトサイト、ギャンブルサイトなど青少年に有害なサイトへのアクセスを一律で制限するもの
の二種類があります。また、フィルタリング機能と併せて、夜間・早朝の時間帯にインターネット利用を停止するサービスを提供している会社もあります。
フィルタリングサービスは基本的に無料オプションですので、利用者が契約時点で各携帯電話会社に申し込む必要があります。各社とも、簡単に申し込めるようになっていますので、子供の年齢にあったレベルのサービスをぜひ申し込んでください。
2) 親子で話し合う ~ルールを決める・ルールを守る~
パソコン、携帯電話でアクセス制限ができることは知っていても、実際には利用していないご家庭が多いようです。しかし、子供の安全を第一に考えるなら、やはりアクセス制限は非常に有効な手段です。中学生のお子さんを持つお母さんからこんな話を聞きました。
>「下田教授と舟生さんの対談を読んで、子供(中学3年)と携帯電話のインターネット利用について話をしました。しかし、子供はアクセス制限を付けたがりませんでした。理由は無料のオンラインゲームが出来なくなるからとか...。そこでどんな危険があるのかを話し合い "夜は自室に携帯電話を持っていかない""困ったこと、トラブルがあったらスグに親に話す""出会い系・アダルトサイトにはアクセスしない""約束を破ったら携帯電話を没収する" という4つのルールを家族で決めました」
携帯電話にしてもパソコンの利用にしても、親子で話し合って約束事を決め、それを守らせることが大切です。まず、何を目的として携帯電話やインターネットを利用するのかを考え、そのために必要な機能・条件についてもう一度見直してみてください。たとえば、携帯電話が連絡手段として必要だというのであれば、インターネット接続機能は必要ないはずです。
出会い系サイトにまつわる事件の報道を聞きますね。「自分は大丈夫」「自分の子供は大丈夫」と思っている人でも、ちょっとした油断や友達に誘われたりしたときに犯罪に巻き込まれる危険は十分に考えられます。2003年に施行された出会い系サイト規制法第4条には、「児童の保護者は、児童によるインターネット異性紹介事業(出会い系サイト)の利用を防止するために、必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と、保護者の責務が書かれています。
警視庁 サイバー犯罪対策のホームページでは、出会い系サイトの危険性について事件例を基にした解説や身を守るためのルールなどがわかりやすく書かれています。
参考 ⇒ 警視庁:あぶない! 出会い系サイト出会い系サイトで犯罪に巻き込まれる被害者の大半は中高生です。小学生のお子さんを持つご家庭ではまだ先の話...と考えがちですが、インターネット・デビューが低年齢化しているなか、まったく無関係な話とは片付けられません。
パソコンや携帯電話でのインターネット利用について、ぜひ、家族で話題にしてみましょう。
2007.12.06