夏休み特集[7] 「お友達と出かけたい」と言われたら?子供同士の外出について考える
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セコムの舟生です。自由な時間が増え、気分も開放的になる夏休み。小学校高学年ともなると、普段から仲のよいお友達と、遠出の約束をすることもあるかもしれません。電車に乗ったり、夏休み映画を見に行ったり、ファーストフードを食べたり... ちょっと背伸びして大人の気分を味わう楽しさは、私にもよくわかります。
しかし、自分が親になってみると「なにかあったら...」と心配が尽きないものです。それでも一方的に禁止するのではなく、これも"自立へのステップ"の一つと認めて、冷静かつ客観的にどうするのかを考える必要があります。
そこで今回は、夏休み特集の第7回として「子供同士の外出」についてお話したいと思います。
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▼ 子供同士のお出かけ、何歳からOK? 小学校も高学年くらいになると、「子供だけで出かけてみたい!」と思う気持ちが強くなります。しかし、「何歳になったら大丈夫か」という問いに正解はありません。いくつになっても、どこで何をするにしても、リスクはつきもの。本当に行かせて大丈夫なのか、どこまで許すのかを決められるのは、お子さんの性格をよく知っている親御さんだけです。お子さんの成長度合いに合わせて、最終的には各ご家庭で判断するものだと思います。
一番いけないのは、「○○ちゃんのうちは良いって」「みんなやっているよ!」といった言葉に、親が流されてしまうこと。"よそのうち"を基準にして許してしまえば、外出に限らずほかのことにも歯止めが効かなくなってしまいます。
子供の言い分を受け止めつつ、「あなたのことが心配」という気持ちを言葉にして繰り返し伝えると、子供も納得するようになるものです。頭ごなしに「ダメ!」と言うのではなく、話し合いながら決められると良いですね。
▼ 子供同士で遠出をするときの"ルール"をつくりましょう!
外出を許可したら、出かける前に必ず確認したいポイントは、「どこに行くのか」「だれと行くのか」「なにをするのか」「何時に帰るのか」の4つです。これに加えて、日常の行動範囲から外れた場所へ出かけるときには、行き先の特性を踏まえて、もう少し具体的な約束ごとを決めておいたほうがいいと思います。
たとえば、繁華街なら「カラオケボックスやゲームセンターに行かない」とか「ひと気の少ない店に入らない」とか「キャッチセールスに声をかけられても立ち止まらない」といった具合です。そして、どんな場所でも、一人でトイレに行ったり、バラバラに行動したりすることは避けるよう言い聞かせましょう。
起こりうる危険を親子で話し合い、「こんなときはどうするか?」と子供自身にも考えさせ、納得したうえでルールを決めることが大切です。
▼ 日ごろの「防犯意識」が身を守る
普段から防犯意識を高く持っていれば、遠出をしたときも自分から危険な場所や人に近づくことは少ないでしょう。しかし子供同士の外出では、保護者が一緒のときにはありえないようなことが起こる場合があります。大切なのは、お子さん自身がいつも以上に緊張感を持って行動することです。初めて行く場所でも、交番やコンビニなど、いざというとき助けを求められそうなところを、歩きながら確認するクセをつけておけたら良いですね。
こうしたことは、一度で身に付くことではありません。とっさに行動するためには、日頃から親子で防犯について話し合い、子供自身の"危機回避能力"を高めていくことが大切です。子供が成長するにつれて、親には入れない子供たちだけの世界がどんどん広がっていきます。子供の自立心や自主性を、親としてはあたたかく見守りたいもの。安心して外に送り出すためにも、日ごろから親子で防犯について話し合い、子供が自ら考え判断できる力を育みましょう!
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夏休みの時期には、子供を狙った恐喝や暴行、ひったくりなどの街頭犯罪が多発します。繁華街に限らず、ショッピングセンターや映画館、プールなど、遊びに行く場所ならどこでも同じこと。「夏休みは子供が多い」ということを見込んで、犯罪行為を画策する悪意ある人間がいることを、決して忘れてはいけません。2010.08.12