夏直前!プール・海・川での子どもの事故を防ぐには?
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セコムの舟生です。
梅雨の晴れ間にのぞく太陽に夏らしさを感じる季節を迎えました。
そろそろプールの授業がはじまる小学校も多いのではないでしょうか。
夏を迎えると、学校のプール以外でも、水辺での楽しみが増えますね。
海や川など水辺のレジャーは、夏の思い出としてお子さんの心に残ることでしょう。
一方で、夏には子どもが犠牲になる水の事故がたくさん起きていることも、忘れてはなりません。
水辺でのトラブルは、ちょっとした油断や偶然が重なって発生します。
ひとたび事故が起きると命に関わることも多く、水難の約半数が死亡事故になるという統計もあります。
どうすれば水難事故からお子さんの命を守れるのか、夏本番を迎える前に、水難事故防止の正しい知識と安全対策を覚えておきましょう。
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▼ 監視員がいても発生する「プール」の事故
プールでは、監視員や指導者が見守っていますが、溺れたり、転倒してケガをしたりする事故は毎年起きており、死亡事故も発生しています。
プールでの重大事故には、以下のようなものがあります。
(1)溺れているのに気付かれない
プールの事故では、溺れているときには気付かれず、水の底に沈んでいるところを発見されるケースが多く見られます。
浅い幼児用のプールでも、事故は起きています。
溺れるきっかけは、足を滑らせた、足がつったなどわずかなことですが、発見が遅れると命の危険に直結します。
(2)プールサイドで転んだり、飛び込み時に頭を打ったりする
プールではついはしゃぎすぎてしまうお子さんが多いようです。予測できない事故はこういうときに起こりやすいもの。友達同士で盛り上がり、禁止事項を無視したり、保護者の制止を聞かず、目が離れたりしたときに事故にあうことが考えられます。
(3)プールの吸水口や排水口に吸い込まれる
プール内の排水口が吸い付き動けなくなったり、わずかな隙間に指などが挟まって抜けなくなったりする事故も起きています。興味本位で危険箇所に安易に近づいたり触れたりして、事故につながると考えられます。
プールでは、「海や川より安全」「監視員がいるから安全」という油断が、子どもの事故を招いてしまうことが考えられます。
子どもから目を離さないこと。
そして、落ち着いて行動させることが、事故防止のカギ。
また、水の中は温度が低いので体調変化が起きやすく、睡眠不足や疲れなども溺水の原因になります。学校のプールがあるときは、お子さんの健康状態をよくチェックして、無理をさせないようにしてくださいね。
<プールでの安全対策>
・体調が悪いとき、睡眠不足のとき、疲れているときは、プールに入らない
・子どもから目を離さない。浮輪をしていたり、浅い場所にいたとしても油断しない
・走ったり無理に飛び込んだりせず、ルールを守って行動する
・排水口や金網、金属部品など、プールの構造に関わる箇所に触らない
▼ 子どもの「海」「川」での水難事故は「水遊び中」に多い
海や川では、泳いでいないときでも命に関わる大きな事故が起きることがあります。
警察庁の「平成27年夏期(7~8月)における水難発生状況」によれば、中学生以下の子どもが死亡や行方不明となった水難事故の発生場所は「河川」が最多で41.4%。
「海」は37.9%で、約8割の重大事故が海と川で起きていることがわかります。
また、「水遊び中」が圧倒的に多く、約半数が該当します。
自然の水辺では、水温や水流が急に変化するところがあったり、急に深くなっているところがあったりします。また、水草や藻などが茂っていて、足を取られることもあります。ちょっと足を浸して遊ぶくらいのつもりでも、油断すれば大事故になるということを心得ておかなくてはなりません。
<海や川での安全対策>
・天候が悪いとき、前日に天候が荒れた日などは、水辺に近づかない
・掲示板や標識で危険区域と表示された場所には入らない
・保護者が危険箇所を確認してから水に入る
・幼児や泳げない子の水遊びは、必ず保護者がそばに付き添う
・泳ぐ予定がなくても、ライフジャケットを身につけさせる
・いざというときすぐに使える救難用の浮具を用意しておく
海でも川でも、自然の中にいるときは、お子さんが遊ぶ場所に危険がないかを親が事前にしっかりと確認するのが大事です。
危険な場所には近寄らせず、たとえ泳げるお子さんでも決して目を離さないようにしましょう。
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水のある場所では、地面の上とは違う事故のリスクがあります。
いつもと同じ気持ちで遊びに行くと、危険にさらされることもあるということを、子ども自身も理解しておかなくてはなりません。
遊ぶ前には、やってはいけないことを明確に伝えて、子どもにはルールを守ることを約束させましょう。
また、保護者の方も「ちょっと水遊びするくらいなら大丈夫」「浅いから大丈夫」という気持ちは、決して持たないようにしてください。
「もしかしたら」を考えて安全対策を万全にし、子どもと水辺のレジャーを楽しみましょう!2016.06.20