[緊急提言]子どもの好奇心がまねく惨事...ライター火災はなくせるか
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セコムの舟生です。
3月1日(土)から3月7日(金)までは「春季全国火災予防運動」実施期間です。
冬の終わりから春にかけては、暖房器具による火災が多くなります。
ひと冬使用して、取り扱いに慣れたことによる油断も、その原因に挙げられるそうです。
この機会に、火気を取り扱う際の注意を再確認し、親子で火災予防について話し合っていただきたいと思います。
子どもの安全NEWSでも取り上げましたが、今月は、子どものちょっとした好奇心がきっかけになった火災が立て続けに起きました。
2月初旬には、大阪で、トースターに入れた積み木が原因と見られる火災で5歳の女児が死亡。
2月中旬には、千葉で、1歳から6歳までの幼いきょうだいが留守番をしていた民家で火災がおき、3歳男児が意識不明の重体になりました。
トースター火災のケースでは、普段から女児がトースターに積み木を入れて遊んでいたことがわかっています。また千葉のケースでは、日ごろ子どもたちがライターで遊ぶ姿が目撃されていたそうです。
幼い子どもが犠牲になった火災。
「どうなるだろう」「もっと見たい」という子どもの好奇心が、このような結果につながってしまったことに心が痛みます。
こうした火災は、幼いお子さんがいるご家庭ならどこでも起きる可能性があります。
今回は、大人が注意すべきポイント、子どもの火遊びによる火災を予防するためにできることをお話したいと思います。
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▼ 子どもが簡単に操作できる家電品は要注意!
トースターに入れた積み木が出火原因となった火災。
トースターは、一般には焼き時間をセットするだけで作動するシンプルな家電製品です。手軽である一方で、子どもでも簡単に操作できてしまうという恐ろしさがあります。
しかし、テーブルの上やレンジ台の近くなど、子どもが手を伸ばせば届いてしまうような場所に設置しているご家庭が多いのではないでしょうか。
このような火災を防ぐためにできることは、限られています。
(1) 使用しないときはコンセントを抜く
(2) 子どもの手が届かないところに置く
(3) 子どものおもちゃにさせない
一番大事なのは(3)。
「やってはいけないこと」は、小さな子でも繰り返し話して聞かせれば理解します。場合によっては、厳しい口調で伝えることも大事です。
火災は命に関わることです。
それだけの気迫を持って、親御さんが子どもに向きあい、しっかりと何度でも言い聞かせてください。
▼ 子どものライター火災予防は大人の管理が最重要
子どもの火遊びが原因の火災では、ライター火災が最も多くなっています。
子どもがライターを使用して出火した場合、5歳未満の幼児が逃げ遅れて死傷するケースが圧倒的に多いのが特徴です。
家庭内のライター火災ですと、テーブルに置き忘れたライターを子どもがいたずらし、カーテンに着火。火災になった例などが消費者庁に報告されています。
家の中だけではなく、車の中に無造作に置いていたライターを子どもが手に取り、やけどをしたケースもあります。
子どもは大人のまねをします。
特に火に対する興味関心が強いものです。「さわっちゃだめ」というだけでは、不十分です。
(1) ライターは子どもの手の届かない場所にきちんと保管する
(2) どのような場合でも子どもにライターを触らせない(「持ってきて」などもNG)
(3) 不要なライターはきちんと処理して捨てる
(4) チャイルドレジスタンス機能付きのライターに変える
家の中でライターがどこにあるのか、もう一度、確認してみてください。
引出しの中など、一見子どもの目につかなそうな場所でも、子どもの手が届くようなら場所を変えたほうが安全です。また、幼いお子さんがいるご家庭で、チャイルドレジスタンス機能のないライターがあるようでしたら、速やかに安全なものに変えることをおすすめします。
捨てるときは、換気の良い場所でしっかりとガス抜きをおこなってから、各自治体のルールに従って処分してください。子どもが拾ってしまう可能性も考えておかなくてはなりません。
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子どもに火の恐ろしさを伝えることは、とても大事なことです。
小さなライターの火でも、家を燃えつくしてしまうことがあるということを、折に触れて伝えましょう。
火の危険が理解できるようになったら、正しい火の使い方、万が一の対処方法も教えてあげてください。
子どもが命を落とすケースの多くでは、親に怒られることを恐れて自分で何とかしようとして、それが逃げ遅れる原因になっていると考えられます。何をおいても命を最優先することを、よく言い聞かせてくださいね。
火災につながる危険な遊びをしていたときは、すぐにやめさせること。
どんな場合でも見逃さず、危険の芽を摘み取ることが大事です。2014.02.27