マイナンバーで副業ができなくなる?
マイナンバー制度の導入でサラリーマンの副業が会社にばれてしまうというのは本当ですか。
マイナンバー制度がきっかけとなり副業が明らかになることはない
マイナンバー制度導入によって、従来の地方税関係手続そのものに変更が生じることはありませんので、マイナンバー制度の導入が原因となって副業を行っている事実が新たに判明することはありません。
そもそも、住民税の税額等は、「特別徴収額の決定通知書」により給与支払者を経由して従業員(納税義務者)に対して通知され、この通知書には前年の給与収入の合計額等が記載されますが、この通知書の給与収入の合計額に副業に係る給与収入の金額が含まれれば、マイナンバー制度の導入にかかわらず、これまでも、「勤務先企業が支払った給与額」と「通知書に記載されている給与収入合計額」との比較を行えば、副業を行っている事実が判明することはあり得ました。
マイナンバー制度が導入されると、給与支払者が市区町村へ提出する給与支払報告書にマイナンバーが記載され、全ての受給者(支払を受ける者)を効率的に名寄せすることができるようになりますが、これまで副業収入に係る住民税を自主納付してきた方は、マイナンバー導入後であっても従前通り「普通徴収手続」により納付を行えば、主たる勤務先に副業していることを把握されることはないと考えられます。
ただし、地方税法によれば、給与所得者の個人住民税については、アルバイト、パート等も含めて全ての従業員から特別徴収を行うことが原則です。以前よりこの特別徴収の実施率が全国的に低いことが指摘されており、現在では、給与支払者に対して特別徴収の指導を徹底強化している自治体が増加しているため、副業収入が給与収入の場合、当該収入に係る住民税について普通徴収を選択して自主納付できるかどうかについては、お住いの市区町村にお問い合わせください。
2016.11.04更新