留守番時に注意したい家庭内の火気
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セコムの舟生です。
秋の深まりとともに、空気が乾燥してきています。
先日は、2014年冬シーズンのインフルエンザについて、傾向をお話しました。
湿度が低くなると、感染力が強まりますので、お子さんの健康管理には十分注意したいですね。空気が乾燥する秋から冬にかけては、火災も発生しやすくなります。
ご家庭でも、そのことも念頭に置きながら、火気の管理をおこなっていますか?
特に、放課後お子さんが留守番しているお宅では、しっかりとした対策が必要です今回は、子どもの留守番時の火災を防ぐために、過去に起きた火遊び火災の統計などを振り返りながら、安全対策をまとめていきます。
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▼ 子どもが留守番中に火災に巻き込まれる原因は?
子どもの留守番時には、ガスの元栓を閉めるといった対策をしているご家庭も多いかと思います。
しかし、火元として注意したいのはガスコンロだけではありません。ライターやマッチなどを子どもの目につく場所に置いていませんか?
引き出しや棚の中などにしまっていても、そこに入っていることを子どもが知っていれば、留守番中は子どもが手に取ることができるということになります。子どもは火への関心が強いものです。
「火をつけてみたい」という衝動は、子どもとしてごく当たり前のことで、もし手の届く場所に火気があれば、大人の目が届かない時を狙って、マッチをすってみたり、ライターで紙片を燃やしてみたりといった行動をしても不思議ではありません。子どもの留守番中の火災を防ぐため、ライターやマッチなど、火をつけられるものすべての保管場所をチェックしてください。
▼ 男児に多い火遊び火災。原因は「ライター」が大半
東京消防庁管内では、2008年~2012年までの5年間で、12歳以下の子どもの火遊びに起因する火災が262件発生しています。時間帯は放課後の午後4時~午後5時が多くなっています。
火遊びをした子どもの性別は、男児が236件、女児は26件と、男児が圧倒的に多いのが特徴です。
年齢で見ると、9歳が最も多く、次いで12歳。
未就学・低学年よりも中・高学年のほうが多くなっています。また、発火源として最も多いのは「ライター」で177件。
第2位の「マッチ」が34件ですので、ライターが際立って多いことがわかります。子どもが簡単に着火できないチャイルドレジスタンス(CR)機能のライターが義務化されて以来、ライターが発火源になった件数は減少傾向です。しかし、着火する方法を知っていれば、子どもでもCRライターで火をつけることは不可能ではありません。
▼ 子どもの火への関心にどう対処するか?
ライターやマッチなどの火をつけられるものは、子どもの目に触れない、手の届かない場所で厳重に管理することが大事です。
また、火の恐ろしさについても、日頃から子どもに何度でも繰り返し教える必要があります。興味本位でマッチやライターで遊ばないことや、もし火災になったら家や命さえ失うことがあるということを、きちんと伝えてください。
家庭内だけでは、口で伝える以外での防火教育がなかなか難しいかもしれません。消防訓練に家族で参加すると知識として子どもに定着するはずです。
火の危険性を伝える一方で、正しい火の扱い方や、火の便利さも伝えていく必要があります。
キャンプなどでマッチの使い方を覚えたりする機会に触れることも大事です。
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今回は、子どもの火遊びを中心にお話しましたが、火災の出火原因で最も多いのは、「放火」です。昨年だけでも放火が原因で起きた火災は5093件あります。お子さんの留守番中に万が一のことがないよう、家の周辺に燃えやすいものを置かないようにすることも、火災が起きやすい季節の重要な安全対策です。
また、これから寒くなるにつれて、暖房器具による火災も心配されます。
留守番中に使わせる暖房機器についても、きちんと考えておく必要があります。最も火災が多い暖房器具はストーブ。
灯油を使用するものだけではなく、電気ストーブが燃えやすいものに接触して発火する場合もあります。火災が増える季節に備えて、親子でよく話し合ってみましょう。
2014.11.06