新たなる脅威!?携帯ゲーム機と子どもの”いま”を知る
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セコムの舟生です。
これまでに何度か取り上げてきた、子どもとインターネットの問題。携帯電話を中心とした話が多かったのですが、この問題を語るうえで、もうひとつ大きな懸念材料になっている通信機器があることを、みなさんもご存じだと思います。
それは、ゲーム機。
最近のゲーム機は、ほとんどがインターネット接続機能を備えています。わが家でも子どもが携帯ゲーム機を使っていますが、私の子ども時代のように「単なるおもちゃ」というだけでは片付けられない時代になってきたと感じています。
そこで今回は、子どもにとって新たな脅威になりつつある、ゲーム機によるインターネット接続の注意点を取り上げてみたいと思います。
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▼ ゲーム機から個人情報が漏洩する!?
今年の春、大手メーカーのゲーム機が、ある問題で話題になりました。不正アクセスによって、オンラインサービスから個人情報が流出してしまったのです。「ただのゲーム機だと思って子どもに好きに使わせていたのに、個人情報が漏れるなんて...」と驚かれた保護者の方も多かったのではないでしょうか。親御さんによっては、ゲーム機からインターネットに接続できることや、利用する際に個人情報の登録が必要なことを知らなかった方もいるようです。
▼ 携帯ゲーム機からも有害サイトにアクセスできる
近年では、子どもが最初に手にするネット接続機器は、携帯電話でもパソコンでもなく、ゲーム機だといわれています。しかもそれは、子ども専用。インターネットという未知の世界に、大人のナビゲートなしで旅立たせてしまうようなものです。どんな危険が待ち受けているのか、子どもは何の知識も持ち合わせていないでしょう。ゲーム機からも有害なサイトへ簡単にアクセスできてしまうのが現実です。安全にインターネットを利用するための対策は、携帯ゲーム機にも必要だということを、すべての保護者の方に強く認識していただきたいと思っています。
▼ 携帯ゲーム機にフィルタリングをしていますか?
携帯ゲーム機から有害サイトへのアクセスを防ぐためには、まずはゲーム機の機能制限などを用いて、お子さんに応じた使い方を保護者が適切に設定すること(ペアレンタルコントロール)が絶対に必要です。また携帯電話やパソコンからのインターネット利用と同様、フィルタリングサービスも有効です。ゲーム機の種類にもよりますが、有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングサービスが用意されていると思います。ただ、親御さん自身がゲーム機を使って契約し、設定を行わなくてはならないものもあるようです。
特定サイト以外はアクセスできないようゲーム機本体に設定できるものもありますので、一度お子さんからゲーム機を預かって確認してみてください。
▼ 携帯ゲーム機を持たせるなら"わが家のルール"を!
携帯ゲーム機は高度なインターネット端末。このことをしっかり理解していれば、使い方には当然ルールが必要だということがお分かりになると思います。私の家でも、遊ぶ時間や場所を決めることに加えて、「ゲームでネットにつなぐのは、親がいるときだけ」というふうに"わが家のルール"を決めています。お子さんが小さなうちは、ゲームを与えて放っておくのではなく、どんなふうに使っているのかをきちんと見ておくべきです。子どもはすごいもので、親が知らないうちにより高度な使い方をマスターしてしまうこともあります。
外出先でも無料のWi-Fiスポットが増えてきています。また、他人の無線LANを使った"野良アクセスポイント"も依然、問題として残っています。そのような中で、ゲーム機を持って外に送り出したら最後、何をしているかわからない...というのではとても危険です。
やっていいこと・いけないことをきちんと学び、ルールを決めて約束を守ること。こうしたネット利用の能力を親の指導で高めていくことが必要で、未熟なうちはたとえゲーム機であっても、自由に使わせるべきではないと思います。
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「子どもに携帯電話をいつから持たせるか」という問題の前に、本当は「子どもに携帯ゲーム機を買い与えてもいいのか」という議論があってもいいはずなのですが、そういう話はあまり聞きません。
小さな子どもへのプレゼントに、ネット端末が与えられている現実を思えば、子どものインターネット教育は早いほどいいように思います。小さいころから、大人がパソコンを使うときなどに少しずつインターネットの話をしてみるのもいいかもしれませんね。
2011.11.29