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横矢真理さんと考える「子供の防犯」(その1)

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対談セコムの舟生です。今回から2回にわたって"子どもの危険回避研究所"所長、横矢真理さんとの対談をレポートします。

横矢さんは『犯罪の危険から子どもを守る!』(学習研究社)などの著書で知られ、子供の防犯における第一人者のお一人です。私も今回の対談を通じ、さまざまな勉強をさせていただきました。


舟生:私もいろいろなところで講演をしていますが、子供の防犯に関しては社会の意識が急速に高まってきていますね。

横矢さん:ええ。私も社会の意識は高まっていると思います。ただ、地域差もあるようです。事件の直後は意識が急激に上がるのですが、時間の経過とともに意識が下がっていってしまうというのも現実ではないでしょうか。"子どもの危険回避研究所"では、子供がどうやったら危険な目に遭わないで済むかを考えながら社会活動を行っています。

舟生:どのようにしたら子供が危険に遭わないで済むとお考えですか?

横矢さん:大切なのは、「出入りしやすく、見えにくい場所」が犯罪が起きやすい場所だと知ることと、そういう場所を子供たちが自分の力で探せるように力をつけておくことです。地域の特性を知ることも重要です。街中とあぜ道では、対策が違ってきますよね。子供たちが危険に巻き込まれないようにするには誰が何をしたらいいか、地域で話し合うといいと思います。

舟生:地域ぐるみでの対策ですね。

横矢さん:そうです。これは地道な活動です。全てに完璧な対策や解決策というものはありませんが、常に、危機意識を持ちながら生活していくことが、子供たちを守ることにつながると信じて、地道な活動を継続していただきたいと思います。

舟生:たしかに、防犯にとって、特効薬と呼べるような対策はありませんね。だからこそ地域全体で共通した危機意識を持つことが大切なのですね。

横矢さん:地域ぐるみで対策をするときの注意点があります。地域での取り組みとはいえ、強制や押し付けになってはいけないということです。あくまでも有志を募って行うことが肝心ですし、そのほうがうまくいきます。

舟生:ほかにも、ポイントはありますか?

対談横矢さん:子供の防犯においてもうひとつ大事なポイントは、子供をとりまく危険をよく知ることです。"子どもの危険回避研究所"を開設するにあたって、アンケートを実施したことがあります。結果をみてみると、子供を守るための情報が少ないという「声」がたくさん寄せられました。"子どもの危険回避研究所"では、事故・犯罪・いじめや虐待・病気・環境問題・災害といった6つの視点で「子供を守る」ことを考えています。そうした情報を提供することで、漠然と抱いていた不安や悩みを少しでも解消できたらと思っているんです。

舟生:私も2児の父親ですので、子供たちをどのようにして守っていくか、守りきれるのかと不安になることがあります。でもきちんと情報を集め、解決策を探していくことで、少し安心できます。

横矢さん:私も、危険に対してすごく臆病でした。だからこそ、現実にある怖さを知りたいと思って研究を続けてくることができたんです。良い情報を得て、正しい知識で向かい合えば、解決策も見つかるはずです。小さな工夫一つでも、具体的に対策を実行していく、それを積み重ねていくことで不安も解消されます。

舟生:危険を理解できれば、対策も立てやすいですね。

横矢さん:はい。そして、最悪の場合を想定して、事前に備えることが大切です。

舟生防犯シミュレーションですね。このブログでも以前、取り上げたのですが、子供たちが、自ら危険を回避する力を付けていくことが重要だと思います。

横矢さん:そうですよね。大人は、危険回避力のアップをサポートしてあげればいいんです。

舟生:子供の防犯において完璧な対策はないのが現実です。どうしても子供たち本人の回避力を向上させないと防ぎきれないのが現実ですね。

横矢さん:ええ。子供の防犯では「ひとりにはならないように」とよく言われます。もちろんこれは、大切ですし、基本です。でも、悪いことをする人というのはずる賢いですから、何人いたとしても、言葉巧みにひとりになる状況をつくりだそうとするので油断は禁物です。

白いおばけのスー舟生:子供向け防犯絵本『白いおばけのスー』でも同じ話題を取り上げました。3人で遊んでいたはずなのに、気が付くと不審者と自分だけになっていたというお話です。

横矢さん:実際にも、同じようなケースがたくさん起きています。安心感には、盲点があるものですから、決して気を抜かず、臨機応変に対応できる力を育んでもらいたいです。


今回は、ここまでです。この続きは次回レポートいたします。お楽しみに。

2006.03.09

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