「匿名通報ダイヤル」をご存じですか?
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セコムの舟生です。
子供や女性が、売春や強制わいせつなどの被害に遭う事件が絶えません。新聞やニュースを見て、心を痛めている方も多いのではないでしょうか。
こうした犯罪から子供や女性を守るため、警察庁では2007年10月1日から「匿名通報ダイヤル」制度をスタートしています。「匿名通報ダイヤル」制度とは、児童買春や児童ポルノ、人身取引など、被害者本人から言い出しにくい犯罪から子供や女性を守るための、専用相談窓口です。
今回は、「匿名通報ダイヤル」とは一体どういった制度なのか、詳しく見て行きましょう。
この制度は、少年の福祉を害する犯罪や人身取引事犯の被害者となっている子供や女性の早期保護を図ることを目的としており、警察庁から委託を受けた民間団体である特定非営利活動法人『日本ガーディアン・エンジェルス』が、市民から匿名による事件の情報を受け取り、その情報を警察に提供して捜査に役立てています。
通報の対象となるのは、以下のような犯罪です。
◆ 少年(18歳未満)の福祉を害する犯罪
・児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童買春など)
・労働基準法違反(年少者の危険業務、深夜業など)
・覚せい剤取締法違反(少年への譲り渡しなど)
・刑法の強制わいせつ罪など、少年の心身に有害な影響を与え、少年の福祉を害する犯罪具体的には、18歳未満の者を買春すること、18歳未満の者を深夜業務や福祉に有害な場所における業務に就かせること、未成年者へ覚せい剤を譲り渡すこと、未成年者に対し、暴力又は脅迫を用いてわいせつな行為をすること、などです。
◆ 人身取引事犯
・刑法の人身売買罪等
・出入国管理及び難民認定違反(不法就労活動をさせる行為など)
・売春防止法違反(売春の周旋、場所の提供など)
・搾取目的で被害者を支配下に置き、金銭等の授受等の手段により獲得、引き渡し、収受する等の犯罪具体的には、女性や18歳未満の者を売買すること、女性に売春や風俗店等で働くことを強要すること、女性に売春させたり風俗店で働かせたりして、その賃金等を搾取すること、などが挙げられます。
「匿名通報ダイヤル」では、受付時に通報者の名前や身元を尋ねず、警察への情報提供の際も通報者の情報は一切除かれますので、通報者の身元などが捜査機関や犯人に伝わることはありません。また、事件が解決した場合には、貢献度に応じて最高10万円の情報料が通報者に支払われます。「こんな情報を110番通報してもいいのかしら?」「警察に通報して、名前や身元を知られるのには不安がある」「刑事手続きが大変そう」など、これまで二の足を踏んでいた人でも、匿名通報ダイヤルなら情報提供しやすいのではないでしょうか?
2007年度中(10月~3月)には307件の情報が寄せられ、4件の事案が被疑者の検挙や被害者の保護につながり、被疑者12名が検挙され、被害児童2名が保護されたそうです。
ほんの少しの勇気で救われる弱者がいます。普段から気になっていることがあれば、ぜひ利用していきたい制度です。
【匿名通報ダイヤル】0120-924-839(フリーダイヤル)
【専用ホームページ】http://www.tokumei24.jp/2008.05.15