[クローズアップNEWS]幼児の駐車場事故はなぜ起きる?防ぐポイントは?
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セコムの舟生です。
子どもの安全NEWSで取り上げたニュースにクローズアップして詳報をお伝えしている[クローズアップNEWS]。
今回クローズアップするのは、「幼児の駐車場事故」です。
昨年、駐車場内で小さなお子さんが車にひかれる事故が幾度も繰り返されました。
つい先日も、茨城県竜ケ崎市の飲食店駐車場で2歳の女の子がワゴン車にひかれて死亡する事故があったばかりです。商業施設や飲食店などの駐車場で発生することが多く、小さなお子さんを連れて車で買い物に行くことがある親御さんなら、事故が起きたシチュエーションを容易に想像できるのではないでしょうか。
駐車場といえば、左右に目を配りながらゆっくりと走行するべき場所。
にもかかわらず、類似の事故がたびたび起きるのはなぜなのでしょうか。幼児が巻き込まれた駐車場事故をいくつか取り上げながら、駐車場での事故から子どもを守る方法を考えます。
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▼ 子どもが犠牲になった駐車場事故はどんなときに起きたのか?
まずは、「子どもの安全NEWS」で取り上げた「駐車場事故」について、それぞれの事故が起きた状況をもう一度、見てみましょう。・ショッピングモール駐車場で5歳男児がはねられ重傷(2013年8月 埼玉県)
保護者より先に車外に出たところで事故にあい、車の下敷きになった。・河川敷の駐車スペースでバックした車にひかれ3歳児死亡(2013年8月 神奈川県)
親が目を離した隙に駐車スペースに入り込み、事故にあった。・4歳男児、飲食店駐車場で母親の運転する車にひかれて死亡(2013年9月 三重県)
車を降りた直後に転倒し、それに気づかずに発進した車が衝突。・商業施設の駐車場で4歳男児が駐車場でひかれて死亡(2013年11月 静岡県)
父親を追いかけ車の間を走り抜けようとしたところ、左折してきた車に巻き込まれた。・自宅敷地内で母親が運転する車にひかれ2歳児死亡(2013年11月 佐賀県)
保育園に送るため、車に乗せる直前の事故。男児が死角に入り気づかなかった。・養鶏場の駐車場で6歳男児がひかれて死亡(2013年11月 神奈川県)
祖父母と買い物に来ていて、ひとりで店外に出て事故にあった。・飲食店の駐車場で2歳女児がはねられ死亡(2014年1月 茨城県)
家族より先に店を出てひとりで駐車場を歩いていたところ、ワゴン車にはねられた。
▼ 商業施設の駐車場における幼児の事故を防ぐには?
駐車場での事故の原因は、大きくわけて2つ。
ひとつは、ブレーキとアクセルの踏み間違いなど運転操作の誤りによるもの。
もうひとつは、見落としや認識不足によるものです。幼児が犠牲になる駐車場の事故では、後者が目立っています。小さなお子さんは運転者から死角に入りやすく、そのことが事故原因になっていると言えるでしょう。
ショッピングセンターなどの広い駐車場では、駐車中の車の間をすり抜けながら目的地に歩いて向かうことが多いですよね。このようなとき、大人の姿は運転者から見えていますが、ドアミラーにも届かないくらいの背丈の幼児の場合、目に入っていない可能性が非常に高いです。
先に子どもだけ降ろしたり、ひとりで歩かせたりすることは大変に危険です。
必ず大人が先に降り、お子さんが小さなうちは手をつなぐか、混雑が激しければ抱っこするなどしてください。駐車場では周囲の状況を確かめながら歩行しましょう。
▼ 必ず子どもの居場所を「目視」で確認してください!
事故が起きるのは、商業施設の駐車場だけではありません。
保育園・幼稚園の送り迎えや自宅での車庫入れの際にわが子を巻き込んでしまう、悲しい事故も数多く起こっています。車を発進させるときに「子どもがどこにいるか」を確認していれば、防げた事故もあるかもしれません。
「ここにはもういないはず」という思い込みや、「いつもやっていること」という慣れが、非常に恐ろしい結果を招いてしまうこともあるということを、いつも心に留めておかなくてはなりません。必ず「子どもがどこにいるか」を確認しましょう。
思っている以上に車には死角があります。子どもは見えにくいという大前提を忘れないでください。
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駐車場に限らず、路上駐車の車にも注意するよう、お子さんにはよく言い聞かせていただきたいと思います。小学生のお子さんでも、車の前でしゃがみ込んで遊んでいれば、運転者から死角になって見えていない可能性もあります。止まっている車のそばで遊ばないのはもちろんのこと、そばを通るときも意識して距離を取るように教えてください。
2014.01.27