海・川・プールなどでの子どもの水難事故を防ぐポイント
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セコムの舟生です。
夏休みといえば、水辺のレジャーが楽しい季節。
海や川、プールなど、水とたわむれている子どもたちは本当に生き生きとしています。
親としては、そんな姿を眺めるのも嬉しいものですが、水辺には、ひとつ間違えば命が脅かされる危険がひそんでいることも忘れてはならないことです。
今年もいくつかの水難事故が発生しています。
今回は、最近発生した水難事故を振り返りながら、事故が発生する状況や事故を防ぐためのポイントをご紹介します。
お子さんの命を守るために、事故の防止を徹底しましょう。
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▼ プールの事故
・小1男児が市民プールでおぼれ、意識不明の重体。男児は50mプールで遊んでいる際に姿が見えなくなり、水深1.45mの水底に沈んでいるところを発見された(2017年7月 千葉県)
・プールで小2女児がおぼれ、意識不明の重体。女児は同級生と遊びに来ており、水深80cm~1.5mの50mプールで見つかった(2017年7月 埼玉県)
天候に左右されにくく、監視員のいるプールは、子どもにとって安全な場所と思われがち。
しかし、プールでは「突然おぼれる」事故が多く発生しています。
水の中では、思っている以上に体力を消耗しますので、突然足がつるなど、思いがけない体調変化が起こることがあります。泳げる子でも、安全や体調の変化に留意することが必要です。
また、過去には子どもがプール内の排水口に引き込まれて死亡する事故も起きています。
死亡事故を受けて全国のプールで安全対策を強化していますが、吸い込み防止金具の劣化などが原因で、事故が起きたケースもありますので、排水口に近づいたり、触れたりしないよう教えておきましょう。
<プールでの安全対策>
・体調が悪いとき、睡眠不足のとき、疲れているときは、プールに入らない
・お子さんから目を離さない。浮輪をしていても、浅い場所で遊んでいても、油断しない
・走ったり飛び込んだりしないようよく言い聞かせ、ルールを守って行動させる
・排水口や金網、金属部品など、プールの構造に関わる箇所に触らないよう教える
▼海や川の事故
・5歳男児が川でおぼれて死亡。男児は両親とともに遊びに来ており、現場はバーベキュー施設があり行楽客でにぎわっていた(2017年7月 東京都)
・3歳男児が川でおぼれ心肺停止。男児は父親の会社のグループ5世帯15人でバーベキューに来ており、目を離したすきに姿が見えなくなった(2017年4月 静岡県)
いずれの事故も、保護者の目が離れたわずかな間に事故が発生しています。
また、遊泳中の事故ではなく、水遊びをしていて事故が起きたケースが多いようです。
河原や海辺のバーベキューなどでも、水難事故のリスクは存在しています。
海や川など自然の水辺は、穏やかに見えても安全が約束されているわけではありません。
浅瀬でも足を取られて流されたり、波にさらわれたりすることがあるため、子どもだけで水に入らないよう、よく言い聞かせてください。
グループで遊びに来たときなどは「誰かが見ているだろう」という油断から、目が離れがちですので、事前に大人同士で話し合って、子どもの見守りを交代で確実に行うことが必要です。
<海や川での安全対策>
・天候が悪いとき、前日に天候が荒れた日などは、水辺に近づかない
・掲示板や標識で危険が示された場所には入らない
・保護者が先に危険箇所を確認し、安全な場所でお子さんを遊ばせる
・子どもが水遊びする場合は、必ず大人がそばに付き添う
・泳ぐ予定がなくても、ライフジャケットを身につけさせる
・いざというときすぐに使える救難用の浮具を用意しておく
▼身近な水辺の事故
・ため池に8歳の女児が転落し意識不明の重体。男児3人と遊んでいたが、誤ってため池に転落したと見られる。事故現場にフェンスはなく、近づくことができた(2017年8月 福岡県)
・小2男児が用水路に沈んでいるのが見つかり、死亡を確認。男児は近くの公園で友達と遊んでいる際に、ボールを取りに行って誤って用水路に転落したと見られる(2017年7月 福岡県)
住宅地でも、用水路やため池、公園の噴水など、子どもが興味を持つ水辺が存在しています。
たとえ小さな池でも、水際は濡れているために滑りやすく、子どもだけで近づくのは危険。
思いがけず水に落ちると、パニックになって立ち上がることもままならないことがあります。
しかし、子どもは水辺の危険を正しく理解していないことが多いようです。
ちょっとした好奇心から、近づいて水の中をのぞき込んだり、水に触れようと手を伸ばしたりして、転落するケースが見られます。
子どもの遊び場としては適切ではないので、近づかないように約束を徹底しなくてはなりません。
<身近な水辺での安全対策>
・子どもの行動範囲にある水辺を保護者が把握する
・「子どもだけで遊びに行ってはいけない場所」としてルールをつくる
・水の中にものを落としたときは、自分で取るのではなく、大人を呼ぶ
・保護者がいるときでも、水に近づきすぎないよう近くで見守る
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夏の暑さはまだしばらく続きます。
安全に水と親しむためには、お子さん自身が「やってはいけないこと」を理解することが肝心です。
水辺のレジャーの予定がある方は、親子でよく話し合ってから出かけるようにしてくださいね。2017.08.17