子どもの「窒息事故」を防止する方法
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セコムの舟生です。
「子どもの安全ニュース」でも取り上げましたが、屋外遊具での窒息事故が立て続けに起きました。
東京都の公園ですべり台に跳び縄がひっかかり、遊んでいた4歳女児が窒息した事故と、公園の遊具にランドセルがひっかかって、大阪府の小学1年の男児が窒息した事故。
いずれも公園の遊具で遊んでいて起きてしまった事故です。
また、家庭内でも不慮の窒息事故がたびたび発生しています。
乳幼児が食べ物やおもちゃをのどに詰まらせるなど、身近なものが事故の原因になることが多く、消費者庁などが繰り返し注意喚起を行っています。
子どもの周辺に潜む窒息事故のリスク。
不幸な事故を防ぐには、事故の原因を知って対策をすることが重要です。
窒息事故が起きやすい状況を理解し、対策を立てましょう。
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▼ 公園での窒息事故を防ぐには
公園などの屋外での窒息事故は、誤った遊び方をしたり、思わぬものがひっかかったりしたことが原因で発生しています。
お子さんの成長に応じた対策が求められます。
【幼児を「窒息事故」から守るポイント】
危険に対する認識がまだ十分ではなく、身体能力も未熟な幼児の場合は、何がきっかけで窒息事故が起きるか予測が困難です。
公園で遊ぶときは、保護者が目を配る必要があります。
小さなうちは、保護者の手が届かない高さの遊具は避けたほうが安全です。
【小学生を「窒息事故」から守るポイント】
冒険心や好奇心から、遊具で間違った遊び方をして窒息事故が起きることがあります。
小学生ともなると行動範囲は広がり、子どもたちだけで遊びに行くことが多くなるでしょう。
遊具の遊び方や危険行為について、あらかじめ教えておく必要があります。
また、荷物や身につけるものにも注意が必要です。斜めがけバッグやリュックサック、首から下げるストラップや水筒などは、必ず外してから遊ぶように、お子さんに教えましょう。
危険な遊び方をしているときには「それは危ないよ」と友だち同士で注意し合えるといいですね。
▼ 衣服や身の回り品の「ひも」に注意を
屋外で遊ぶときは、活動に適した服装をさせることも、事故防止のために重要です。
フードや飾りひもなどがひっかかり、窒息する事故が過去に何度か起きています。
【遊ぶときに注意が必要な服装】
・フードが付いたパーカー
・首まわりにひもがある服
・ダボッとしたサイズやデザインの服
・マフラーやスカーフ、ネックレスなど、首まわりにつける装飾品や防寒具
お子さんにいくら事故の危険を注意しても、遊びに夢中になると忘れてしまうことも少なくないと思います。
お子さん自身が遊び方を守り、危険な遊びをしないよう、自覚を持って行動するのはもちろん大事ですが、ひっかかる可能性がある服装をあらかじめ避けるのも大事なことです。
なるべくシンプルで動きやすく、ひっかかるものがない服装で遊ばせるようにしてください。
▼ 室内にある「ひも」が乳幼児の窒息の原因に
乳幼児の窒息事故が報告されているものとして、ブラインドのひもやカーテンのタッセルなどがあげられます。
お子さんの生活動線のなかにひも状のものはありませんか?
目線の高さに窒息の原因になるひも状のものがないか慎重に確認しましょう。
カーテンのタッセルは使わない、ブラインドひもは子どもの身長より高い位置に結んでまとめておくなどの対策が必要です。
窒息事故に配慮して、重みがかかると結束部分が外れるブラインドひももありますので、子どもの安全を考えた製品に変えることも検討してください。
▼ 乳幼児の窒息事故につながりやすいものは
乳幼児の窒息事故は、どこのご家庭にでもあるようなものが原因になっています。
東京消防庁によれば、乳幼児の場合、トイレットペーパーの芯(約3.9mm)を通るサイズのものなら窒息事故につながるおそれがあるそうです。
お子さんの手が届くところに窒息のおそれがあるものを置いていないか、遊んでいるおもちゃに誤飲のおそれがあるものは含まれていないか、もう一度ご自宅内を確認してみましょう。
万が一、窒息のおそれがあるものを口に入れているのを見かけても、大きな声をださないこと。
驚いて飲み込んでしまうことがありますので、なるべく落ち着いて対処することを心がけてくださいね。
また食べ物を詰まらせるケースも目立ちます。
窒息を起こしやすい食べ物は、小さく切る、柔らかく調理するなどして食べさせるようにしてください。
どんな食べ物でも口に含んだまま歩き回ったり、遊んだりしていると危険です。
あお向けに寝た状態も気管に食べ物が詰まりやすいので、きちんと座って、正しい姿勢で食べさせるようにしましょう。
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のどにものを詰まらせたときは、背中を叩いて吐き出させる「背部叩打法(はいぶこうだほう)」と「胸部突き上げ法」を交互に試みましょう。
「背部叩打法」は、椅子や太もものうえにうつ伏せにして、頭の位置が体より低くなる姿勢を保ちながら、肩甲骨と肩甲骨の間を数回、力強く叩いてください。
「胸部突き上げ法」は、体をあお向けにして太もものうえで片手に体を乗せ、後頭部を手のひらで支えます。その状態で胸部を数回圧迫します。
口のなかに異物が出てこなければ、再び交互に叩くことを繰り返します。
症状が改善されない場合は、直ちに119番通報しましょう。
窒息で心肺停止状態のときは、胸骨圧迫と人工呼吸を行うとともに、AEDを使用します。
さまざまな場所に備えられているので、お子さんの行動範囲にあるAEDの設置場所を把握しておきましょう。2017.02.23