乾燥注意、火の用心!子どもを火災から守るために
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セコムの舟生です。
空気が乾燥した日が続いていますね。
この時期、増えるのが火災事故。
例年2月~3月にかけては、火災発生件数が多くなります。
子どもが逃げ遅れる不幸な火災事故も起きていますので、お子さんがいるご家庭では十分な注意が必要です。
火災の原因になりやすいものの管理や、火災を防ぐための対策をまとめます。
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▼ 取り扱いに注意が必要な暖房器具
暖房器具による火災のうち、原因の多くを占めるのが実は「電気ストーブ」。
電気を熱源にしており、直接火を使っていないので比較的火災のリスクが低いと考えられがちですが、間違った使い方をすると、出火することがあります。
東京消防庁の統計「平成29年版 火災の実態」によると、ストーブ火災の76%が「電気ストーブ」でした。
火を使わない電気ストーブへの危険意識の低さからか、留守番中の子どもに電気ストーブを使わせるご家庭も多いようです。
電気ストーブは高い熱を発しますので、近くに燃えやすいものがあれば発火します。
衣類や布団、新聞紙や雑誌、学習机やイスなどの家具...ご家庭内に燃えやすいものはたくさんあります。
冬場は乾燥しているので、発火すればあっという間に大きな火災になってしまいます。
使用する際は燃えやすいものが近くにない、安全な空間に置くことが大事。
勉強中のお子さんの足元を温めたり、遊んでいるお子さんのすぐそばで使ったりすることはありませんか。
お子さんには、近づきすぎないようよく言い聞かせ、そばを離れるときはこまめにスイッチをオフにするよう伝えてください。
また、エアコンやこたつなどの暖房器具にも火災の危険性はあります。
コンセントとプラグの隙間にほこりがたまっていると、発火する恐れがあります。
エアコンはプラグを挿しっぱなしにしていることが多いと思いますが、定期的にほこりを除去したほうが安全です。
また、製品が古くなったり壊れたりすると、使用中に突然ショートする恐れもあります。
お子さんがいるご家庭では、特に注意したいですね。
日ごろよく使っている暖房器具は、安全管理や定期点検も怠らないようにしてください。
▼ 珍しいことではない「スプレー缶」が原因の火災
スプレー缶やカセットボンベによる火災事故も、暖房器具や卓上コンロを使用する冬場に多く発生しています。
可燃性のガスが使用されていますので、近隣の建物や通行人に影響を及ぼすほど衝撃が大きい爆発事故が起きる恐れがあります。
昨年末、密閉された室内で大量のスプレー缶のガス抜きをして大爆発が起きた事故が報じられたのは、記憶に新しいのではないでしょうか。
また、火を使って調理中の厨房で、近くに置いてあったカセットボンベが突然爆発する事故もありました。
暖房器具の前や、台所のガステーブルの横など、高温になる場所や火を使用する場所にスプレー缶やカセットボンベを放置すると、熱せられて破裂する可能性があります。
また、スプレー缶を噴射すると一緒にガスも排出されますので、近くに火があれば引火してしまいます。
スプレー缶は、ヘアスプレー、消臭除菌スプレー、住居掃除用のクリーナー、制汗スプレーや殺虫剤など、私たちの身の回りにたくさんありますね。
また、鍋料理などでカセットボンベを使う機会もあると思います。
使用する場所や保管場所には十分注意して、お子さんにも危険性をしっかり話しましょう。
▼ 「火遊び火災」と「放火」を防ぐには?
子どもは火に対する関心が強いので、火遊び火災についても、対策を考えておかなくてはなりません。
火遊び火災は、大人が不在のときや人目につきにくい場所で発生することが多いので、発見が遅れて火災が大きくなることも考えられます。
「うちの子はそんなことしない」と思うかもしれませんが、子どもの衝動は突然です。
誰もいないとき、目の前にライターやマッチがあれば、「ちょっと火をつけてみよう」と思ってもおかしくはありません。
子どもに使わないよう言い聞かせるより、見えるところに放置しないことのほうが重要です。
火気の管理は保護者の責任と心得て、子どもから見つからない場所、手が届かない場所に保管するようにしてください。
また、出火原因で多いのは、「放火(放火の疑いも含む)」です。
消防庁の統計によると、2017年には放火による火災が3528件、放火が疑われる火災が2305件も発生しました。
閑静な住宅街が狙われるケースも少なくありませんので、対策が欠かせません。
狙われないためにも家のまわりをいつも整理整頓し、家庭ゴミやダンボールなど燃えやすいものを置きっぱなしにしないようにしましょう。
集合住宅の場合も、廊下や階段など共用部分にはものを置かないほうが安全です。
住居のまわりに放火につながるリスクがないか、お子さんと一緒にチェックしてみてくださいね。
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灯油ストーブを使用するご家庭では、火災だけではなく灯油の管理にも注意が必要です。
小さなお子さんが灯油を誤飲する事故もたびたび発生しています。
・床に置いていた給油タンクのフタをなめてしまった
・立てかけていた灯油ポンプを口にいれてしまった
などの事故も起きています。
また、灯油は揮発するため、蒸気に引火することがあり、こぼれたりはねたりした灯油を放置するのは危険です。
お子さんの思わぬ誤飲事故や火災事故を防ぐためにも、灯油の使用には十分に注意してください。2019.02.07