【特集:インターネットと安全に付き合うために】<パート2>考えるチカラを育むケータイ、スマホの安全な使い方
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セコムの舟生です。
前回から、【インターネットと安全に付き合うために】と題して、子どもとインターネットの安全な関わり方について考える特集をお送りしています。
1回目は、「ゲーム機について親が知っておかなくてはならないこと」をテーマに、ゲーム機を子どもに持たせるときの注意点などをお話しました。
2回目の今回は、小学生にも年々普及している携帯電話やスマートフォンにおけるリスクと、安全に使うためのヒントをご一緒に考えてみましょう。
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▼ 子どものケータイ・スマホ利用状況を把握していますか?
携帯電話やスマートフォンのリスクとして第一に考えるべきことは、「親の知らない場所で通話やメール、インターネットができる」ということだと思います。子どもが自分の携帯電話やスマートフォンでどのような相手と通話やメールをしているのか、どんなサイトをよく閲覧しているかなど、保護者の方は把握されていますか。
また、利用するうえで決めた約束ごとを守っているかどうか、確かめていますか?どのご家庭でも、お子さんに携帯電話やスマートフォンを持たせる際には、安全な使い方を話し合っていると思いますが、肝心の子どもがそれを理解していないということも考えられます。
内閣府の「平成24年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば、携帯電話の使い方についての家庭のルールの有無について、「ある」と答えた小学生の保護者は約6割だったのに対し、小学児童は約5割。子どもは、家庭のルールをルールだと認識していないケースもあるようです。家庭のルールひとつとっても、子どもと保護者の認識に、ギャップがあることがわかりますね。
▼ どうしたら安全に使えるかを子どもに考えさせる
子どもの携帯電話・スマートフォン利用能力を高めるためには、正しい使い方をしているかどうか親が厳しく確かめる姿勢も必要です。電話やメールの利用状況、サイトの閲覧履歴やお気に入り、使っているアプリなども、必要に応じてチェックしてみてください。もしも誤った使い方をしていることがわかったときは、なぜそれがよくないかを説明し、一緒にどうしたらいいか考えることが大事です。頭ごなしに叱ったり、一方的に取り上げたりすると、しだいに子どもは「どうしたら親にバレないか」を考えるようになってしまいます。
もしも約束を破ってしまったときは、約束を守れなかったことよりも、「約束を守るためにどうしたらいいか?」のほうが重要です。利用能力アップの好機と考えて、お子さん自身に考えさせてみてください。
たとえば...
○ 約束した時間以外にメールを送っていた
→ メールのやり取りに夢中になりすぎないためにはどうしたらいいと思う?
→ どうしたら決まった時間内でメールを終わらせられると思う?○ 勝手にアプリをダウンロードしていた
(アプリを通じて個人情報が盗まれたり、課金されたりする可能性を話したうえで)
→もし知らない人からメールがきたときは、どうしたらいいと思う?
→安全なアプリかどうかを確かめるには、どうしたらいいと思う?といった具合です。
携帯電話やスマートフォン利用に必要なモラルを身につけ、自制心を育むことが狙いです。使いすぎて生活が乱れたり、トラブルに発展したりすることを避けるためにも、ぜひお子さん自身に考えさせることを実践してみてください。
▼ ケータイ・スマホもフィルタリングとペアレンタルコントロールは必須
子どもの年齢に応じて保護者が使い方をきちんと管理することも重要です。親との連絡のために携帯電話を持たせるのであれば、使うのは通話機能のみにする、メール機能は制限する、フィルタリングサービスを利用するなど、不要な機能や有害なサイトを最初から利用できないようにするほうがいいでしょう。スマートフォンの場合は、通信手段が複数あるため、携帯電話会社の提供するフィルタリングだけでは不適切なサイトへのアクセスをすべて制限することはできません。スマートフォン本体にフィルタリングソフトの導入を検討したほうがいいと思います。
また、アプリのダウンロードについても、フィルタリングやペアレンタルコントロール機能で制限することが可能です。お子さんの成長に合わせた利用環境をつくって、少しずつ携帯電話・スマートフォンの利用能力を高めていきましょう。
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小学校高学年くらいになると、メールやゲームだけではなく、SNSやプロフのような参加・交流型サイトにも興味を持つようになるかもしれません。クラスメイトや親しい友人に限定したやり取りのつもりで気軽に参加し、出会いやネットいじめなどのトラブルに発展するケースが後を絶ちません。インターネットは世界に開かれた場であること、いざというときの味方は親であるということを日ごろから言い聞かせてください。親の心配する気持ちを伝えることも、子どもが安全にインターネットを利用するうえで重要なことです。
2013.07.01