経営情報
MANAGEMENT INFORMATION
海外での事業展開
セコムの海外事業は、1978年に台湾へ進出して以来、拡大を続け、現在は13の国と地域で、緊急対処サービス付オンライン・セキュリティシステムを中心に、市場ニーズに合わせた多様なサービスや商品を提供しています。
各国での取り組み
台湾では、中興保全科技股份有限公司が現地証券取引所に株式を上場しており、セキュリティ業界の最大手企業としてホームセキュリティから大型施設・都市の安全管理システムまで、幅広いサービス・商品を提供しています。また、クラウド・AI・IoTといった最新技術を積極的に導入し、サービス品質の向上に努めています。
韓国では、(株)エスワンがセキュリティ業界の最大手企業として現地の証券取引所に株式を上場しており、オンライン・セキュリティシステムを中心に、多種多様なセキュリティサービスやビルディングソリューションを提供しています。約760カ所の緊急発進拠点からの迅速な緊急対処がお客様から高く評価され、契約が拡大しています。
中国では、沿海部から内陸部までセキュリティ拠点のネットワークを構築し、さらなる拡販に努めています。
東南アジアでは、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナムでオンライン・セキュリティシステムなどの提供と普及拡大を図っています。
トルコでは、2019年の進出以来、幅広いお客様に安全管理システムをはじめとするセキュリティサービスを提供し、同国内で着実にプレゼンスを高めています。
オーストラリアでは、お客様のハイレベルなニーズに応える、No.1品質のセキュリティ会社をめざす方針を掲げ、大手銀行や大型商業施設など民間企業から政府系機関まで、大規模なシステムインテグレーションを含む高品質なサービスを提供しています。ニュージーランドでは、セキュリティサービスや保守点検サービスを提供しており、特に高性能な監視カメラシステムが大手スーパーマーケットや銀行から高く評価されています。
英国では、セコムPLCが英国全土に高品質なオンライン・セキュリティシステムなどを提供し、政府機関や大手銀行、大手企業からも信頼を得ています。2024年7月には、アイルランドに進出しました。
成長市場に対するビジネスの進化
セコムは、持続的な成長をめざし、市場拡大が期待できる海外事業を強化しています。連結の純売上高および営業収入に占める海外事業比率10%以上をめざし、特に富裕層や中間層の増加が著しいアジア地域において、地域性や市場ニーズを見極めたサービスの創出、積極的な現地採用と教育・研修の充実によるサービス品質の向上、マーケティングの本格化によるセコムブランドの浸透に注力しています。
上海とバンコクのイノベーションセンターでは、最先端技術を活用し、市場ニーズに合致したシステムを開発するとともに、スキルの高い技術者の育成に取り組んでいます。スマートフォンを活用した利便性の高いシステムの開発も成果を上げており、中国ではセキュリティサービスをデジタル化するプラットフォームを開発し、サービス展開しました。
英国、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムにおいては、クラウドを活用し、スマートフォンアプリによる操作や画像確認ができるなど、利便性の高いインタラクティブなセキュリティシステムの提供を拡充しており、他国への展開も進めています。またタイでは、現地の著名な俳優を起用した広告宣伝キャンペーンを展開し、ブランドの認知度向上を図るとともに、顧客データを分析してお客様に最適なセキュリティシステムを提案し、売上と顧客満足度の向上につなげています。2024年3月には、タイでも社会課題となりつつある少子高齢化をとらえて、高齢者向けの見守りサービス「セコム・スマートセキュリティ・ケア」の販売も開始しました。
新たな成長基盤の構築や中長期的シナジーの追求による事業拡大のために、業務提携やM&Aも積極的に推進しています。セコムは、米国におけるVSaaS※1の代表的企業Eagle Eye Networks社およびACaaS※2の代表的企業Brivo社に出資しており、両社の先端テクノロジーや独自ソリューションを活用し、海外マーケットを中心に協業を進めています。今後もセコムは、既存ビジネスの深耕とともに、新たな地域や事業領域への展開を推進し、セコムブランドを浸透させながら「ANSHIN」が世界の共通語となるよう取り組んでいきます。
- 1 VSaaS (Video Surveillance as a Service):監視カメラ映像をクラウド上でアクセス・管理・解析するサービス
- 2 ACaaS (Access Control as a Service):ご契約先のアクセスコントロール端末をクラウド上で制御・管理するサービス