備える心構えが大切!新型インフルエンザ最新情報
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セコムの舟生です。
昨年12月頃まで連日のように新型インフルエンザについて報道されていましたが、このところニュースなどではあまり話題には上らなくなりました。お子さんの幼稚園・学校では、休んでいるお友達の数は減っていますか?すっかり流行は過ぎ去った感がありますが、実際の状況はどうなのでしょうか。
今回は、新型インフルエンザの最近の情報と感染予防対策についてお話します。
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■ 新型インフルエンザの最新情報 2月10日、厚生労働省の発表によれば、2月1日~2月7日の一週間に全国の医療機関を受診したインフルエンザ患者数は推計22万人。そのほとんどが新型インフルエンザだそうです。患者数は減少しているものの、未だにこれだけ多くの人がインフルエンザを発症しているのが現状です。また、これまでの統計によると、昨年の12月中旬までに国民の8人に1人が新型インフルエンザで医療機関を受診したと推定されています。今回の新型インフルエンザが大流行であったことが伺えます。過去のインフルエンザの流行では、一度流行が終息したあとにも再流行することがあり、今回の新型インフルエンザにおいても、今後再流行する可能性はあるのです。
■ 新型インフルエンザワクチン接種について
昨年の11月頃から優先順位をつけて開始された新型インフルエンザのワクチン接種ですが、現在では、各都道府県で健康な成人の方への予防接種が始まっています。詳しくは厚生労働省のサイトでご確認ください。流行のピークは過ぎたと見られていますが、今後再流行が起こる可能性もあり、新型インフルエンザウイルスの接種はその備えにもなります。ただし、新型インフルエンザの予防接種をしたからといって、感染を完全に防ぐことはできません。予防接種は、感染してしまったときの発症を防ぎ、症状を軽くおさえるという効果を期待するものなのです。効果はすぐに表れるものではなく、接種2週間後からみられ、5カ月ほど効果が持続するとされています。なお、ワクチンを接種することで副反応として局所反応(発赤、はれなど)、全身反応(発熱など)が表れることがありますが、通常2~3日でおさまります。また、まれに重大な副反応を起こすことが報告されています。予防接種を受ける前にはこれらの点をよく理解したうえ、接種を受けるようにしましょう。
新型インフルエンザの特徴やワクチンに関するQ&Aが厚生労働省のサイトに掲載されていますので、参考にしてみてください。
■ 新型インフルエンザは怖くない?
今までのところ、新型インフルエンザに感染しても多くの人は軽症で回復しています。しかし、持病がある方・妊婦・乳幼児・高齢者については重症化することがあるので十分な注意が必要です。また健康な人であってもまれに重症化することもありますので油断は禁物。容体の変化に注意してください。子供の場合、次のような症状のときには、医療機関に電話で症状を伝え、受診方法を確認したうえで早めに医師の診察を受けましょう。
・呼吸が速い、息苦しそうにしている
・皮膚の色が青白い、土色
・水分をあまり摂れない
・落ち着きがない、遊ばない、反応が鈍い
・起きない、または他人と関わりたがらない
・インフルエンザのような症状が一度改善したが、再び表れ、熱と咳が悪化した
・発疹を伴う熱
・子供がイライラして、抱っこされたがらない
(国立感染症研究所、感染情報センター 新型インフルエンザQ&Aより)このような症状がある場合には、なるべく早く医療機関を受診しましょう。必要に応じて119番で救急車を呼ぶべきです。インフルエンザ様の症状があると診断されている場合には、必ずそのことを伝えてください。
■ おさらい・感染予防の基本について
厳しい寒さが続くと、体調を崩しやすくなります。インフルエンザの感染拡大を防ぐには一人ひとりの予防対策が肝心ですので、継続して行うようにしましょう。その予防策として、私たちがまっさきにできることは、手洗い・うがいの徹底です。また、マスクの着用も効果的でしょう。マスクの着用には感染の原因となる飛沫(ひまつ)を吸い込まない、出さない効果のほか、鼻や口を手で触れないようにするという3つの効果があります。今回、新型インフルエンザの影響で皆さんの予防意識が高まったためか、最近水ぼうそうなどほかの感染症発症数が少ないとの報告があります。日ごろからの予防が、感染症予防のために効果的であるということを示していますね。
手洗い・うがいは感染予防の基本です。お子さんは正しい手洗い・うがいの仕方とマスクの付け方ができていますか?お子さんともう一度確認し、正しい方法を教えてあげましょう。セコムでも手指消毒剤やうがい薬、マスクなどの新型インフルエンザ対策グッズを取り扱っています。
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「新型インフルエンザ」と呼ばれて昨年から猛威をふるった「豚由来の新型インフルエンザ(H1N1)」ですが、みなさんは「鳥インフルエンザ(H5N1)」をご存じでしょうか?現在は鳥から人への感染で、アジアやアフリカの一部の国で感染者が確認されていますが、特徴は強毒性のウイルスによる、驚異的な致死率の高さ。WHOの発表では、2003年11月~2010年2月17日までの感染確定数は478人。うち286人が亡くなりました。新型インフルエンザの流行ですっかり影を潜めてしまった鳥インフルエンザですが、未だおさまることなく感染が報告されています。鳥インフルエンザ(H5N1)が今回の豚インフルエンザのように人から人に感染するようになるのは時間の問題とされており、その被害は今回の新型インフルエンザより大きいと考えられています。セコムでは、鳥インフルエンザの大流行に備えて「鳥インフルエンザ(H5N1)対策情報サイト」を開設しています。現在流行している新型インフルエンザについても最新のニュースを掲載していますので、ぜひご覧ください。
この鳥インフルエンザ(H5N1)のほかにも、動物界にはさまざまなインフルエンザの型が存在しており、どれも人への感染が広がる可能性がある状態となっています。また、インフルエンザ治療薬のタミフルが効かないインフルエンザも報告されていることから、私たちは常に、新たなインフルエンザの脅威にさらされています。予防のためには、やはり日ごろから予防策を取っておくことが大切。新型インフルエンザの流行のピークが過ぎたからといって油断せず、手洗い・うがいなどの基本的な予防策をしっかりとしていきましょう。
2010.02.23