公園で遊んでいるとき「知らない人」に声をかけられたら?
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セコムの舟生です。
公園など、子どもたちの遊び場にも元気な声が戻りつつあります。
使用が中止されていた遊具が使えるようになった公園も多いようですね。
ただ、まだまだ感染症への用心が欠かせません。
こまめな手洗い、マスク着用など感染予防対策を忘れないようにしましょう。
またこれから本格的に暑い季節に入ります。
熱中症予防も欠かすことができません。
こまめに水分補給をすることを心がけてください。
外遊びができるのは喜ばしいことですが、子どもを狙った犯罪が頻発しているのが心配です。
公園や路上で遊んでいる子どもに声をかけたり、わいせつ犯罪に及んだりする事案が各地で確認されています。
6月上旬にも、わいせつ目的で複数の女児に「コロナウイルスの検査をさせて」と声をかけていた男が逮捕される事案が発生しました。
今回は、不審者に声をかけられたときの対応をまとめます。
子どもを狙う不審者は、子どもが多く集まる場所で物色する行動をとることがあります。
言葉巧みに近づく不審者から身を守るために、子どもに教えておくべき防犯対策を学びましょう。
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▼ 子どもに「知らない人」を理解させる
子どもに「知らない人について行ってはダメ」「知らない人からものをもらってはダメ」と伝えているご家庭は多いと思います。
子どもの防犯対策の基本ですが、それだけでは「知らない人」の意味が十分に伝わっているとは言えません。
子どもは、親しげに話しかけてくる人や、ときどき見かけたことがある人を、「知っている人」と判断してしまうことがあります。
たとえば、いつも遊んでいる公園で子どもたちがよく挨拶を交わす大人がいるとします。
よく顔を見かける人で、少しでも言葉を交わしたことがあれば、「知っている人」と認識しているかもしれないのです。
子どもが地域の人と関わりをもつのはよいことですが、無防備について行ってしまったり、もらったお菓子を食べてしまったりすることは、防犯面や安全面を考えると心配な部分があります。
子どもに「知らない人」への対応を教えるときは、まず「知らない人」について具体的に理解させることが肝心です。
<こんな人は「知らない人」>
・見たことがない人
・名前を知らない人
・住んでいるところを知らない人
・どんな人なのかよく知らない人
・お父さん、お母さんの知り合いではない人
顔を知っていて、話したり、挨拶したりしたことがあっても「知らない人」です。
誘われてついて行ったり、ものをもらったりしないよう、あらためて言い聞かせてください。
また、残念なことですが、「知っている人」による犯罪も起こることがあります。
「誰かについて行くときは、たとえ"知っている人"でも、必ず親に確認をして許可を得る」といったルールを決めておくほうが安全でしょう。
▼ 公園で遊んでいる子どもに対する声かけ
犯行をもくろむ不審者は、子どもの流行や興味・関心事をよく知っていて、いかにも親しげに近寄ってきます。
「(おやつ時に)お菓子をあげる」「子犬を見に来ない?」「テレビに出てみない?」などと声をかけられたら、興味をひかれても不思議ではありませんね。
遊びに夢中のときは、気分も高揚しているので、「そのゲームの裏技を教えてあげようか」「(遊具にいる子に)受け止めてあげるから飛んでごらんよ」などと声をかけられたら、つい心を許してしまうかもしれません。
また、「コロナウイルスの検査をさせて」と声をかけたケースのように、子どもを怖がらせて従わせようとすることも考えられます。
警察を名乗ったり、「お母さんが事故にあったからついて来て」と緊急を装ったりして、連れ去ろうとする事案も過去には起きています。
「知らない人」からこのような声をかけられたとき、とっさに「あやしい」「あぶない」という危険センサーをはたらかせるためにも、不審者の手口を話して聞かせてください。
遊んでいるときに警戒が必要なのは、「〇〇をあげるからおいで」「一緒に〇〇して」といった、子どもに行動をうながす声かけ。
「〇〇はどこ?」「〇〇を教えて」など、子どもに何かしらの答えを要求する声かけも、良からぬ意図があるかもしれないことを教えてあげましょう。
▼ 不審な声かけによる犯罪から身を守る対策
「あやしい」と感じたときは、話の内容にかかわらず、「いやです」「わかりません」と対応して問題ありません。
きっぱり断って、すぐにその場から離れましょう。
相手の返事や反応を待つ必要はありません。
子どもが戸惑い、迷うような質問をしてくること自体が警戒に値します。
危険かもしれない状況から、一刻も早く遠ざかることが何よりも大事だと教えてください。
相手の気を悪くするのでは...?と考えて躊躇してしまうお子さんもいるでしょう。
しかし、返事を迷っている間に、相手に付け入るすきをあたえてしまいます。
断るのが苦手なお子さんには、「お母さん(お父さん)に聞いてみます」「家の人からダメだと言われているので」など、おうちの人を出して断るように教えてあげてください。
「間違っていてもいいよ、あとでお母さんが謝るから。万が一のために、自分を守ることを優先して」と伝えておくと、子どもも自信をもって対応できます。
そのほか、不審者から逃れる方法として、子どもに教えておきたいことをまとめます。
・きっぱり断る
・走って逃げる
・子ども110番の家やお店、友達の家など、安全な場所に避難する
・大声を出す
・助けを求める
・防犯ブザーを鳴らす
勇気を出して、行動を起こすことが大切です。
様子がおかしい人がいたら、声をかけられる前に公園から離れ、すぐに大人に知らせることも教えておきましょう。
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不審者と対峙したときの対策を中心にまとめましたが、もっとも重要なのは、不審者に遭遇しないこと、目を付けられないことです。
公園で遊ぶときも、防犯ブザーを目立つところに携帯し、ひとりにならないことを徹底させてください。
公園のトイレで襲われる事案も起きており、男の子も被害者になっています。
ひとりで行動せず、トイレも友達についてきてもらうように言い聞かせましょう。
また、樹木がうっそうとしていて、通りからの見通しが悪い公園は、死角が多く危険です。
犯行を見られにくい場所として、不審者が狙っている可能性もあります。
夏場は草木が伸びて見通しが悪くなる場所も増えますので、お子さんがいつも遊んでいる公園の安全性を確かめておきましょう。2020.06.18