東日本大震災から6年...子どもを守るための地震対策とは
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セコムの舟生です。
2011年3月11日に発生した東日本大震災。
間もなく6年が過ぎようとしています。
復興が進む中、いまでも不自由な生活を強いられている方々も多くいらっしゃいます。
また、大切な方を失われた悲しみは、何年たっても言葉では言い表せないものでしょう。
被災された皆さまとご家族の方々に、あらためて心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
過去の震災の教えから、いつやってくるかわからない地震への備えを見直すことも大事です。
「どんなことがあっても、子どもを守りたい」
子を持つ親なら誰もが思うことですが、いざ地震が発生したとき、どうすればお子さんを守れるのでしょうか。
今回は、子どもを守るための地震対策についてまとめます。
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▼ 「地震が起きたらどうする?」を子どもに具体的に教える
大きな揺れを感じたときや、緊急地震速報を聞いたときは、何よりもまず「身を守る」行動を取るよう、お子さんに教えてください。
<室内にいるときの行動>
・防災頭巾、クッションや雑誌などで頭を守る
・机やテーブルの下などに入り、動かないよう脚をつかむ
・家具や大型の家電製品、窓ガラスやガラス扉から離れる
<屋外にいるときの行動>
・建物や塀、電柱や電信柱など、倒れてくる恐れがあるものから離れる
・揺れている間はしゃがんで体を低くし、かばんや両手で頭を守る
命を守るためには、まず頭を防御することが大事です。
室内では、上からものが落ちてきたり、家具が倒れてきたりすることが考えられます。
屋外だと、建物や塀、電柱などが倒れたり、看板や割れた窓ガラスが落ちてきたりする危険もあります。
落下物や倒れてきたものがぶつからない安全な場所で、揺れが収まるまで頭を守りながらじっとしていましょう。
避難行動は揺れが収まってから。
慌てて飛び出したり、動き回ったりしないように、お子さんに教えてください。
自宅にいるときに地震が発生すると、つい火の元や出口の確保などが気なりますが、それらはすべて揺れが収まってからすべき行動です。
揺れが収まったら、テレビやラジオで防災情報や避難情報などで地域の状況を確認し、その後どうすればいいかを見極めましょう。
お子さんの命を守るためにも、保護者の方が落ち着いて安全な対応ができるようにしておきたいですね。
▼ いざというときの「連絡手段」を家族で話し合う
平日の日中に地震が発生すると、子どもは学校、親は会社など、家族がバラバラな場所にいることも考えられます。
東日本大震災のときは、ちょうど子どもの下校時間に重なったため、多くの混乱が生じました。
「学校からの連絡手段は?」「子どもとの連絡手段は?」など、いざというとき子どもの居場所と安否が確認できる方法を準備しておきましょう。
震災時には、学校からの一斉メールや電話連絡網は機能しないことも考えられます。
その場合、どのタイミングで引き取りに行けばいいのか、すぐに迎えに行けないときはどうしたらいいのかなど、気になることがあれば学校側に聞いておいたほうがいいでしょう。
災害用伝言サービス「171番」や、インターネットの災害用伝言掲示板「web171」は、災害で通常回線がつながりにくいときだけ提供される回線です。また、各キャリアも災害時の安否確認手段を用意しています。携帯電話やスマホを使っているお子さんには、いつも使っている通話やメール以外の連絡方法を教えておくと安心ですね。
また、「家から離れるときは玄関にメモを貼る」「近所の○○さんに伝言を頼む」など、電話やインターネットに頼らない手段についても話し合って、家族で共通認識を持っておくようにしましょう。
子どもと離れた場所で被災したら、保護者が迎えに行くのが鉄則。
子どもだけで帰宅しようとしたり、親を探し回ったりすると、かえって危険です。
「近くにいる大人の指示に従うんだよ」「○○ちゃんがどこにいても、お父さんかお母さんが絶対に迎えに行くから大丈夫」と伝えてあげてください。
▼ 「地震の備え」を先送りにしない
大地震はいつどこで発生するのか、誰にもわかりません。
防災や減災の備えは、「そのうちやろう」ではなく「いまやっておこう」という意識を持つことが大切です。
□ 家具は、万が一倒れても被害が少ない向き、配置にする
□ 家具の転倒を防ぐ器具を取り付ける(緩みがないか定期的に点検)
□ ガラス飛散を防止するフィルムを貼る
□ 引き出しや開き戸にはストッパーをつける
□ すぐ届く場所に消火器を置く
□ 備蓄品は3日分くらい用意する(消費期限もチェック)
□ 非常用持ち出し袋を点検して、すぐに手の届く場所に置く
備蓄品や非常用持ち出し袋は、定期的にチェックが必要です。
お子さんの成長に合わせて、食料や水は足りているか、新たに必要になったものはないかを考えてみてくださいね。
わざわざ非常用に購入するのは大変なので、缶詰やレトルト食品、乾物類などを日ごろから少し多めに購入してストックしておいてはいかがでしょうか。
古いものから消費して補充しておけば、備蓄品としていざというとき活躍します。
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大地震が発生したときに何が脅威になるかは、お住まいの地域によっても異なります。
津波の被害が及ぶ恐れがある場所、地盤の弱い場所や山崩れが起きやすい場所など、お子さんの行動範囲に危険な場所がある場合は、いざというときに逃げる方向や避難場所についても教えておいてください。
日ごろから折に触れて「もしもここで地震が起きたら」を話し合っておくと、お子さんの防災意識も高まるのではないでしょうか。2017.03.02