【気になる!子どもの防犯特集(3)】子どもに留守番をさせていますか?
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セコムの舟生です。
ゴールデンウイークが始まりました。
休日の多い今週は、いつもよりお子さんと過ごす時間が増えるのではないでしょうか。新学期になってからの出来事を、じっくり聞くにはいい機会ですね。さて、「子どもに関するアンケート」にお寄せいただいたご意見をもとに、保護者の皆さんの「気になる!」を抜粋してお届けしている【気になる!子どもの防犯特集】。1回目は、不審者や声かけ、連れ去りなどの「不安」をテーマに、2回目はスマホアプリや携帯電話との付き合い方をテーマにお話しました。
3回目となる今回は、アンケート内でも特にご要望の多い「留守番」を取り上げたいと思います。子どもに留守番をさせられるかどうかの目安や、安全に留守番させるための留意点などを、考えてみましょう。
お子さんにも「はじめてのるすばん」のポイントが楽しく理解できるよう、わかりやすくご説明しますので、ぜひゴールデンウイーク中に親子で話し合ってみてください(^^)/
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▼ 何年生から留守番させる?
小学生になると、「いつから留守番させるか」を考え始める親御さんが多いようです。
いろいろな考え方があると思いますが、年齢や学年で判断してしまうと、子どもにとっては大きな負担になる場合があります。同級生の保護者の方と「どうしている?」と話すこともあるかもしれませんが、「ウチはウチ、ヨソはヨソ」と割り切って、子どもに無理をさせないことが重要です。
個人差や、家庭の事情、住環境など、さまざまな事情がありますから、一概に判断基準をつくることはできませんが、ひとつの目安としては、以下のようなものが挙げられると思います。
(1) 親の言いつけや家庭のルールを守ることができる
(2) 片付けや宿題など、身の回りのことを自主的にできる
(3) 家の中で起こりうる危険を理解できている
(4) 必要に応じて自分で電話をかけられるお子さんの「留守番力」をはかってみてください。
留守番といっても、10分ほど家を空ける程度のものから、数時間にわたるものまでさまざま。すべてが100点満点のお子さんは多くないと思いますが、お子さんの様子を観察したり、コミュニケーションを取ったりして、「留守番力」をはかってみてください。
▼ 「るすばんのおやくそく」を話し合おう
大人が不在の家の中で、子どもはとまどうことがたくさんあります。「してもいいこと」「してはいけないこと」「困ったときの対応」などをルール化して、わかりやすく提示してあげてください。見えるところに貼ってあげると安心ですね。小学生の留守番のルールとして、もっとも基本的なものは以下のようなものです。
<防犯キッズの「るすばんのおやくそく」>
(1) だれか来てもドアを開けない
(2) あらかじめ決めた電話以外には出ない
(3) 火は使わない
(4) なにかあったらお母さん(お父さん)に電話する
(5) 困ったときは○○さんの家に行く留守番中の来客には、ドアは開けないのが基本。
たとえ荷物の配達であっても、子どもに対応させるのは避けたほうがいいでしょう。宅配を装った犯罪も考えられますから、だれが来ても、何を言われても、ぜったいにドアを開けない意志の強さも必要です。留守番に慣れないうちは、戸締まりをしっかりして、誰が来ても応対しないほうがいいでしょう。また、電話がなったときの対応も訪問者と同様です。強引なセールスや勧誘など、子どもが困るような電話もあるかもしれません。留守電機能や、転送機能を使って、子どもが電話に出なくてもいいようにしてあげると、対応に迷いません。
インターホンや、電話に応対する場合には、「お母さん(お父さん)はいま手が離せないので、あとでまた来てください(かけなおしてください)」など、子どもだけでの留守番を相手に悟られない工夫が必要です。
それから、困ったときや緊急時の対応は、細かく決めて丁寧に説明しておきましょう。「なにかあったらここに電話してね、困ったことがあったらすぐに帰るからね」「○時に一度電話するから、留守番電話になってからお母さんの声が聞こえたら出てね」などとフォローしておくと、子どもも安心します。
▼ 留守中のリスクコントロールが肝心
子どもの留守番は、保護者によるリスクコントロールが重要な意味を持っています。家の中にどのような危険が潜んでいるか、留守番の間にどんな事態が起こりうるかをよく検討し、事前に対応策を準備することが大切です。ベランダやトイレの小窓など、一見無理そうな場所から侵入され、重大な事件につながるケースもあります。ゴミ出しや買い物など短時間でも、留守番を頼むのであれば、家中の戸締まりをしておく必要があります。
また事故の危険にも配慮しなくてはなりません。親の不在時に、ライターによる火災や風呂場での水難事故などが毎年発生しています。ライターやマッチなどは子どもの手が届かないところにしまったり、バスタブの水を抜いたりするなどの安全対策が必要です。
日ごろの子どもの興味関心から「これは危なそうだな」と思うことを想像し、手を打っておくことが、留守番時の安全につながります。
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「あれはダメ」「これもダメ」と禁止事項だけ押し付けると、子どもはかえってやってみたくなるかもしれません。「なぜダメなのか」をきちんと説明し、子ども自身にも考えさせるようにするのがポイントです。留守番は、子どもの防犯力をあげるいいトレーニングになりますが、ひとつ間違えば重大な事故や、事件につながることも考えられます。無理のない範囲で進めるようにしてください。
2013.05.02