[クローズアップNEWS]頻発する幼児の事故、防ぐ方法は?
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セコムの舟生です。
「子どもの安全NEWS」で取り上げた事件・事故のなかから危険回避のヒントを見つける[クローズアップNEWS]。
今回のテーマは、「幼児の事故」です。
なかでも車との接触事故、水難事故、転落事故についてまとめます。幼児の不慮の事故は、たとえ保護者や大人がすぐそばにいたとしても、その発生を予測するのは難しいのですが、事故が起きやすい状況を知れば、注意を払うべきポイントが見えてきます。
実際に起きた幼児の事故を振り返りながら、事故を防ぐ方法を考えてみましょう。
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▼ 頻発する幼児の駐車場事故、降車直後に発生するケースも
ここ3カ月ほどの間に発生した、幼児と車の接触事故を取り上げます。
【駐車場や自宅敷地での接触事故】
・2歳男児が駐車場で、祖父が運転する車にひかれて死亡。車をバックさせていたところ、後ろにいた男児に衝突した模様(3月 静岡県)・3歳女児が郵便局の駐車場で、バックで駐車しようとしていた車にひかれ、左腕や右肩を骨折するなどの重傷。母親が目を離した隙に外に出て事故にあった(3月 栃木県)
・2歳女児が幼稚園に隣接する駐車場で、乗用車にはねられ死亡。駐車中の車が発進する際に女児に接触した模様。(兵庫県 3月)
・1歳女児が父親の運転する車にひかれ死亡。家族で外出するため自宅敷地から車を出そうとしたところで事故が発生。女児がいることに気付かず、誤ってはねたと見られる(4月 北海道)
【降車直後や車の発進時に起きた事故】
・4歳児が車にひかれて死亡。祖父の運転する車から降りた直後に転倒し、祖父が気付かずに車をバックさせた模様(4月 青森県)・1歳男児が幼稚園バスにひかれて死亡。母親とともに幼稚園に行く兄の見送りに来ていて、バスが発進しようとしたところで事故が発生(4月 愛知県)
・2歳男児が母親の運転する車にひかれて死亡。外出先から帰宅し、母親が男児と荷物を車から降ろした後、車を移動するため前進したところ誤って衝突した模様(5月 広島県)
駐車場や自宅敷地内での事故も、降車直後や車の発進直後の事故も、子どもが死角に入ってしまったことが原因と考えられます。体が小さい幼児ならではのリスクと言えるでしょう。
車を動かす前には「子どもがどこにいるか」を必ず確認する必要がありますし、もし確認できない場合は、車から一旦降りてでも安全確認をしてください。
また、子どもにも大人のそばを離れない、あるいは車に近づきすぎないということをきちんと教えてください。
▼ 気温上昇とともに水難事故が頻発!身近な水辺にも注意
・1歳男児が自宅の庭の池に転落し、意識不明の重体。母親と姉と庭で遊んでいたが、2人が目を離した隙に、誤って池に転落したと見られる(3月 静岡県)・釣りのために両親らと漁港を訪れていた6歳男児が行方不明になり、翌朝、付近の海底で遺体が発見される。保護者が目を離した隙に、誤って海に転落した模様(3月 岩手県)
・2歳女児が河川に転落して死亡。女児は子ども同士で川の近くで遊んでいたが、ひとりでフェンスの隙間を通りぬけ、誤って川に落ちた模様(4月 愛知県)
・3歳男児が川の下流で発見され、死亡を確認。父親と兄弟で遊びに来ていて、帰り支度をしている間に父親から離れ、誤って川沿いの遊歩道から転落したと見られる(4月 埼玉県)
幼児の水難事故が発生する理由のひとつとして、「水への興味」があげられます。
幼児は近づいて、水に手を入れてみようとするようです。危険を認識しないまま、水に近づいてしまうことが多々あります。子どもを水難事故から守る方法は、子どもから目を離さないこと。
「声が聞こえているから」「すぐそこで遊んでいるから...」と少しでも油断してしまうのは危険です。
溺れたときは声を出せませんし、水面下でもがいても周囲に音は聞こえません。事故が起きても、すぐに気付けない可能性があることを認識してください。海や川では、たとえ足だけしか水に入らないような場合でも、念のためライフジャケットを着用させましょう。
水辺では「万が一」を考えて準備を怠らないこと、常に注意を払うことが大事です。
▼ 隙間からすり抜けも...幼児のマンション転落事故
・4歳男児が集合住宅の敷地内芝生で意識不明の重体で発見される。8階の自宅ベランダに置いてあったものにのぼり、誤って転落したと見られる(3月 東京都)・4歳女児が10階付近から転落して死亡。母親と外出するため、先に部屋を出た直後に行方不明になっていた。非常階段の鉄柵の隙間から、誤って転落した模様(4月 東京都)
幼児が高所から転落する事故は、ベランダや窓辺の転落対策でリスクを軽減できます。
普段からドアや窓の施錠を厳重にし、子どもが外に出ないよう徹底しましょう。また、転落の危険がある場所に足場になるものを置かないでください。
自転車や植木鉢、家庭用ゴミなども足場になる可能性があります。幼児のうちは、保護者同伴でもベランダに出させず、「行ってはいけない場所」と認識させるほうがいいかもしれません。柵の隙間をすり抜けて転落した事故からもわかるように、柵があっても必ずしも安全とは言えません。
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事故が発生する直前の状況は、日常によくあるシチュエーションが多いのではないでしょうか。
保護者がどんなときも目を配り、子どもの行動を気にかけるとともに、場所や機会ごとにどのような対策が可能かもう一度考えることが重要です。今回ご紹介した事故の例に類似した状況では、特に注意していただきたいと思います。
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