ベビーカーの安全確保のために
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セコムの舟生です。
8月に入り夏本番と言ったところでしょうか。
お盆休みなどを利用してお出かけを計画しているご家庭もあると思います。
さて、今回のテーマは「ベビーカーの安全」です。
赤ちゃんを連れての外出には欠かせないベビーカー。
混雑した場所では、ベビーカーの扱いに十分な慎重さが求められます。
電車やバスなど、公共交通機関でのトラブルは特に心配です。
電車がベビーカーをドアに挟んだまま発車するという事故もありました。
行楽シーズンはどこも混雑しますので、いつも以上にお子さんの身の回りの安全確認を徹底してくださいね。
お子さんがケガをしないよう、"よくある事故"から、安全な使い方を学びましょう。
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▼ 事故やヒヤリハットが多い「ベビーカー」
東京都がまとめたヒヤリハットの調査では、ベビーカーのヒヤリハットが多く報告されています。
「抱っこひも」や「子ども乗せ自転車」よりも多い数値でした。
ヒヤリハット調査や消費者庁に寄せられた声から、ベビーカーでよくある事故を分類します。
<段差に引っ掛かる>
・歩行中、道路の段差に勢いよくベビーカーをぶつけてしまい、子どもが前のめりに落ちそうになった(1歳)
・自転車を避けようとしたら段差に引っ掛かり、ベビーカーごと転倒しそうになった(0歳)
・電車からホームに降りるとき段差に引っ掛かり、ベビーカーごと前方に回転するように転倒(1歳)
⇒ベビーカーを押しているときは、先の状況をよく見て、備えることが大事だということがよくわかります。
小さな段差でも、予測せずにぶつかるとベビーカーが転倒してしまうことがあり、ベルトをしていない状態だと、重大事故になることも考えられます。勢いがあるとなおのこと危険ですので、慌てて移動するのは避けましょう。
<ベルト未装着で落下>
・電車に乗り込もうとしたとき、子どもが立ち上がり転倒。電車とホームの隙間に落ちそうになった。ベルトをしていなかった(1歳)
・玄関で忘れ物に気づきベルトをせずに取りに戻った。数十秒の間に子どもが動いてベビーカーから落下(0歳)
・まだそれほど動ける月齢ではないと思い、ベルトを外した状態で自分がコートを脱いでいたら、前かがみになってそのまま前に落ちて顔面を打った(0歳)
・ベビーカーの肩ベルトをせずに座らせていて、ちょっと目を離したすきに前のめりになって石のベンチに顔面を強打(0歳)
⇒ベルトをしていないときの事故は、ヒヤリハットだけで済まないことが多いのが特徴です。また、0歳児の事故では「まだ動けないだろう」という保護者の油断も起因しているかもしれません。
歩けない月齢の子でも立ち上がってしまうことがありますし、立てなくてもずり落ちたり転げ落ちたりしてしまうこともあります。ベルトを正しく装着すること、わずかな時間でもベルトをしない状態で目を離さないことが大事です。
<指を挟む>
・ベビーカーから降ろして、そばにいるのは知っていたが手の位置まで見ておらず、ベビーカーをたたむ際に指を挟んでしまった(1歳)
・折りたたみの際に子どもの指を挟んでしまい、爪の中が内出血した(2歳)
・ベビーカーを折りたたむ間際に子どもがフレームの開閉部分を触り、挟んでしまった(1歳)
⇒すべてベビーカーを折りたたむときに発生した事故で、同様の事故報告はあとを絶ちません。ベビーカーから降ろしたお子さんがどこにいるか、ベビーカーに触れていないかを、毎回必ず確認することを習慣にする必要があります。
▼ ベビーカーを安全に使用するための注意点
頻繁に発生するベビーカーの事故を受け、国土交通省がベビーカーの安全な使用についてまとめています。ポイントをご紹介しますので、ベビーカーを使用するときは必ず守るようにしてください。
□ ベビーカーに乗せるときは必ずベルトを着用する
□ 段差や隙間に注意してベビーカーを押す
□ エスカレーターではベビーカーから子どもを降ろし、たたんで持つ
□ バスではストッパーをかけ、固定ベルトを使って進行方向後ろ向きに固定する
□ 電車への駆け込みはやめ、ゆとりを持って乗り込む
□ 止めている間はストッパーをかけ、電車やバスではハンドルに手を添えておく
東京都の調査では、ヒヤリハットを経験した保護者は、その原因として「保護者が目を離した」「子どもが予想しない行動をした」を多く挙げていました。
「これくらい大丈夫だろう」と思わないことがお子さんのケガを防ぐポイントのようです。
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またこの季節のベビーカーでの移動の際には、暑さにも注意が必要です。
以前、このブログで実験を行いましたが、ベビーカーは地面に近いため、地面の熱や照り返しの影響を受けやすく、非常に高温になります。
大人が感じている以上の暑さにお子さんがさらされていることを忘れないようにし、暑さ対策や熱中症対策にも留意してくださいね。2016.08.01