流行の兆し!?初夏に気をつけたい子どもの感染症
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セコムの舟生です。
いよいよ夏らしくなってきました。
暑い日は熱中症への注意が欠かせませんが、お子さんの健康管理で気をつけたいことはそれだけではありません。
「子どもの安全NEWS」でもお伝えしましたように、乳幼児に多い夏風邪の一種「ヘルパンギーナ」の患者数が急増しています。
また、口や手足に水泡が出る「手足口病」や、「プール熱」の流行が報じられている地域もあり、感染症の情報には今後も注意を払っておきたいところです。
そこで今回は、これから盛夏にかけて流行しやすい感染症についてまとめます。
お子さんの健康管理や予防に、ぜひお役立てください。
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▼ 子どもがかかりやすい三大夏風邪とは?
夏風邪とは、夏場に流行しやすいウイルス性感染症の総称です。
なかでも「三大夏風邪」と呼ばれているのが、「ヘルパンギーナ」「手足口病」「プール熱」で、いずれも子どもがかかりやすい感染症としても知られています。
<三大夏風邪、それぞれの特徴>
・ヘルパンギーナ
エンテロウイルスによる感染症で、突然高熱を出し、口の奥に水ぶくれができるのが特徴。
免疫のない幼児がかかりやすい感染症です。
高熱が数日続くほか、水泡や喉の炎症のせいで水を飲むのも痛がり、脱水症状にまでなってしまうこともあるようです
・手足口病
コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによる感染症で、手のひら、足の裏、口の中などに発疹ができます。発熱をともなうこともありますが、ヘルパンギーナほどの高熱にはなりません。
やはり口の中の発疹で水分が取りにくくなるので、特に脱水症状には注意が必要です。
未就学の幼児がかかりやすい感染症ですが、まれに小学校でも流行することがあるようです。
・プール熱
アデノウイルスによる感染症の一種で、喉が腫れて高熱が出るなど、風邪のような症状があらわれます。目が充血して結膜炎になることもあります。
プールでタオルの貸し借りなどを通じて感染することからこのような名前で呼ばれますが、咳やくしゃみなどによる飛沫感染もあるため、プールに限らず、日常生活でも感染します。
<もしも三大夏風邪にかかったら?>
いずれの感染症もワクチンや特効薬はないため、一度かかってしまったら、熱を下げるなどの対症療法が中心。
多くの場合は数日すると良くなりますが、命に関わりかねない脱水症状には特に注意が必要です。
<三大夏風邪の予防対策>
(1) こまめに手を洗う。石けんと流水でしっかり洗って清潔なタオルでふく
(2) 友達同士でハンカチやタオルの貸し借りをしない
(3) 咳エチケットに注意する(マスクをする、人に向けて咳をしないなど)
手洗いは、感染症予防の基本対策です。
季節を問わず、こまめに丁寧に手を洗うことを習慣にしましょう。
▼ 夏場の食中毒に注意!子どもは重症化しやすい傾向
もうひとつ夏場に心配な感染症は「食中毒」。
初夏から夏にかけては細菌やカビが繁殖しやすく、食べ物や調理器具などに付着していることがあります。
食中毒を引き起こす細菌には、いろいろなものがありますが、特に心配なのは、O157やO26などの「腸管出血性大腸菌」。
なかでも子どもは脱水症状を起こしやすく、重篤な症状に陥ってしまうこともあるので、注意が必要です。
<もしも食中毒にかかったら?>
腹痛や下痢、嘔吐など、気がかりな症状が見られたら早めに医療機関を受診しましょう。
お子さんのケアで感染してしまうこともあるので、排泄物や吐瀉物の処理は手袋やマスクを使用し、塩素系消毒剤や家庭用漂白剤などで周囲を拭き取るなどし、感染拡大を防ぎましょう。
<食中毒の予防対策>
(1) 調理前や食事前には石けんで手をよく洗う
(2) 食材を流水でよく洗う
(3) まな板や包丁は使った後、よく洗って乾かす
(4) 食材は中までしっかり火を通す。温めなおしのときも十分に加熱する
(5) 生鮮食品は保存状態に気を配る(常温で放置しない)
「よく洗う」「加熱する」が食中毒予防の基本対策です。
また、まな板や包丁、菜箸などの調理器具、スポンジに付着した菌が原因になることもありますので、熱湯や漂白剤による殺菌のほか、直射日光にあてて乾燥させることも効果的です。
小さなお子さんの場合、生食はできるだけ避けましょう。
これからの時期は肉だけではなく、魚やたまご、野菜も、火を通したもののほうが安心です。
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地域の流行情報は、自治体や感染症情報センターのホームページなどで見ることができます。
また、学校の保健だよりなどにもよく目を通しておきたいですね。
手洗いをはじめとする予防対策を心がけて、元気に夏を過ごしましょう!2016.07.04